いま話題の家具のサブスクとは?プロが徹底解説!

2023年2月22日

コロナ禍で動画や音楽を定期購入できるサブスクリプションサービス(通称サブスク)が普及した現在、新たに「家具」のサブスクも話題となっています。家具をサブスクサービスで借りることで、どのような暮らしを実現できるのでしょうか。

今回は、家具のサブスクサービスを展開する株式会社CLASの小林さんにインタビュー!家具のサブスクを利用するメリット・デメリットや今後の住まいの在り方などをお聞きしました。

 

お話しを伺った方

株式会社CLAS 小林 信哉(こばやし しんや) さま

家具のサブスクって?メリットや注意点を解説

家具のサブスクとはどのようなものなのでしょうか。レンタルとの違いをはじめ、家具のサブスクを利用するメリットや注意点をお聞きしました。

 

サブスクとレンタルの違いとは

ー家具レンタルというのも耳にします。サブスクとレンタルの違いは何でしょうか?

レンタルは借りる期間が決まっている一方、サブスクは事前に契約期間を定めないことが大きな違いといえます。契約期間を定めないことで、引っ越しなど外部環境の変化に対応できることがサブスクの強みです。

 

ー同社のサービスを利用する方は、平均でどのくらいの期間家具を借りているのですか?

おおむね1年半ほど、同じ家具を借りられる方が多い印象です。

 

家具のサブスクを利用するメリット

ー家具のサブスクを利用するメリットはなんですか?

大きく分けて①ライフステージの変化に応じて物を捨てなくなる、②家具を購入するより初期費用を抑えられるという2点が挙げられます。

 

ーライフステージの変化とは?

進学や就職、結婚・出産などのタイミングで生活環境が変化することです。大学進学を機に一人暮らしを始める場合、家電量販店で一人暮らし家電セットを購入したり、シングルベッドを購入しますよね。

進学の際に購入した一人用の家具・家電は、大学を卒業して社会人になると捨てられることが多いのです。

 

ーなるほど。たしかにそうですね

ライフステージの変化は他にもあります。社会人になって同棲を始めるタイミングでは、リビング・ダイニング共有のローテーブルや、小さなテーブルと椅子2脚で十分でしょう。しかし子どもが生まれると必要な椅子やベッドが増え、子どもが小学生・中学生と大きくなるにつれて、体の大きさに合う家具を用意する必要があります。

家族構成の変化や家族の成長に合わせて、必要な家具の種類や大きさ、デザインは異なります。ライフステージの変化に対応しやすいのがサブスクなのです。

 

ーなるほど。初期費用はどのくらい抑えられるのですか?

当社の試算では、家具を一式購入するケースと比べて98%の初期費用を抑えられます。具体的な数字でいうと、家具・家電を一式購入するのに100万円の初期費用がかかる場合、サブスクであれば2万円の初期費用で済むということです。

もちろん初期費用が少ない分、月額で家具の利用料を支払う必要はありますが、ライフステージの変化の際に多額の初期費用を用意しなくてもよい点は大きなメリットではないのでしょうか。

 

家具のサブスクを利用する際の注意点は?

ー家具のサブスクを利用する際の注意点は?

サブスクという言葉の定義が不十分であるため、単にレンタルをサブスクと表現しているケースもあります。当社の場合は月単位の契約・解約ができる一方、サブスクと謳いながら12か月間解約が難しい契約になっているサービスもあります。

サブスクという言葉に飛びつくのではなく、サブスクが何を意味しているかも加味しながらサブスクサービスを検討することが大切です。

 

ーネット通販と同じで実物を見られない点が不安です。何か同社で気を付けていることはありますか?

サイズをすべて明記していますが、ネット通販と同じく手触りなどの具体的なイメージを持たせることは難しい点が弱みといえます。しかし、サブスクだからこそ「失敗できる」点が最大の強みともいえます。

たとえば10万円のソファを購入したけれどサイズが合わずに売却する場合、あまり高い値段では売れませんよね。10万円のソファを2万円で売り、新しい家具を探すなんてこともあるでしょう。

サブスクであれば失敗したと感じた時点で家具・家電を変更すればよいだけなので、購入したときほど損をすることはありません。

 

実際に利用しているのは?メインユーザーをお聞きしました

家具のサブスクはライフステージの変化に対応でき、初期費用を抑えられる点がメリットとわかりました。家具のサブスクは実際にどのような方が使っているのでしょうか。

サブスクのユーザー層についてくわしくお聞きしました。

 

20~30代が中心

※出典:CLAS調べより

ー同社のサービスにおけるメイン顧客はどのような方になりますか?

個人ユーザーでは、20~30代の単身・DINKs(子どもを持たない共働きの夫婦)といった方の利用が多い傾向です。晩婚化や出産年齢の高齢化が進んでいる現在、今後は40~50代のユーザー層も取り込んでいきたいと思っています。

 

ー晩婚化や生き方の多様化が進み、人生のライフイベント自体も上の世代になってきつつあるのですね!

そうですね。20代で結婚して家庭を持つという画一化された価値観から、幅広い生き方を推進する多様化の社会になりつつあります。多様化している社会にフィットしているのが私たちのような家具のサブスクサービスなのだと思います。

 

法人でも利用するケースが多い

ー同社のサービスは法人の方も多く利用しているのですか?

そうですね。リモートワークでの働き方が進み、オフィスの在り方を見直す企業の方も多い印象です。在宅ワーク推進のためにデスクやチェアを借りたり、不動産業界では利用イメージを高めるために当社のサービスを利用される方もいらっしゃいます。

 

ー利用イメージを高めるとは?

建売住宅や注文住宅を扱う住宅会社では、お客さまに利用イメージを持たせるためにモデルハウスを置くケースが多いですよね。搬入する家具は自社で購入される方が多い一方、購入当時は最新版であった家具・家電も2年ほど経つと古くなってしまいます。

サブスクサービスであれば、古くなったタイミングで最新の家具・家電に取り替えられるほか、古くなったものを捨てる必要もありません。SDGsの観点からだけでなく、経済的にもやさしい点がメリットといえるでしょう。

 

サブスクサービスで人気の家具とは?コロナ禍で変化も

個人・法人問わず幅広く利用されている家具のサブスクでは、どのような家具・家電が人気なのでしょうか。

貸し出し個数のランキングとともに解説していただきました。

 

寝具や冷蔵庫など大きな家具が人気

※出典:CLAS調べより

ー同社のサービスではどのような家具が人気なのでしょうか?

ベッドや冷蔵庫など、大きな家具が人気です。シングルベッドからダブルベッドが必要になったり、新たにベビーベッドが必要になったりと、ライフステージの変化に伴って必要な家具も変わります。

 

ーたしかに、大きな家具は搬入・搬出も大変ですよね

またベッドを新たに購入した場合、組み立ても面倒ですよね。当社のプライベートブランドが展開しているベッドは、女性が一人で組み立てられることをコンセプトにしています。

ライフステージの変化に対応しやすいだけでなく、実際に家具を使用する段階でもストレスフリーに使えることを目指してサービスを展開しています。

 

コロナ禍でオフィスチェアの貸し出し個数も増加

ーオフィスチェアもかなり貸し出されているのですね!

はい。在宅環境整備という観点から、福利厚生の一環としてサブスクサービスを使われる方が多い印象です。

一言でオフィスチェアといっても、住んでいる部屋の面積や環境、趣味嗜好などが異なるため全従業員に同じものを配布するわけにはいきませんよね。当社では多種多様なオフィスチェアを取り扱うことで、各社員が高いパフォーマンスを出せるオフィス家具を選べるよう工夫しています。

 

ー在宅ワークの普及で、オフィスの在り方も変化しているのでしょうか?

そうですね。在宅勤務中の社員にオフィスの固定席は必要なのか、来客が減っている中で会議室は必要かなど、SDGsの観点からオフィスの無駄を見直す企業が多い印象です。

 

ーなるほど。オフィスが徐々に使われなくなるのでしょうか?

いえ、使われなくなるというよりは、オフィスの持つ役割が変わっていくのだと思います。オフィスをコミュニケーションの場として考える企業もあれば、集中できる空間を提供する場として考える企業もあります。

「コロナ」という外的要因を通じて働き方が多様化し、オフィスの役割も企業によって違うものとなっていくのではないでしょうか。

 

インテリアは気分で変えられる!?人気のインテリアテイスト4選

「‘‘暮らす”を着替える」をコンセプトに家具のサブスクサービスを展開している同社。いま人気のインテリアテイストとはどのようなものがあるのでしょうか。

小林さんが選ぶ人気のインテリアテイスト4選をお聞きしました。

 

ナチュラル

※出典:CLAS HPより(https://clas.style/contents/437

北欧スタイルをベースとし、明るい木目の床や建具にぴったりなスタイル。カラーは白や淡いトーンで、曲線のある形の家具・家電が似合います。

 

シンプル

※CLAS HPより(https://clas.style/contents/412

濃いブラウンやグレーがかった色味の床や建具になじみやすい、シンプルにまとめたスタイル。白を基調とした色味を抑えた家具・家電にすることでモダンな印象に。

 

ヴィンテージ

※出典:CLAS HPより(https://clas.style/contents/427

近年人気が高まっているスタイルで、ブラウンやダークブラウンの床・建具との相性抜群。趣味を楽しむ男性や若い世帯に人気のスタイルです。

 

リゾート

※CLAS HPより(https://clas.style/contents/486

海外や高価格帯の物件、単身女性の方に人気のテイスト。白のベースカラーに鮮やかな青色の家具・家電を差し色とし、リゾートホテルのような高級感のある印象に。

 

時代やライフステージに合わせて変化できるサービスを

コロナ禍で働き方やライフスタイルが変化した昨今、今後の住まいの在り方はどのように変化するのでしょうか。

 

サービスを提供する際、大切にしていること

ー同社がサービスを提供する際、大切にしていることを教えてください

①軽やかに替えて、②手ごろな価格で、③楽しみながらエシカルにという3つの観点からサービスを提供しています。ライフステージの変化に応じて気軽に家具・家電を交換でき、初期費用を抑えながら簡単に始められるサービスを目指しています。

 

ーエシカルとは?

エシカルとは倫理的・道徳的という意味です。家具のサブスクを活用することで不要な家具・家電を捨てることが減り、地球にやさしい循環型社会に貢献できることを目標としています。

 

住まいが変化することで、求められる家具・家電も変わる

ー今後、住まいの在り方はどう変化すると考えますか?

テレワークが普及して働き方が多様化した現在、都心から田舎へ移り住む方も多いですよね。今後は一つの住まいに定住化しないライフスタイルも増えていくのではなないでしょうか。

 

ーたしかに、働く場所を起点に住まいを考える必要がなくなるかもしれませんね!

そうですね。まさに当社のビジョンである「‘‘暮らす”を自由に、軽やかに」というライフスタイルに変化していくと考えられます。

時代やライフステージの変化に対応し、自分らしく自由な暮らしをするための一助として家具のサブスクサービスが活用されればいいなと思っています。

 

まとめ

今回は家具のサブスクサービスについてお聞きしました!家具のサブスクを利用するメリットや注意点をはじめ今後の住まいやオフィスの在り方などを学べましたね。

ライフステージの変化に対応できる、家具のサブスクサービス。自分の家族に合うスタイルを検討しながら、家づくりを進めていきましょう!

 

会社名 株式会社CLAS
代表取締役社長 久保 裕丈
所在地 東京都目黒区青葉台4-6-6

青葉台スタジオ2階

メール info@clas.style
事業内容 家具・家電のサブスクリプションサービス
公式サイト https://clas.style/