注文住宅のキッチンスタイル8選!選び方やポイントをご紹介

主婦・主夫にとって、キッチンは多くの時間を過ごす場所。おしゃれなデザインであれば料理が楽しくなりますし、使い勝手がよいと毎日の負担を軽減できます。

この記事では、注文住宅のキッチンをどのように決めるか、選び方やポイントをご紹介します。

 

注文住宅のキッチンは主に8つのスタイル

キッチンには壁付けキッチンからカウンターキッチン、アイランドキッチンまでさまざまなタイプがあります。デザインによって価格が高かったり、広いスペースが必要だったりすることも。注文住宅のキッチンを考える際は、それぞれのタイプの特徴を押さえておくとよいでしょう。

ここではキッチンの種類を8つご紹介し、それぞれの特徴やメリット・デメリットを解説します。

 

壁付けキッチン

キッチンの正面が壁に付いているタイプが「壁付けキッチン」です。キッチンが壁に沿って設置されているので、リビングスペースを広く使うことができます。壁に向かって作業するため、油汚れや煙がダイニングに広がりにくい点がメリットです。

しかし、リビング・ダイニングを見渡しながら料理できる対面キッチンと比べ、子どもやペットなど、家族の様子が見えにくいというデメリットがあります。

 

カウンターキッチン

キッチンとダイニングの間にカウンターがあるキッチンです。基本的にカウンターがついている側には壁がなく、リビング・ダイニングと繋がっているため、視界が開けて開放感があります。家族とコミュニケーションを取りながら調理できるのもメリットです。

しかし、煙や臭いがリビング・ダイニングに広がりやすい点やリビング・ダイニングからキッチンの中が丸見えになるなどのデメリットがあります。

 

独立型キッチン

ダイニングやほかの部屋と分かれており、完全に独立した居室内にあるキッチンです。人目を気にせず集中して調理できる点や、リビング・ダイニングに煙や臭いが広がらないといったメリットがあります。

ただし、閉塞感があることや、ほかの部屋の様子がわからないデメリットがあります。

 

アイランドキッチン

アイランドキッチンは対面キッチンのひとつ。キッチンが壁面から離れて独立した「島」のように設置されたキッチンです。開放感があることやおしゃれなデザイン性、リビング・ダイニングにいる家族とコミュニケーションが取りやすいといったメリットがあります。

デメリットは、価格が高い点や収納スペースが少ない点です。

 

ペニンシュラキッチン

対面キッチンのひとつで、キッチンの左右どちらかが壁に接しているタイプです。ペニンシュラ(peninsula)は英語で「半島」という意味で、「アイランドキッチンの片側だけ壁につけたもの」というとイメージしやすくなります。

アイランドキッチンと同様に、開放感がある点や家族とコミュニケーションを取りやすい点が特徴です。

アイランドキッチンの場合、両サイドに通路を確保するタイプであるため、設置には広いスペースが必要です。しかし、ペニンシュラキッチンは片側が壁に接しているため、アイランドキッチンよりも設置しやすいメリットがあります。

ただし、臭いが広がりやすく、油ハネに注意が必要です。

 

I型キッチン

コンロ・シンク・調理スペースが横一直線に並んでいるタイプです。アルファベットの「I」に見えるため、I型キッチンと呼ばれています。システムキッチンの中でもスタンダードなタイプです。

I型キッチンは狭い場所でも設置できることや、シンプルな構造で使い勝手がよいところがメリット。しかし、横長にスペースを取りすぎる点や複数人で調理しにくいといったデメリットがあります。

 

L型キッチン

キャビネットをアルファベットの「L」字型に配置したキッチンです。基本的にコンロとシンクが90度で対角になっています。L字型の形であるため、キッチンの移動範囲が少ない点がメリットです。サイズによっては、体の向きを変えるだけで一連の作業ができます。

ただし、設置には広いスペースを要します。また、I字型と比べて費用が高いのもデメリットです。

 

Ⅱ型(セパレートキッチン)

シンクとコンロに分かれた2本の調理カウンターが平行に並んでいるタイプのキッチンです。文字通り「Ⅱ」の形をしています。作業スペースを広く取れることや作業動線が短い点がメリットです。

しかし、調理時は2本の調理カウンターを行き来するため、シンクからコンロ間の通路スペースを汚してしまうデメリットがあります。また設置には広いスペースが必要なことも難点です。

 

注文住宅のキッチンの選び方

キッチンにはデザイン性の高いものや性能に優れたもの、リーズナブルなものなどいろいろな種類があるため、迷ってしまう方も多いでしょう。

ここでは注文住宅のキッチンの選び方をご紹介します。

 

IHコンロかガスコンロかを決める

最近ではIHコンロを導入している家庭が増えていますが、一概にどちらがよいとは言い切れません。以下のポイントを踏まえて検討してみてください。

 

IHコンロ

【メリット】
・火が出ないため火災の心配がなく、子どもでも安心して利用できる
・天板がフラットなため、調理後もお手入れしやすい
・鍋底自体を加熱するため熱が均一に行き渡る
・火力調整や確認が楽
・ガスコンロよりも油ハネが少ない

【デメリット】
・強火調理ができない
・鍋をコンロから離すと加熱が止まるため、フライパンを振った調理ができない
・直火で表面だけを炙る調理ができない
・IHに対応した調理器具が必要

 

ガスコンロ

【メリット】
・直火調理ができる
・強い火力でフライパンを振った調理ができる
・停電時でも使える
・調理器具を選ばない

【デメリット】
・火の消し忘れや点火不良による事故など火災のリスクがある
・IHコンロと比べるとお手入れが大変

 

間取り・家事動線で決める

冷蔵庫から食材を取り出し、食材を洗う、切る、炒めるなどの一連の流れで調理がしやすいかどうかも重要なポイントです。家事動線が悪いと、キッチン内を行ったり来たりする必要があり、効率の悪さがストレスとなる場合もあります。

しかし、調理のしやすさでキッチンのスタイルを決めるだけでなく、間取りに適しているかも重要です。調理しやすいキッチンでも、その分スペースを多くとる可能性があります。そのため、間取りも踏まえたうえで検討しましょう。

 

材質や色で決める

家の雰囲気に合わせてキッチンの材質・色を決めることも大切です。多くのメーカーでは、収納の扉や取っ手の色などを決められるので、雰囲気に合わせた色を選んでみてください。

調理カウンターやシンクの材質は主に以下の4種類があります。

  1. ステンレス:定番の材質。水・熱に強くお手入れが簡単
  2. 人造大理石:高級感のあるデザインで、カラーバリエーションが豊富
  3. セラミック:焼きものならではの味わい深い質感。熱や傷に強い
  4. メラミン化粧板:色柄が豊富で、木目調のデザインもある

簡単に特徴をまとめましたが、実際に自分の目で材質を確かめてみるとよいでしょう。

 

収納・パントリーで決める

キッチンは調味料・調理器具・食器などを収納する必要があります。パントリー(食品庫)は、家族の人数によって選ぶのが基本です。

パントリーには大きく分けて3種類あります。

【壁付けタイプ】
壁面に取りつけるタイプ。調理しながらすぐに収納物を取り出せる点がメリットです。しかし、他タイプと比べて収納スペースが狭いのはデメリットといえるでしょう。

【ウォークインタイプ】
小部屋になっているタイプ。壁付けタイプよりも収納スペースが広いため、使用しない調理器具を収納しておけるメリットがあります。しかし、収納物を取り出すために移動が必要になる点がデメリットです。

【ウォークスルータイプ】
出入り口が2つあり通り抜けできるタイプで、動線の自由度が高い点がメリット。しかし、通り抜けを前提とした構造であるため、設置場所が限られるのはデメリットです。

 

メーカーで決める

キッチンの性能・デザインなどはメーカーによってさまざまです。おすすめのキッチンを3つピックアップし、特徴を簡単にご紹介します。

【リクシル(LIXIL)】
収納力が高く、デザインもお部屋に馴染みやすいのが特徴。また価格も他メーカーと比べてリーズナブルです。

【クリナップ】
シンプルなデザインで、熱・サビ・水汚れに強い高品質なステンレス製のキッチン。ワークトップだけでなく、キャビネットもステンレス製にできます。

【パナソニック(Panasonic)】
主婦の意見を参考にしてつくられたシステムキッチン。横並びのコンロが特徴的です。

 

価格帯で決める

注文住宅の場合、キッチン以外にもお金がかかる場所が多いため、予算に合った価格帯を選びましょう。

キッチンはスタイル・メーカーによって大きく値段が異なります。スタンダードなI型キッチンだと、おおよそ70~100万円と考えてよいでしょう。アイランドキッチンだと100~150万円ほどかかる場合もあります。

 

注文住宅のキッチン選びで押さえておきたいポイント

「キッチンが身長に合わなくて使いにくい」「リビングに臭いが広がって困る」など、注文住宅のキッチン選びで後悔してしまう事例も少なくありません。失敗を防ぐために、キッチン選びのポイントを押さえておきましょう。

 

キッチンの高さは「身長÷2++5cm」

キッチンは、よく使う人の身長に合わせて高さを設定しましょう。身長に対して高さが低すぎるキッチンでは、前かがみでの作業が増え、腰痛になってしまう可能性も。反対に高すぎるキッチンだと、作業時の肩こりに繋がるかもしれません。

キッチンの高さは「身長÷2+5cm」が基本です。身長が160cmであれば、85cmの高さがよいでしょう。

 

調理しやすい広さ

調理しやすい広さを選ぶことが大切です。調理スペースはおおよそ幅75cmであれば、まな板やお皿を置いても十分ゆとりがあります。加熱スペース、調理スペース、シンクスペースに分けて、自身に適した長さを選びましょう。

 

臭いや音の広がり

対面キッチンやアイランドキッチンなどは、調理で発生する臭いや煙がリビング・ダイニングに広がりやすい点に注意しましょう。家族とのコミュニケーションを大切にしたい方は、そういった部分も含めてレイアウトを考えてみてください。

 

コンセントの位置や数

キッチンは冷蔵庫・電子レンジ・炊飯器など、家電を多く配置します。そのため、どこにコンセントを設置するのか、コンセントの数はどのくらい必要なのか考えましょう。

 

まとめ:料理や家事のシミュレーションをして理想のキッチンを実現しよう

注文住宅のキッチンをどのようにするか決めるのは、とても楽しい時間です。日々長い時間を過ごすキッチンをより快適にするために、料理や家事のシミュレーションをしつつ、使いやすさやデザインにこだわって選んでみてはいかがでしょうか。