フラット35の収入合算とペアローンの違いを徹底解説!

2022年2月10日

ローン審査に苦戦した際、選択肢となるのがフラット35の収入合算と、ペアローンという夫婦の名義でローンを組む方法です。収入合算もペアローンは夫婦名義でローンを組むのですが、実は似て非なるもの

この記事ではフラット35の収入合算とペアローンについてくわしく解説!ぜひ住宅購入の参考にしてみてください。

フラット35の収入合算とペアローンの特徴

ここではフラット35の収入合算とペアローンの特徴について解説していきます。

 

収入合算とは

収入合算とは夫婦や親子で収入を合算できるローンの組み方のこと。「フラット35」をはじめ、多くの金融機関で取り扱われています。

収入合算の特徴は2つあり、1つは夫婦どちらかの名義で1本の住宅ローンを契約するということ。契約する住宅ローンは1本ですが、負担する割合はそれぞれの収入に合わせて決めることができます。

収入合算のもうひとつの特徴は「連帯債務型」と「連帯保証型」があるという点です。1つずつ説明していきましょう。

連帯債務型はフラット35や一部の金融機関で取り扱われています。連帯債務型は名義人が債務者、もう一方が連帯債務者となり、夫も妻も返済義務を負います。連帯債務型では住宅ローンの割合によって、夫も妻も住宅ローン控除の対象になることが可能です。

さらにフラット35で収入合算を選択した場合、「デュエット」という団体信用生命保険(以下、団信)に夫婦で加入できます。これにより、夫婦どちらかに万が一のことが起きた場合、住宅ローンの返済が免除されます。

対して連帯保証型は住宅ローンの名義人が債務者で、もう一方が連帯保証人となります。連帯保証型は多くの民間金融機関で取り扱われています。連帯保証型では債務者の返済が滞った場合、連帯保証人に返済の義務が生じます。

なお連帯保証型の場合、住宅ローン控除の対象者は名義人のみ。団信に加入できるのも名義人のみとなっています。

 

ペアローンとは

ペアローンとは夫婦それぞれが「別のローン」を組むという方法です。ペアローンでは、夫は妻の、妻は夫の連帯保証人になります。

別のローンになるため、ローン金額もそれぞれの収入に合わせて決めることができます。また、ペアローンはフラット35では取り扱われていません。金融機関によっても取り扱いがないこともあるので事前に調べておくとよいでしょう。

ペアローンの場合、夫婦が住宅ローン控除の対象となります。団信にも夫婦で加入できます。

 

収入合算のメリット・デメリット

ここでは収入合算のメリットとデメリットについて解説します。

 

収入合算のメリット

フラット35をはじめとした収入合算を利用した場合、住宅を購入する際に申告する収入額は夫婦の収入を合算したものになります。これにより、住宅ローンの借入額を増やせるという点が収入合算のメリットです。夫だけの申告額では借りられなかった金額まで借り入れが可能になるため、住宅選びの選択肢が広がります。

手続きや費用も一人の収入でローンを組んだ場合とほとんど変わらないという特徴もあります。

また、連帯債務型でフラット35のデュエットという団信に入った場合、夫婦それぞれに万が一のことがあっても、残高に限らず返済が免除されるというのも大きなメリットでしょう。

 

収入合算のデメリット

収入合算のデメリットは連帯債務型と連帯保証型に分けて解説します。

連帯債務型の場合、団信への加入は名義人のみになります(フラット35のデュエット加入の場合は除く)。これにより、連帯債務者の身に万一のことが起きても団信の対象にはなりません。

よって、2人分の収入で組んだ高額なローンの返済が残ってしまい、返済計画の見直しが必要になる場合も。夫婦の借り入れの割合によっては住宅ローン控除の対象外となることもあるため、事前に金融機関に確認しておきましょう。

連帯保証型では、住宅ローン控除の対象が名義人のみなので注意が必要です。これは主たる債務者が返済を滞らせたまま返済義務が連帯保証人に移った場合、住宅ローン控除が適用されないことを意味しています。こうなると、収入合算による多額のローン残高に加えて住宅ローン控除の恩恵が受けられないため、ローンの返済が難しくなることがあります。

 

収入合算の最大のデメリットは、連帯債務型と連帯保証型それぞれに取り扱いできる金融機関が異なるため、制度が難解であることです。収入合算を利用する際は、制度をしっかり理解してから利用することをおすすめします。

 

ペアローンのメリット・デメリット

ここではペアローンのメリット・デメリットについて解説します。

 

ペアローンのメリット

ペアローンのメリットは、やはり住宅ローン借り入れの際に申告できる収入額が増えるという点です。申告できる収入額が増えるということは、住宅ローンの借入額が増えるということ。ペアローンでは2本のローンを組むことになりますが、その金額を夫婦の収入に合わせて借り入れができるというのもメリットです。

2本のローンを組むため、夫婦で住宅ローン控除が適用されるだけでなく、それぞれのローンで団信に加入できます。これにより、夫婦どちらかに万が一のことが起きても、対象者のローン返済が免除されるのです。

 

ペアローンのデメリット

ペアローンのデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

ペアローンでは万が一のことが起きたとき、団信で免除されるローン残高は亡くなった方の契約分のみ。つまり、自身で組んだ住宅ローンの支払はそのまま残ってしまうのです。

また、ペアローンは2本のローンを組むため、事務手数料や印紙代などの諸費用が通常のローンより2倍多くかかってしまいます。手続きもローン2本分必要ということです。

小さなことではありますが、手続きに意外と時間を取られることも。ペアローンのデメリットとしては見逃せないところです。

 

まとめ:収入合算やペアローンについて詳しく知りたいなら相談を!

収入合算やペアローンを活用することで借入額を増やせるため、ローン審査の問題を解決する一助となります。しかし、当然ながら多額の返済が必要になるため、借金のリスクが高くなります。
特に団信の面では、1人分の収入でローンを組むと名義人に万一のことが起きた場合、ローンの返済が全額免除されるというメリットがあります。そのように考えると必ずしも収入合算やペアローンがベストな選択肢になるとも限りません。
大切なのは収入合算とペアローンの仕組みを理解したうえで、夫婦で今後のライフプランを考えること。互いに万が一のことが起きた場合も想定して話し合うとよいでしょう。
収入合算やペアローンについてもっとくわしく知りたい方は、お近くの金融機関や専門家に聞いてみるのもおすすめです。情報収集を進めながら、かしこく家づくりをしていきましょう!