ほぼ平屋の間取り実例5選 | 特徴やメリット・デメリットも解説
「平屋を建てたいが、土地の広さが足りない」
「子ども部屋を考えると、間取り的に平屋は難しいかな」
このようにお悩みではないですか?
この記事では、平屋を建てたいけれど土地の広さや世帯構成により2階建てにしようか悩んでいる方に、「ほぼ平屋」間取りの住宅について解説します。
「ほぼ平屋」の実例もご紹介していますので、家づくりの参考にしてみてください。
「ほぼ平屋」の間取りの住宅とは?
「ほぼ平屋」の間取りの住宅の概要や、平屋・2階建てとの違いを解説します。
ほぼ平屋の概要
「ほぼ平屋」とは、平屋の生活しやすい動線と、2階建てのゆとりある間取りを兼ね備えた住宅を指します。
実際には2階部分(中2階を含む)がありますが、外観は平屋のように見えることが特徴です。
平屋や2階建てとの違い
「ほぼ平屋」には、平屋とも2階建てとも違う点があります。
まず、平屋と違って土地が狭い場合でも建築が可能です。これは、2階部分に部屋を設けることで、1階部分の床面積を減らせるためです。
また、ほぼ平屋は2階建てに比べて2階部分がコンパクトな間取りになっています。
このように、ほぼ平屋は、平屋と2階建ての中間のような間取りです。
ほぼ平屋の間取り実例5選
ほぼ平屋の間取りの実例を5つご紹介します。
① リビングに中2階がある間取り
LDKに中2階を設けた延床約30坪の間取り。
対面キッチンの正面スペースに、小上がりのような中2階があります。これにより、空間を分けられるとともに、中2階の床下部分に収納スペースの設置が可能です。
また、間取りの中心に家族共有のウォークスルークローゼットを配置したことで、回遊性が生まれ、実際の坪数よりも室内が広く感じられます。
② 小上がり和室のある間取り
リビング横に小上がりの和室のある、建坪約35坪の間取り。
小上がりの和室を設けることで、空間に広がりが生まれます。
また、1階に夫婦の寝室、2階に子ども部屋を設けることで、夫婦の生活は1階部分で完結します。
子どもが巣立った後は1階部分だけで生活が可能な、考え抜かれた間取りです。
③ 細長い土地でも回遊性を確保した間取り
南北に細長い土地に建つ、建坪約45坪の間取り。
細長い間取りながら、アイランドキッチンやウォークスルークローゼットなどを上手く配置し、回遊性を確保しています。
細長い土地の都合上、主寝室を2階に設けているため、1階部分で生活が完結するわけではありませんが、日中の生活は1階部分で完結させられる「ほぼ平屋」の間取りです。
>>長方形で3LDKの平屋についてくわしく知りたい方はこちら。
④ 畳の中2階と吹き抜けがある間取り
畳の中2階と吹き抜けを設けた、建坪約40坪の間取り。
平屋のような外観が印象的ですが、畳敷きのカウンターつき中2階がある「ほぼ平屋」の間取りです。
また2階部分は、1部屋とトイレ以外は吹き抜けとバルコニーが配置されています。
⑤ 高天井の子ども部屋がある間取り
高天井の子ども部屋がある、延床約35坪の間取り。
吹き抜けとなっているエリアがあり、2階部分の床面積が狭くなっています。2階にある子ども部屋も4畳と狭いため、高天井にして2段ベッドを設置することで広さを確保。
2階部分がコンパクトな「ほぼ平屋」ならではの工夫といえます。
ほぼ平屋の特徴3つ
ほぼ平屋の特徴は、以下の3つです。
① 1階だけで生活を完結させられる
② 2階部分の間取りがコンパクト
③ 外観は平屋に見える
それぞれくわしく解説します。
① 1階だけで生活を完結させられる
ほぼ平屋の特徴の1つは、1階だけで生活を完結させられることです。
普段は階段を使わずに生活できるため、転落などによるケガのリスクを下げられます。
また、個別に部屋が必要な子どもがいる世帯や、2世帯住宅の場合の寝室には、2階の部屋を使用することで対応が可能です。
② 2階部分の間取りがコンパクト
ほぼ平屋は、2階建てに比べて2階部分がコンパクトな造りです。
2階に部屋を設ける場合でも、部屋の間取りは狭いことが一般的で、場合によっては2階スペースは吹き抜けや屋根裏として利用します。
子育て世帯が、将来的に子どもが家を出て夫婦だけになった場合でも、2階部分を持て余すことのない造りといえるでしょう。
③ 外観は平屋に見える
外観が平屋に見えることも、ほぼ平屋の特徴です。完全な2階建てと異なり、2階部分がコンパクトだからです。
2階部分に部屋を設けず、吹き抜けや屋根裏として使う場合には、より平屋のような外観になります。
ほぼ平屋の間取りのメリット3つ
ほぼ平屋の間取りのメリットは、以下の3つです。
① 部屋数を確保できる
② 広い土地が不要
③ ライフスタイルの変化に対応しやすい
それぞれくわしく解説します。
① 部屋数を確保できる
ほぼ平屋では、部屋数を確保できます。
平屋では、土地の広さや費用面によっては、理想の部屋数を設けることが難しい場合があります。
一方、ほぼ平屋では2階部分にコンパクトな部屋を複数設けることができるため、子ども部屋や予備室として最適です。
② 広い土地が不要
ほぼ平屋には、平屋に比べて広い土地が必要ありません。コンパクトながら2階部分を設けられるため、1階部分の面積を減らせるからです。
このことは、土地にかかる費用を抑えることにつながります。
特に、平屋を建てたいが土地の確保で悩んでいる方にとっては、大きなメリットといえるでしょう。
③ ライフスタイルの変化に対応しやすい
ライフスタイルの変化に対応しやすいことも、ほぼ平屋のメリットです。
具体的には、子ども部屋だけを2階に設けることで、進学などで子どもが家を出た場合でも生活動線を変えずに生活が可能です。
また、将来的に親と同居することになった場合でも、コンパクトな2階に部屋を確保しておけるため、柔軟に対応できます。
ほぼ平屋の間取りのデメリット3つ
ほぼ平屋の間取りのデメリットは、以下の3つです。
① 中途半端な間取りになる可能性がある
② 2階部分が狭くなる
③ 将来的に使いづらくなる可能性がある
それぞれくわしく解説します。
① 中途半端な間取りになる可能性がある
ほぼ平屋は、中途半端な間取りになる可能性があることがデメリットです。
特に、コンパクトな2階部分の間取りは、将来的な使い方を含めて考えなければ、中途半端で使いづらくなる恐れがあります。
後悔しないよう、将来の家族構成など踏まえて、十分検討しましょう。
② 2階部分が狭くなる
2階部分が狭くなることも、ほぼ平屋のデメリットです。
完全な2階建てに比べ、2階部分がコンパクトな造りのため、スペースは狭くなります。このため、使い方によっては狭過ぎて使いづらくなる可能性があります。
とりあえず部屋数を確保しておくという考え方ではなく、どのような用途に用いる部屋か定めて、間取りを決めましょう。
③ 将来的に使いづらくなる可能性がある
ほぼ平屋は、将来的に使いづらくなる可能性もあることもデメリットです。
たとえば、2階部分は足腰の弱くなる老後は、あまり使わなくなることが予想できます。
このように、予想できる部分については前提条件として、どのような使い方をしていくのかまで考えて間取りを決めましょう。
まとめ:ほぼ平屋の間取りは平屋と2階建てのいいとこどりができる | これから家を建てるなら検討してみよう
この記事では、「ほぼ平屋」の間取りについて解説しました。
平屋でも2階建てでもない「ほぼ平屋」は、平屋・2階建てそれぞれの長所を備えた間取りといえます。
一方で、将来的な使い方も踏まえて検討しないと、使いづらくなる恐れもある間取りです。
これから家を建てられる方は、平屋・2階建てとともに選択肢の1つとして検討するとよいでしょう。