明かり取り窓で家を明るく|設置の基準やポイント・注意点も解説

2023年9月5日

明かり取り窓を設置すると、住宅密集地などで採光が難しい場合でも、心身の健康や快適な暮らしに欠かせない自然光を家の中に取り入れることが可能です。

この記事では、明かり取り窓の設置を検討するうえで押さえておきたい基準やポイントを解説します。

採光がよい快適な家づくりを目指している人は、ぜひチェックしてみてください。

おしゃれな住宅やショップの明かり取り窓に使用されるFIX窓の実例は、こちらの記事を参考にしてください。
>>FIX窓とは?おしゃれなFIX窓の実例とともにご紹介!

 

明かり取り窓とは

明かり取り窓とは、採光を目的としてつくられる窓のことです。

採光とは自然光を室内に取り込むことであり、採光のよい家は日当たりのよい家と同じ意味ではありません。

立地条件などによって日当たりがあまりよくない場合でも、採光を工夫することによって室内の明るさを確保できます。たとえば、一般的には日当たりが悪いとされる北側にも明かり取り窓を設置することで、自然光を取り込み明るい家にすることが可能です。

なお、名前が似ている「明かり窓」とはトイレのドアなど室内にとりつける小窓のことで、明かり取り窓とは異なります。

 

明かり取り窓の設置基準

建築基準法には、人が住む部屋には一定以上の自然光を取り入れるために、「採光のための窓」が必要であると定められています(建築基準法28条1項)。

明かり取り窓の設置計画に必要な基準について、ポイントを解説します。

有効採光面積は「居室の床面積の7分の1以上」

建築基準法では、居室には採光のための窓や開口部が必要とされますが、その面積は一定の基準を満たした大きさでなくてはなりません。この基準を満たした窓の面積を「有効採光面積」といいます。

建築基準法に定められた有効採光面積は、住宅の場合「居室の床面積の7分の1以上」です。

なお、トイレや洗面所などの水回りや収納スペースは居室に含まれません。

有効採光面積は用途地域や窓の位置によって変わる

明り取り窓の大きさを決める際に注意すべき点は、有効採光面積とは実際の窓の面積ではないということです。

有効採光面積は、実際の窓の大きさに「採光補正係数」を掛けて算出します。

採光補正係数とは、光の入りやすさを表す数値のことです。用途地域ごとに採光補正係数を算出するための数式が定められており、隣地境界線からの距離など窓をつける位置によっても変わります。

実際の計算は難しいため施工会社が行いますが、まずは明かり取り窓を設置するには一定の基準を満たす必要があることを押さえておきましょう。

明かり取り窓を上手に取り入れるポイント


明かり取り窓は大きさや数だけではなく、設置する位置や方角、周辺環境に考慮することが大切です。

明かり取り窓の効果を高め、上手に取り入れるポイントをご紹介します。

高窓で部屋の奥まで光を取り込む

明かり取り窓は、高い位置につけると部屋の奥まで光を取り込むことができます。

特に間口が狭く細長い部屋は、奥まで日差しが入らず暗くなりやすいため、高窓(ハイサイドライト)で明るさを確保するのがおすすめです。

南側が道路や隣家に面している場合も、高窓をつけることで夏は眩しい直射日光を抑えながら明るさを確保し、冬は部屋の奥まで温かい日差しが届きます。

天窓は北側がおすすめ

明かり取り窓の中でも、天窓(ハイサイドライト)は一般的な窓と比べて3倍の採光効果があるといわれます。

天窓は見た目もおしゃれで涼しげですが、東側や南側、西側につけると夏は暑すぎて後悔することも。

天窓は日が当たりにくい北側につけるのがおすすめです。北側に設置することで、冬でも温かい自然光が部屋の奥まで届きやすくなります。

高窓と地窓で目線対策

隣家や道路に面している居室に大開口の窓をつくっても、目線が気になって日中はカーテンを閉め切ることになりがちです。せっかく窓があっても居室は暗く、断熱効果も薄れてしまいます。

その場合は採光と目線対策を兼ねて、高窓にするのがおすすめです。

高窓だけでは換気が大変になるため、地窓(ローサイドライト)も合わせてつくると換気がしやすくなります。

キッチンの明かり取り窓は収納や照明とのバランスが重要

キッチンに大きな窓をつくると直射日光や室温の上昇で食材が傷みやすくなることも。

また、窓が大きいと壁面収納をつくりにくいため、あえて小さめや横長の明り取り窓にするケースもあります。

キッチンでは作業のために手元を明るく照らす必要があるため、自然光と照明のバランスも重要なポイントです。

 

明かり取り窓を設置する際の注意点


明るく、かつ快適な家づくりのために、居室に明かり取り窓を設置する際の注意点を確認しておきましょう。

大きすぎやつくりすぎに注意する

明かり取り窓をつくることで家を明るくする効果がありますが、窓のサイズが大きすぎたりたくさんつくりすぎたりすると後悔することもあります。

窓をつくると柱や壁が減る分、耐震性が低下します。

壁面が少なくなることで壁面収納をつくれなかったり、家具の配置が難しくなったりすることもあるでしょう。

また、窓をつくると断熱性能も下がるため、夏は暑く冬は寒いというように外気の影響を受けやすくなります。価格は高くなりますが、遮熱・断熱性能が高いガラスを入れるなどの対策も必要です。

施工会社とよく相談し、それぞれの居室の広さや用途に適した光量を取り込めるよう採光計画を見直しましょう。

風通しのよさや換気のしやすさも考慮して計画する

明かり取り窓は、大きな窓の対角線上に配置して風の入口と出口をつくると、換気がしやすくなります。風向きは季節や立地によっても異なるため、事前によく調べて計画するとよいでしょう。

ただし、位置によっては周囲からの目線対策や防犯対策もあわせた計画が必要になる場合もあります。明かり取り窓を設置する場合は、外からの見え方も意識して位置を決めましょう。

周辺環境の変化を見越して計画する

家を建てた後に周辺に建物が建ち、カーテンを閉め切って部屋が暗くなってしまうことはよくあります。

リフォームで明かり取り窓を後付けしようとしても、住宅の設計や素材によっては難しかったり、窓の追加や拡張で費用がかさんだりすることも。

住宅密集地の場合は特に、近隣の環境の変化を見越して、明かり取り窓を採光計画に取り入れておくことが大切です。

 

明かり取り窓を上手に取り入れて、明るく快適な家をつくろう

周辺環境や立地条件によって日当たりが悪い場合でも、明かり取り窓をつくることで自然光を取り込み明るさを確保することができます。

ただし、明るさを重視するあまり窓を大きくしたりつくりすぎたりすると、かえって快適さを損ねて後悔することも。

明かり取り窓の法令上の基準や上手な取り入れ方のポイントを押さえて、明るく快適な家を計画しましょう。