団信の特約、つける?つけない?ポイントを解説!

2023年5月26日

住宅ローンを組む際に必要になる団体信用生命保険(通称団信)。最近では指定の病気にかかった場合に支払われる特約付きのものも増えており、特約をつけるかつけないか悩む方も多いのではないでしょうか。

今回は、団信の特約をつけるべきかどうか、徹底解説!特約付き団信を考える際に押さえておきたいポイントについても解説します。

 

団信とは

一般的に、住宅ローンを組む際は加入が必要になる団信。団信は住宅ローンに特化した保険といえますが、どのような特長があるのでしょうか。

団信の基礎知識についてご紹介します。

 

住宅ローンが万が一払えなくなった際の保険

団信とは生命保険の一種で、正式名称は「団体信用生命保険」。一般的に住宅ローンを借り入れる際に団信への加入が義務付けられており、住宅ローンを払えなくなった際の保険として機能しています。

一般的な特約の付いていない団信は、住宅ローンの契約者が高度障害もしくは死亡した場合に残りの住宅ローン残債がすべて支払われます。

 

団信についてもっと詳しく知りたい方はこちら

 

高度障害とは

住宅金融支援機構が提供している団信での住宅ローンの保障対象となる高度障害状態とは、以下8つの状態となります。

 

1.両眼の視力を失った状態

2.脳や脊椎の障害などで、終身常に介護が必要な状態

3.肺や心臓、消化器などの臓器の障害で、終身常に介護が必要な状態

4.言語またはそしゃくの機能を永久に失った状態

5.両上肢とも、手関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失った状態

6.両下肢とも、足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失った状態

7.1上肢を手関節以上で失い、かつ、1下肢を足関節以上で失ったかまたはその用を全く永久に失った状態

8.1上肢の用を全く永久に失い、かつ、1下肢を足首以上で失った状態

 

言葉を話せなくなったり両目が見えなくなったりするなど、日常生活にも支障をきたす重度の障害となった際に支払われます。介護が必要になったかどうかも重要なポイントではありますが、要介護となった場合に必ずしも住宅ローンが支払われるわけではないため注意が必要です。

 

団信の支払い方法

団信は、通常の保険のように保険料として引き落とされるわけではありません。住宅ローン金利に上乗せする形で、団信の保険料が含まれています。

 

特約付き団信の種類

特約付きの団信とは、がんや3大疾病などの疾患に関する保険も加えた団信のこと。一体どのような種類があるのでしょうか。確認していきましょう。

 

がん団信

がん団信とは、契約者が対象のがんと診断された場合に住宅ローンの支払いが免除される団信のことです。

がん団信では、上皮内がんと呼ばれる転移リスクが少ないがんにおいては保障されないケースがほとんどであるほか、一般的に90日の免責期間があります。住宅ローンを組んで90日以内にがんを発症した場合、がんの保障は下りないため注意が必要です。

 

3大疾病特約付き団信

3大疾病特約付き団信とは、がん・急性心筋梗塞・脳卒中という3大疾病にり患して所定の状態となった際に保障が出る団信を指します。がん団信よりもカバーされる内容は広い点がポイントです。

3大疾病特約付き団信は、3大疾病にり患しただけで住宅ローンの残債がなくなるわけではありません。それぞれで一般的に保障が下りるケースを見ていきましょう。

 

がん

がんは上皮内がんやステージ3未満の場合は対象外となるケースが多いといわれています。がん団信と同様、90日間の免責期間が設けられている点もポイントです。

 

急性心筋梗塞

急性心筋梗塞の治療を目的に手術をした場合や、急性心筋梗塞と診断された日から60日を超えて労働を制限された場合は、保障の対象となるケースが多いといわれています。

 

脳卒中

脳卒中も、基本的に急性心筋梗塞と条件は似ています。脳卒中の治療を目的に手術を行ったケースや、脳卒中と診断された日から60日以上にわたって言語障害や運動失調などの後遺症が出た際に支払われます。

 

7大疾病・8大疾病特約付き団信

3大疾病よりも多くの病気をカバーする団信として、7大疾病・8大疾病特約付き団信というのも展開されています。

7大疾病・8大疾病特約付き団信とは、3大疾病に4~5つの生活習慣病がプラスされた保険のこと。高血圧症・糖尿病・慢性腎不全・肝硬変・慢性膵炎の4~5つが追加されたもので、がん団信や3大疾病特約付き団信よりも多くの病気をカバーできます。

保障される範囲が広くなる分、保険料は上乗せされるため注意が必要。また住宅ローンの残債が支払われるケースも細かく定められています。

 

11大疾病特約付き団信

11大疾病特約付き団信も、先ほど挙げた8大疾病にプラスして大動脈瘤(りゅう)・解離、上皮内新生物、悪性黒色腫以外の皮膚がんを発症した場合に住宅ローンの残債が支払われます。

 

特約付き団信を選ぶ際のチェックポイント

住宅ローンで特約を選ぶ際にチェックしておきたいポイントについてご紹介します。

 

対象の病気にり患する確率は?

特約付きのものを選ぶかどうか考えるチェックポイントとして、「特約の対象となる病気にり患する確率(リスク)はどれくらいあるか?」という点が挙げられます。

一般的に、がんのり患率は30~50代などの年代では1桁台。60代にさしかかった頃からり患率は2桁台の10%を推移します。以上のことから、30~50代の働き盛りで住宅ローンを支払っている間はがんのり患率が低いといえます。

 

一般的な団信との保険料の違いは?

一般的な団信と比べて特約付きの団信は保険料が上乗せされるため、総支払金額はかなり変わってきます。金利差は0.1%と小さな差であったとしても、小さな金利差が35年など長期にわたることでかなり大きな返済差額になってしまうことも。

一般的な団信と健康保険を組み合わせるのがよいのか、特約付きの団信を使用するのかはり患リスクと照らし合わせながら考えるとよいでしょう。

 

まとめ

今回は、特約付き団信の種類や特徴、特約付きのものを選ぶ際に注意したいポイントについて解説しました!団信はもしもの時に備えておく住宅ローンの保険であるほか、特約をつければ健康保険としての役割も果たします。

り患するリスクなども加味して特約をつけるかつけないかを考え、安心して住宅ローンを組み立てていきましょう!