縦長の土地に家を建てるポイントは?実例つきでご紹介

2022年3月16日

家づくりでまず考えるべきことは、どんな土地に建てるか。土地の形によって家の形状も変わるため、自分の持つ土地の形を加味して家の間取りや動線を考えることが大切です。今回は、南北に長い縦長の土地に建てた住宅をご紹介。縦長の土地の場合、どうしても各部屋の距離が遠くなってしまうデメリットがあります。この家では間取りや部屋の配置を工夫することで縦長の土地を上手に活用し、快適な家事動線をつくっています。それでは、縦長の土地を生かした家づくりのポイントを見ていきましょう。

 

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縦長の土地と正方形の土地の違いは?

そもそも縦長の土地と正方形の土地では、どのような違いがあるのでしょうか。双方のメリット・デメリットを押さえておきましょう。

 

正方形の土地のメリット

・家づくりをするうえで設計の自由度が高い

・間取りの自由度も高いため、自分の希望が実現しやすい

 

正方形の土地のデメリット

・坪数が少ない場合、間取りを考えにくい

・土地の価格が高い

 

縦長の土地のメリット

・駐車場にスペースを割きやすい

・プライベートゾーンをつくりやすい

 

縦長の土地のデメリット

・間取りレイアウトの自由度が低い

・各部屋の距離が遠くなる

 

洗濯動線を確保して縦長の土地でも快適な家事を

ランドリールームで洗濯し、リビングで室内干しをしてクローゼットにしまいに行く、という洗濯の一連の流れは意外と面倒。とくに縦長の土地に家を建てる場合、各部屋までの距離を考慮して洗濯動線をつくることが大切です。

この家では、ランドリールームで洗濯機を回してから収納まで、すべて一つの動線で行うことができます。縦長の土地が持つデメリットを上手に活用した洗濯動線術を見ていきましょう。

 

洗濯機の上にそのまま干せるように

ランドリールームで洗濯物が干せるよう、部屋の上部にパイプを設置しています。洗濯機からそのまま干せるため家事楽につながるだけでなく、リビングや外に干す必要もないため、生活感も感じさせません。

また、洗濯機の横にスロップシンクを設置している点もポイントです。スロップシンクとは、底が深く大きめな流しのことで、泥などで汚れた服や靴など、下洗いが必要な場合に用いるものです。スロップシンクを設置することで、洗面台で洗う必要なく洗濯機のとなりでさっと下洗いを済ませることができます。衛生的にも安心ですし、わざわざ移動する必要がなくランドリールームですべて完結するので、大変便利です。

 

ランドリールーム横にクロークを設置して洗濯動線を確立

ランドリールームのとなりにはクロークを設置。洗濯→干す→収納までの動線が横一列になっているため、洗濯機から庭まで干しに行き、乾いた服を収納スペースまで持って行くという一連の流れを横一列で済ませることができます。

縦長の土地に家を建てる場合、部屋が縦一列に並ぶため部屋間の移動が遠回りになってしまうこともありますが、部屋の配置を工夫することで快適な動線を作ることができます。

 

Ⅱ型アイランドキッチンで家事楽動線に

シンクとコンロが2列に分かれ、壁から独立したⅡ型1位ランドキッチンを採用することで、キッチンをぐるりと回れる空間に。使い勝手のよいキッチンを中心にリビング・ダイニングをつくることで、おしゃれさと機能性を両立させた住宅になっています。

 

キッチンをぐるりと回ることで家事楽に

シンクとコンロが2列に分かれることで、ぐるりとキッチンを一周できるつくりにしています。シンクとコンロが離れているため、料理中に洗い物をしても、コンロで調理している食材に水や洗剤が飛ぶことはありません。

またシンクのとなりにダイニングを置くことで、横導線に。対面キッチンは家族の顔を見ながら調理できますが、出来上がった料理をカウンターに置いて、反対側に回ってダイニングに出す、という動線は面倒なことも。この動線を横一列にすることで、調理後にそのまま横のダイニングに移動して料理を出す、という直線的な導線に。反対側に回るという手間が省けるため、家事が楽になります。

 

キッチン前にカウンタースペース

キッチンの向かいにはカウンタースペースを設けているのもポイント。ここで家計簿を付けたりレシピや賞味期限をメモしたりと、ちょっとした作業をキッチン付近で行うことができるので便利です。

 

おしゃれなニッチで遊び心も

ニッチとは、住宅の壁面にくぼみを作り、スペースを設けること。家の鍵など小物を置くのに便利なスペースですが、ここでは家の形にくり抜いてニッチを作っています。ニッチの背景の壁にはグレーの水玉模様を入れ、遊び心あふれたキッチンに。家のワンポイントにもなり、シンプルな白い壁によく映える仕上がりになっています。

 

生活空間と区別した来客動線

縦長の土地に家を建てる場合、廊下が長くなりがち。生活空間と区別した来客動線を設けることで、生活感を与えない家に仕上げることができます。来客動線の工夫を見てみましょう。

 

玄関から入って正面に洗面台を設置

玄関から入ってすぐの正面には洗面台を設置。家族がいつも使っている洗面所をお客さんに見られる心配がなく、また家に帰ってそのまま手を洗うことができるので、衛生面でも安心。とくに手洗いうがいが徹底されている現在、わざわざ洗面所に行く必要がないので便利です。

 

生活空間から離れたところに客間を

玄関に入って右手、いちばん北側の部屋には和室を設置。天井の壁紙はまるで本物の竹を編んだようなデザインにし、壁紙は抹茶色で格式高い和室を実現しています。生活空間から離れた場所に和室を設置することで生活音がシャットアウトされ、お客さんがゆったりとくつろげる空間となるよう配慮されています。

 

シューズクロークにコンセントを設置

玄関に入ってすぐ左手にはシューズクロークを設置。可動棚にすることで、靴だけでなくアウトドア用品、雨具なども収納することができます。

またクローク内にコンセントを設置しているのもポイント。日曜大工の工具の充電や、雨具を乾燥機で乾かすなどさまざまな使い道があります。濡れた靴や雨具をシューズクロークで乾かすことができるので、コンセントのあるリビングにわざわざ濡れたものを持って行く必要がありません。これは手間が省けるだけでなく、衛生面でも安心ですね。

 

エアコンの風が当たらない、快眠できる主寝室

快眠にエアコンは欠かせないですが、エアコンの風が直に当たると寒くて睡眠を邪魔されることもしばしば。しかし、部屋の配置を工夫することでぐっすり眠れる寝室に仕上げることができます。

 

主寝室と書斎をウォークインクローゼットでつなぐ

 

この家では、あえて主寝室にエアコンを設置していません。主寝室と書斎をウォークインクローゼットでつなぎ、書斎にエアコンを置くことで、直接ベッドに風が当たらないようにしています。

寝室にエアコンを設置すると、風が当たって寒かったり、冬には乾燥してしまうことも。書斎やウォークインクローゼットなど比較的小さな部屋をとなりにしてエアコンを設置することで、快適な室温を維持しながら眠れるよう工夫されています。

 

階段はオープン階段で日光を取り入れる

2階につながる階段は、骨組みと足を乗せる踏み板のみで構成されるオープン階段を採用。また2階の踊り場には開閉できない大きなFIX窓を設置し、日光が1階のリビングにまで届くよう設計されています。あたたかな光を自然に取り入れることができるので、家全体がより明るい印象に。

 

光をより多く取り入れるバルコニー

バルコニーもひと工夫することで、室内に日光をより多く取り入れられる素敵な空間に。ここでは、そんなちょっとしたワザをご紹介。

 

バルコニーの壁のひと工夫で光を取り入れる

この家では、鉄製の手すりを4本取り入れてバルコニーの壁を作っています。通常の壁では隙間がないため日光を遮断してしまいますが、このように一定の間隔で隙間を作ることで光の通り道ができ、家の中がより明るくなります。

 

バルコニーは木製で木の香りを楽しむ

バルコニーの外壁は通常、サイディングとよばれるセメント質・繊維質の壁を使用していますが、この家では木材を採用。バルコニーの扉を開けると木の香りがふんわりと漂い、より素敵な空間に仕上がっています。

 

水栓を設置し、掃除や水やりもラクラクに

2階のバルコニーに意外と欠かせないのが、水栓です。ガーデニングの水やりやバルコニーの掃除をする際、1階の洗面台から水を汲んで持ってくるのは面倒。バルコニーにも水栓を設置しておくことで、家事のちょっとした手間を省くことができるのです。

 

まとめ

この記事では、縦長の土地に建てた動線設計に優れた住宅をご紹介しました。洗濯→干す→収納という一連の流れを横一列で済ませることや、主寝室と書斎をつなぐことで就寝時にエアコンの風が当たらないようにするなど、縦長の土地ならではの工夫が詰まった住宅になっていましたね。

縦長の土地に家を建てる場合、家事動線を考慮して間取りや部屋の配置を工夫することで過ごしやすい住宅に仕上がります。みなさんも、土地の形を生かした家づくりで快適な空間を作ってみてはいかがでしょうか。