注文住宅と分譲住宅の違いは?メリット・デメリットも解説!

2022年8月24日

住宅購入の際、注文住宅と分譲住宅のどちらを選ぶか悩む方も多いのではないでしょうか。今回は、注文住宅と分譲住宅の違いや特徴を徹底解説!選び方のポイントもご紹介します。

 

注文住宅と分譲住宅の違いは?

注文住宅と分譲住宅、家づくりにおいてよく聞く言葉ですが、どのような点で違いがあるのでしょうか。

注文住宅と分譲住宅、それぞれの特徴について解説します。

 

注文住宅は家族の理想に合わせられる

注文住宅とは、自分で間取りや住宅設備を決められる住宅のこと。注文住宅の特徴は、自分で土地を探して一から住宅を建てられることです。土地探しから間取りの打ち合わせ、契約まで購入者自らが住宅会社と相談して行います。

着工から完成まで、家が徐々に出来上がっていく工程を間近で見られる点が強みといえるでしょう。

 

分譲住宅は早く入居できる

分譲住宅とは、名前の通り土地に番号を振って販売する「分譲地」に建てる住宅のこと。建売住宅とほぼ同じ意味だと考えてよいでしょう。

分譲住宅の特徴は、不動産会社が仕入れた土地に新築住宅を建てて土地と住宅をセットで販売していることです。完成した住宅を事前に確認できる点や入居までのスケジュール感を把握しやすい点が強みといえるでしょう。

 

注文住宅のメリット

注文住宅か分譲住宅かで迷った時は、両者の特徴やメリット・デメリットを把握することが大切です。注文住宅のメリットについてご紹介します。

 

間取りやデザインを自分好みに設定できる

注文住宅は一から住宅をつくるため、間取りやデザインを自分好みに設定できる点がメリットです。とくに注文住宅の間取りは、住みやすさを左右する重要なポイント。子どもの人数や夫婦の働き方、ライフスタイルによって大きく変わる部分であるため、家族に合った間取りにすることが大切です。

注文住宅のデザインも、家の印象を大きく左右します。現代的なモダンテイストや、和風テイストとモダンテイストを織り交ぜた和モダン、やわらかい印象にしたナチュラル、工業的でスタイリッシュなインダストリアルなどさまざま。自分の理想とするデザインを取り入れた住宅にできる点も、注文住宅のメリットです。

 

注文住宅の内装デザインについてくわしく知りたい方はこちら

>>注文住宅のデザインはどう決める?ポイントや注意点をご紹介!

 

家が建つ過程を確認できる

注文住宅は着工から完成までを間近で確認できるため、家が建つ過程を楽しむことができます。

着工から完成までの期間は一般的に6か月程度。流れは以下になります。

 

①地鎮祭を行う

間取りが完成したら、無事に家が完成することを願う「地鎮祭」という儀式を行います。地鎮祭には神道を信じる方が行う神式と仏教を信じる方が行う仏式の2種類があり、儀式の内容も異なるため自分はどのケースに当てはまるか把握しておきましょう。

なお神道・仏教以外の宗教を信仰している方は起工式の祝別を行うことが多く、それぞれが信仰する宗教にのっとって式が進められます。

 

②住宅の基礎をつくる

地盤調査を行って土地を強化した後は、住宅がしっかり建てられるよう平らな土地にする「整地工事」を行います。

整地が終わったら骨組みをつくり、コンクリートを流し込んで基礎をつくります。

 

③大工さんが作業するための足場をつくる

基礎が完成したら、大工さんが作業するための足場をつくります。

 

④棟上げをする

基礎をベースに、柱や梁などの構造材を組み上げる作業です。棟上げの際は家の完成を祈る「上棟式」も行います。

上棟式に関しても神式・仏式・キリスト式など信仰している宗教によって異なるため、自分のケースを確認しておきましょう。

 

⑤仕上げ工事をする

構造体に外壁や屋根を取り付けていきます。2~3週間ほどで住宅の外部を仕上げます。

 

⑥内装工事をする

仕上げ工事が終わったら、住宅内の壁紙やタイル、フローリングなどを貼る内装工事に移ります。電気配線工事や断熱工事なども行い、暮らしやすい住宅になっていきます。

 

⑦竣工検査をして引き渡し

竣工とは、建物の建築工事が完了したこと。工事終了後、完成した住宅に不具合がないかチェックをする「竣工検査」を行い、問題なければ引き渡しとなります。

 

注文住宅を建てる際は上記の工程を見られるため、貴重な体験ができます。注文住宅を建てる場所が遠方にある場合は、基礎工事・構造の工事・内装工事など工事段階ごとのスケジュールを確認し、気になる部分のみ見学するのもよいでしょう。

 

依頼する住宅会社を選べる

大手であこがれの住宅メーカーに頼みたい、個性的なデザインが得意な建築事務所に頼みたいなど、依頼する住宅会社を自由に選べる点も注文住宅のメリットといえます。

依頼する住宅会社を決める際は、①予算と②建てたい家の2点に着目しましょう。

 

①予算

注文住宅を建てる際は資金計画をして、家づくりの予算をいくら確保できるか把握しておくことが大切です。注文住宅にかけられる予算を決めたうえで、1坪あたりどれくらいの費用がかかるか示す「坪単価」を各メーカーごとに確認しましょう。

 

②建てたい家のタイプ

家の構造には木造、鉄骨造、鉄筋コンクリート造の3種類あり、一般的には木造住宅が広く採用されています。鉄骨造や鉄筋コンクリート造の注文住宅を建てたい場合は、その構造専門の住宅会社に頼むのもよいでしょう。

 

注文住宅のデメリット

注文住宅には多くのメリットがある一方、やはりデメリットも。しっかり確認していきましょう。

 

打ち合わせに時間がかかる

注文住宅の家づくりは何度も住宅会社と打ち合わせを重ねるため、プライベートの時間がどうしても削られてしまうでしょう。

注文住宅の打ち合わせ回数は、一般的に10~20回といわれています。間取りや住宅設備はもちろん、照明やスイッチの配置に至るまで細かな部分の打ち合わせも必要になります。

何度も打ち合わせをするうちに、住宅会社の担当者と認識の違いが生まれることもしばしば。打ち合わせの後はもらった資料をファイリングしたり、打ち合わせ内容をメモしておくなど、整理して記録を残しておくとよいでしょう。

 

予算オーバーになってしまう場合がある

注文住宅は自由に間取りや住宅設備、デザインなどを決められるため、予算オーバーになってしまう場合もあります。予算オーバーになってしまう要因として、打ち合わせを重ねていくうちに夢が膨らんでしまうことや、普段扱わない金額のため金銭感覚が麻痺してしまうことなどが挙げられます。家族にとって必要な要素は何かを見極めながら打ち合わせを進めることが大切です。

予算オーバーにならないコツをご紹介します。

 

①部屋数を減らす

部屋数の分だけドアやクローゼットなどの建具が必要になるため、コストが上がってしまいます。

子ども部屋はつくらずに夫婦の寝室に併設して将来的に仕切りをつくるなど、ちょっとした工夫で部屋数を減らすことができます。

 

②収納スペースを減らす

収納スペースは住宅をすっきりさせるのに欠かせないものですが、必要以上に造作の収納スペースを設置するのはおすすめできません。居住スペースを圧迫するだけでなく、収納スペースをつくる際の費用もかさむためです。

中2階の下部分を収納スペースとして活用したり、大きなクローゼットに物をまとめることで、費用や居住スペースを削減できます。

 

③水回りをワンフロアに

水回りの設備はワンフロアに集約させることで、排水管の工事費を抑えられます。1階と2階にトイレを設置したいときなどは、2階にトイレは必要なのか一度振り返って考えてみるとよいでしょう。

 

入居までのスケジュールを立てるのが難しい

注文住宅は土地探しや打ち合わせが長引くこともあるため、入居までのスケジュールを立てることが建売住宅よりも難しいといわれています。注文住宅を建てる際は依頼する住宅会社の担当者に確認しながら、入居までのスケジュールを押さえておくことが大切です。

 

分譲住宅のメリット

注文住宅は一から住宅をつくるため自由度が高い一方、打ち合わせなどの負担が大きいとわかりました。

次に分譲住宅のメリットを見ていきましょう。

 

土地と住宅をセットで購入できるため、土地探しに時間を取られない

分譲住宅の大きなメリットは、土地と住宅を同時に手に入れられることです。注文住宅はどうしても土地探しに時間がかかってしまう一方、分譲住宅はすでに土地が決まっているため土地探しに時間を取られることがありません。

また注文住宅と違ってすでに完成されている住宅であるため、注文住宅よりもスムーズに入居できます。

 

注文住宅より安価に新築を購入できる

出典:2020年度フラット35利用調査(https://www.jhf.go.jp/about/research/loan_flat35.html)

分譲住宅と注文住宅の相場をそれぞれ比較すると、分譲住宅のほうが700万円ほど安くなっています。新築でありながらも費用を安く抑えられる点は、大きなメリットといえるでしょう。

 

住宅を実際に見ることで暮らしをイメージできる

分譲住宅は完成している住宅を見学できるため、暮らしをイメージしやすい点もメリットです。

注文住宅は自由度が高い分、間取りや住宅設備などは入居するまで確認できません。完成形を事前に見られないため、思っていたイメージと違ったり、間取りが思いのほか不便だったというケースもあります。

分譲住宅であれば、ある程度使い勝手が確立されている間取りを採用しているため暮らしやすい点が魅力。思い通りの間取りやデザインにはできませんが、設計士が考え抜いた使いやすい住宅で暮らせるのは分譲住宅ならではの強みでしょう。

 

分譲住宅のデメリット

分譲住宅は注文住宅よりも入居のめどが立ちやすく、価格も安価であるとわかりました。

分譲住宅のデメリットも見ていきましょう。

 

よくも悪くも万人受けするデザイン

分譲住宅では一般に広く受け入れられるデザインになるため、どうしても万人受けするデザインになってしまいます。住宅に個性的なデザインを求める方やこだわりがある場合、分譲住宅のデザインは物足りないと感じるかもしれません。

 

立地や間取りが家族に合っているものを見つけるのが難しい

間取りや動線が家族のライフスタイルに合わなかったり、部屋数が足りないといったケースもあるため、なかなか家族の要望に合っている住宅を見つけにくいという側面もあります。

立地条件に関してもすでに決まった土地に入居することになるため、家族の要望に合う立地を見つけることが難しいといわれています。

分譲住宅は一期一会であり、要望にすべて合致した住宅を見つけるのは困難だといえるでしょう。

 

それぞれのメリット・デメリットを把握して家族に合った選択を!

今回は、注文住宅と分譲住宅それぞれの特徴やメリット・デメリットをご紹介しました。注文住宅か分譲住宅かを選ぶ際は、家族の要望を見える化しながらライフスタイルに合った選択をすることが大切です。

両者の特徴や予算などを見極めながら、かしこく家づくりをしていきましょう!