LDKの間取りとは?特徴や形状、決め方のポイントを解説

2024年5月19日

新築の注文住宅を建てる際は、LDKの間取りなどのレイアウトに悩む方もいるでしょう。家の中で長い時間過ごすLDKは、マイホームの快適さを決める重要な要素です。LDKといっても、さまざまな種類や形状があるため、ライフスタイルに合わせて慎重に検討する必要があります。

この記事では、LDKの意味や間取りの形状、LDKを決めるポイントについて解説します。ぜひ快適な住まいづくりに役立ててください。

 

そもそもLDKとは?

LDKとは住宅の間取りのことで、それぞれLはリビング(居間)、Dはダイニング(食事スペース)、Kはキッチン(台所)を示し、これら3つの空間を兼ね備えた部屋のことをLDKといいます。物件情報でよく見かけますが、LDKについてくわしく見ていきましょう。

 

LDKとDKの違い

LDKとDKと呼ばれるダイニングとキッチンが一体化した間取りの違いは、くつろげるスペースがあるかないかです。
LDKは料理や食事をするスペース、食後くつろげるスペースがひとつの空間にまとまった間取りです。ダイニングには食事をするテーブルが置かれ、リビングにはゆったり過ごせるソファやテレビを配置している家庭も多いでしょう。

(※)不動産公正取引協議会連合会が定めた目安では、一般的に8畳以上の広さがある場合はLDK、4.5畳から8畳未満の場合はDKと表記されます。

また、キッチンが独立型の場合は「LD・K」、リビングとダイニングキッチンが分かれている場合は「L・DK」と表記して区別します。

 

LDKのメリット

LDKは家族が集まって過ごすくつろぎスペースです。ここでは、LDKのメリットについて見ていきましょう。

 

開放的な多機能空間になる

LDKは、リビングとダイニング、そしてキッチンの3つの機能を合わせ持った多機能空間です。居室が区切られていないため、広々とした開放的な空間を演出できます。
空間をフレキシブルに使えることは、ソファやダイニングテーブル、システムキッチンなどの大きな家具が多い空間にとって、大きなメリットです。

 

家族団らんの場になる

LDKには、リビングとダイニング、キッチンが揃っているため、家族みんなが一緒に過ごす場になります。生活スタイルが違ったとしても、顔を合わせることで、家族間の距離が自然と近くなり、コミュニケーションの機会が増えるのもメリットです。
キッチンで料理をする場合やリビングでくつろぐ場合、子どもがダイニングで宿題をする場合など、さまざまな場面で会話が生まれます。

 

来客時のおもてなしにも対応できる

リビングは来客を迎える場所でもあります。LDKはスペースが広くて解放感があるため、リラックスした時間を過ごせます。自宅でホームパーティを開くといった、おもてなしの場にも最適です。
調理や後片付けをしながら来客への対応もできるため、コミュニケーションの輪が広がるでしょう。

 

家具のレイアウトを変えられる

空間全体が広いLDKは、家具のレイアウトを変えるなど、部屋の模様替えも楽しめます。狭い空間だと、家具のレイアウトは限られてしまいますが、広いLDKなら思い切った配置替えが可能です。
部屋の雰囲気を変えられるため、お子さんの成長や巣立ちなどのライフスタイルの変化にも対応しやすいでしょう。

 

キッチンから子どもの様子を見られる

キッチンからお子さんの様子を見守ることができる点は、子育て世代にとってメリットです。特に対面キッチンの場合、料理をしながらお子さんの姿が目に入るため、何かあればすぐに対応することができます。お子さんが小さくて、目が離せない時期も安心です。

 

LDKの間取りの種類

LDKといっても、さまざまな種類や形状があります。ここでは、LDKにおける間取りの種類や形状別の特徴について見ていきましょう。

 

縦長タイプで部屋に一体感

縦長のLDKは、直線状にキッチンやダイニング、リビングが配置されているタイプです。LDK全体を見渡しやすいため、瞬時に室内の様子を把握できます。また、部屋に一体感があり、家具のレイアウトの自由度も高まるでしょう。縦長タイプのLDKには、対面キッチン型とアイランドキッチン型の2種類があります。
・対面キッチン型:キッチンの対面にダイニングがある配置。キッチンで作業しながら、LDK全体を見られる。
・アイランドキッチン型:キッチンとダイニングが横並びになった配置。リビングから見渡したときに奥行きがある。

 

横長タイプで効率的な動線を確保

横長タイプのLDKは、対面キッチンから見て横並びに、ダイニングとリビングを並べた間取りです。効率的な動線をつくりやすいのがメリットで、家具のレイアウトにより、それぞれのエリアを緩くゾーン分けすることができます。

 

正方形タイプでライフスタイルの変化に対応

縦と横が同じくらいの長さの正方形型LDKは、ライフスタイルの変化に対応できる間取りです。家具をレイアウトする際も、豊富なバリエーションに対応できるため、おしゃれでゆとりのあるLDKをつくり出すことができます。

 

L字タイプで効率的な暮らし

L字タイプのLDKは、キッチンやダイニング、リビングがL字に並んでおり、動線を重視したい人に適した間取りです。L字タイプでは、キッチンとダイニングが横に並んでいる配置が多く見られます。
キッチンでつくった料理をテーブルに出したり、片付けたりするといった動線がスムーズです。L字タイプのLDKは、リビングの向かいがダイニングの場合と、キッチンの場合があります。

 

DK+L字タイプでゾーン分け

DK+Lタイプは、リビングとDKの接面をずらした配置です。キッチンは奥まった場所にあるため、来客時にキッチンの生活感を見られたくない人に適しています。
このタイプは、明確に分けられたスペースと、個室感のあるリビングが特徴です。一見すると空間が区切られているため、窮屈に感じそうですが、端から端までの対角線が長くなることで奥行きが生まれ、視線が抜けて部屋が広く見えます。

・部屋で区切る場合:ダイニングとリビングの間に部屋を設けることで緩やかにゾーニングされたタイプ。部屋を開け放てば、繋がったひとつの部屋にすることも可能。
・テラスで区切る場合:ダイニングとリビングの両方からテラスに出入りでき、キッチンからテラスの様子を見られる。

 

LDKの間取りを決めるポイント

新築の注文住宅を建てる際、LDKの間取りを決める場合は、次のようなポイントを押さえましょう。

 

効率のよい動線をつくる

LDKは複数の役割を持つため、家事動線、生活動線、来客動線の3つを考慮することが大切です。動線がコンパクトでシンプルにまとまっていると、暮らしやすさが格段にアップします。
たとえば、キッチンとダイニングを繋ぐ動線を短くすることで配膳や片付けがしやすくなり、スムーズに家事をこなせます。来客動線は、生活空間を通らずに客間に案内できるのが理想です。
LDKでの過ごし方をシミュレーションして、効率のよい動線をつくってみるとよいでしょう。

 

LDKの並びと距離感を調整する

LDKの間取りは、リビングやダイニング、キッチンの並びや距離感も考慮しましょう。3つの間取りの並べ方や家具のレイアウトにより、動線や雰囲気は大きく変わってきます。LDKは頻繁に人の動きがある場所なので、快適な動線や使い勝手のよさを重視することがポイントです。
部屋の広さや過ごし方に合わせて、それぞれの並びや距離感を調整してみてください。

 

広くて開放感のある空間にする

LDKを快適な空間にするためには、開放感を意識しましょう。LDKの広さを取れないときは、間取りを工夫することで解消できます。
たとえば、リビングやキッチンの先に窓をつくったり、吹き抜けなどで天井を高くしたりするのがよいでしょう。視界に広がりを持たせれば、実際の面積以上の開放感を演出できます。

 

LDK内にパーソナルスペースも確保する

LDKの中に、つくりつけのデスクや畳コーナーなど、パーソナルスペースを確保しておきましょう。パーソナルスペースを設けることで、LDKでの過ごし方のバリエーションが増えます。家族がお互いの気配を感じながら、読書や趣味といったプライベートタイムを過ごすことができます。
家族と心地よい距離感を保ちながら過ごせることは、快適なLDKに欠かせない要素です。

 

窓の配置は採光とプライバシー性を考慮する

窓の配置を考えるときは、隣家や通りからの視線を考慮することが大切です。大きな窓は室内の解放感と採光性を高めてくれますが、プライバシー性が低下してしまうことがあります。
フェンスや生垣などによる外構面の工夫や、高窓や天窓を取り入れるなどして、採光とプライバシーの両面から最適な形を選択しましょう。

 

図面上で家具の配置を想定する

LDKの間取りを決める際は、ダイニングテーブル、テレビやソファなどの家具のレイアウトを含めて考えましょう。既に持っている家具や購入予定の家具が決まっている場合は、間取り図に書き入れてリアルな暮らしを想定することが大切です。
LDKは広さがあるため自由度が高そうですが、しっかり決めておかないと、家具をうまく配置できなくなることがあります。家具を買い揃える予定がある場合は、間取りと同時にレイアウトをシミュレーションしながら選ぶとよいでしょう。

 

まとめ:最適なLDKの間取りで暮らしやすい住まいを実現しよう

住まいの中心となるLDKは、生活の質や快適性に大きく影響する間取りです。それゆえ、ライフスタイルに適したLDKの形を選び、広さや解放感、動線や家具のレイアウトなどを考慮する必要があります。また、将来のライフスタイルの変化も視野に入れた間取りを見極め、細部にこだわることも大切です。快適で心地のよいLDKにより、暮らしやすい住まいづくりを目指しましょう。