平屋のメリット・デメリットとは?注意点もあわせてご紹介

2022年4月15日

注文住宅を検討する際、1階部分のみで上下移動がない「平屋」を検討する方が最近増えています。平屋とは階段がなく安全でコミュニケーションがとりやすいというメリットがある一方、平屋間取りの動線をしっかりつくらないと使い勝手の悪い家になるというデメリットもあります。

この記事では、平屋のメリット・デメリットや平屋をつくる際の注意点について解説!注文住宅で平屋を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

 

そもそも平屋とは?メリット・デメリットもご紹介

平屋とはワンフロアで生活が完結する、1階建ての住宅を指します。すべての空間が1階部分に収まっているため階段がなく、お年寄りの方や小さな子どもも安心して暮らせる点が人気なポイントです。一言で平屋というと昔ながらのイメージがありますが、最近ではモダンなデザインの平屋も増えているほか、コンパクトな住宅が人気にもなっています。モダンな平屋が増えており、なおかつコンパクトな住宅もはやっているため、平屋購入を検討する人が増えているのです。

なお平屋は人気になっているとはいうものの、都心部では圧倒的に2階建て以上の住宅が多い傾向です。平屋は2階建てよりも多くの土地面積が必要となるため、土地に余裕がある郊外・地方に平屋は多く見られます。

 

平屋のメリット5つ

平屋のメリットを理解しておくことは、予算やライフスタイルなどが平屋に適しているかという判断材料になりえます。平屋を建てる際のメリットを5つ解説していきますので、自分の家族やライフスタイル、土地などに平屋が合っているかどうか確認してみましょう。

 

生活動線の効率がよくなる

1つ目のメリットとして、平屋は上下移動がないため家事動線や生活動線の効率がよくなることが挙げられます。洗濯や掃除・片付けなどは、2階建て住宅と比べると平屋の場合は上下移動も不要。家事にかかる労力や時間が短縮されるるのは平屋ならではのメリットですよね。

ただし、玄関が家の隅にある平屋の場合は反対側に行くまでの廊下が長くなる点がデメリット。生活動線を重視する方は、玄関が家の真ん中にある平屋の間取りをつくりましょう。

 

家族とのコミュニケーションが取りやすい

平屋はすべての空間が1階部分で完結するため、必然的に家族と顔を合わせる機会が増えます。家族とのコミュニケーションがとりやすいのも、平屋におけるメリットのひとつです。

玄関からすぐ2階に上がれる2階建ての間取りでは、子どもが帰宅すると2階の自室に直行してしまい、コミュニケーションが取りにくくなるというケースも。もちろん子どものプライバシーを守るという点では良いのですが、家族とのコミュニケーションが不足するほうに走ってしまうデメリットにもなりえますよね。平屋では家族それぞれのプライバシーが確保しにくいというデメリットがあるものの、家族が顔を合わせやすいというのは大きなメリットといえるでしょう。

平屋でさらにコミュニケーションを取りやすくするためには、対面キッチンの平屋にするのもおすすめ。コミュニケーションの機会が多い平屋間取りにすることで、より家族の仲が深まるでしょう。

 

耐震性が高くなる

平屋の場合、2階建てよりも耐震性が高くなる点もメリットです。地震が発生した際、構造物の重量が大きいほど揺れが大きくなるため、平屋のほうが2階建てよりも揺れにくいといわれています。平屋は1階部分に2階の重量がかからないため建物の構造が安定しており、2階建てと比較して耐震性能は高くなります。耐震性能が高いことは、平屋の大きなメリットといえるでしょう。

 

メンテナンス費用を抑えられる

平屋は2階建て住宅と比較して、家を修繕するためのメンテナンス費用を抑えられる点もメリット。大がかりな足場を組まなくても外壁塗装や屋根の修理ができるため、工期や費用を抑えられます。定期的にメンテナンスが必要になる住宅でメンテナンス費用が抑えられることは、長期的に考えると大幅なコスト削減というメリットにつながります。

 

階段部分のスペースを有効活用できる

平屋は2階建ての住宅と違って1階部分しかないため、階段をつくる必要がありません。一般的に階段を設置するための必要なスペースは4~5畳程度といわれており、平屋はこのスペースを収納や書斎など、さまざまな方法で有効活用できます。通常の2階建てであればデッドスペースとなりがちな階段も、平屋では有効な生活空間に変えられるのです。

 

平屋のデメリット4つ

平屋はメリットが多数ある一方で、2階部分がないため広い敷地が必要になるなどのデメリットもあります。平屋のデメリットとメリットを比較・検討することで、平屋が自分の家族にとって理想的な住宅であるかを判断できます。

ここでは平屋におけるデメリットを4つご紹介します。平屋が自分に合うかどうか、ぜひチェックしてみてください。

 

2階がないため広い土地が必要

平屋は2階がないため、1階部分にすべての生活空間を集約する必要があるため、広い土地が必要になるケースが多いといわれています。すべての部屋が1階部分で完結しているため、部屋数をある程度確保するには土地を広くする必要があります。そのため大家族で家族の人数分部屋が必要な場合は、平屋を建てる際は不利なこともあるでしょう。

土地価格は広さによっても変化するため、平屋を建てる際は土地購入のコストが多くかかってしまう場合があります。

 

風通しや日当たりが悪くなりやすい

平屋は敷地の周辺環境によって日当たりや風通しが悪くなるケースがある点もデメリット。特に敷地面積が広い平屋の場合は、中心部の日当たりが悪くなってしまうことがほとんどです。

そのため平屋を建てる際は、中庭を設けたり天窓を配置したりするなどの工夫が必要。自然光が多く当たり、風通しのよい平屋にすることで、住みやすい空間に仕上がります。予算と相談しながら、平屋の間取りづくりを進めていきましょう。

 

水害の危険がある地域は水害時に平屋全体が浸水しやすい

水害の危険がある地域では、平屋はおすすめできません。水害が発生してしまうと、2階に避難することや物を移すこともできず、家全体が浸水する恐れがあるためです。

平屋をつくる際は、ハザードマップで水害の危険性がある地域かどうかを確認するようにしましょう。最近では「〇年に1回の大雨」と冠した異常気象も多く見受けられるため、将来安全に暮らせるかどうかも見据えて平屋を検討しましょう。

 

防犯面で劣る

平屋は2階建て住宅と比較すると1階部分の窓が多いため、空き巣などに侵入されやすい側面がデメリットのひとつ。そのため、平屋を建てる際は二重ガラスにしたりシャッターを付けたりするなどの対策が必要になります。

 

平屋をつくる際の注意点

平屋をつくる際の注意点を理解することで、「想像と違った!」という事態を避けることができます。ここでは、平屋をつくる際のポイントをご紹介します。

 

部屋数を確保する

将来的に子どもが増えたり親と同居したりするなど、家族の数が増えても対応できるように必要最低限の部屋数は確保しておきましょう。家族の増減はなかなか予想がつかないため、将来間仕切りの部屋をつくったり、あえて部屋の仕切りを多く入れない間取りにするのがおすすめ。

子どもが巣立って部屋を使わなくなっても問題ないよう可変性のある平屋間取りにすることで、使い勝手のよい平屋を実現できます。

 

平屋に適した土地を選ぶ

平屋は1階部分しかないため防犯面・防災面では2階建て住宅よりも劣ってしまいます。平屋を建てる際はハザードマップを確認して水害のない地域を選んだり、人通りの多い土地ではプライバシーを確保するよう工夫することが大切です。

そのためには、平屋に適している土地かどうかも見極めることが重要。とくに水害についてはハザードマップをしっかりと確認し、リスクヘッジを行いましょう。

 

予算について考える

平屋は土地代・基礎工事・屋根の費用などがかかるため、同じ延べ床面積の2階建て住宅より建築費用が高くなることもあります。平屋ならではのデメリットをカバーするために理想を詰め込んだ間取りにしていると、大幅に予算オーバーとなってしまうこともあります。予算という軸をもとに平屋を検討していくことも大切です。

また、都心部で平屋を購入しようとすると土地代が高くなるため、郊外で探してみるのも一つの手段です。予算を決めたうえで、適した平屋を選びましょう。

 

ライフスタイルに合っているかを考える

平屋はプライベートな空間が作りにくいというデメリットがありますが、間取り次第でプライベートな空間をつくることができます。家族間でもオンオフをつけたい方は、プライバシーに配慮した間取りの平屋を購入するか、2階建て住宅のほうが適しているかもしれません。

 

メリット・デメリットをよく理解したうえで、平屋を購入しよう!

この記事では、平屋のメリット・デメリット注意点について解説しました。

平屋には、2階建て住宅と比べて家族とのコミュニケーションが取りやすいなどのメリットがあります。しかし広い敷地が必要になるなどのデメリットもあるため、メリットとデメリットをよく理解したうえで、平屋の購入を検討しましょう。