家でサウナを楽しみたい!お家サウナの導入ポイントは?

2024年7月5日

最近じわじわと人気になっているサウナ。「大浴場だけでなく家でもサウナを楽しみたい」「家の近くにサウナがあればもっと手軽に行けるのに…」と考える方も多いのではないでしょうか。

今回は、不動産仲介業とリノベーション販売事業を運営するほか、サウナ付き物件のポータルサイト「サウナ不動産」も手がける(株)KIZUNA FACTORY代表の稲垣慶州さんにインタビュー!家でサウナを楽しむ方法や今後の住宅の在り方などをプロの目線からお聞きしました。

 

 

お話しを伺った方

株式会社KIZUNA FACTORY代表 稲垣 慶州(いながき よしくに)さん

不動産エージェント育成企業・(株)KIZUNAFACTORY代表/YouTubeチャンネル「東京不動産大学」学長

【経歴】明治学院大を卒業後、新卒でレオパレスに入社。27歳で賃貸会社を起業し、33歳で(株)KIZUNAFACTORYを創業

【事業】不動産売買と賃貸の仲介、リノベーション物件の販売

 

手軽にサウナを楽しむには?

手軽にサウナを楽しむにはどのような方法があるのでしょうか。

 

手軽にサウナを楽しむには?方法は3種類

ー手軽にサウナを楽しむには、どのような方法がありますか?

①家庭用サウナを自宅に取り入れる、②サウナ付き物件に住む、③サウナが近くにある物件に住む、という3つの方法があります。家庭用サウナを取り入れるにはある程度の費用が必要になるため、予算の関係上負担になる場合もあります。サウナ付きの賃貸物件に住んだりサウナが近くにある物件を選ぶなど、理想の暮らしと予算を照らし合わせながら自分に合う住宅を考えるとよいでしょう。

 

ーサウナ付きの物件があるのですか!

はい。家でサウナを楽しむために、サウナ付きの物件やサウナが近い物件の紹介、家庭用サウナの導入を支援するのが「サウナ不動産」というサービスなんです。

現在、SUUMOなどの大手ポータルサイトでは、サウナ付きの物件やサウナに近い物件を条件として選ぶことはできません。サウナを好きな方々は、手軽にサウナへ通える環境をなかなか見つけられないという側面がありました。

 

ー家庭用サウナの導入以外にも、手軽にサウナを楽しめる方法があるのですね!

そうですね。いま求められる住宅の機能を見直しながら、さまざまなアプローチでサウナを暮らしに取り入れたいと思っています。

 

そもそもサウナにはどんな種類がある?効果的な入り方も解説

家庭用サウナと大浴場のサウナには、どのような違いがあるのでしょうか。サウナの種類や効果的な入り方をお聞きしました。

 

サウナの種類はドライとスチームの2種類

ーサウナの種類は何がありますか?

一般的な大浴場にあるサウナを「ドライサウナ」、自宅でよく用いられるサウナを「スチームサウナ」といいます。ドライサウナは水を使わずに部屋を暖める乾熱、スチームサウナは蒸気で部屋を温める湿熱という方法で部屋の温度を保ちます。

 

ードライサウナとスチームサウナで、温度に違いはありますか?

ドライサウナのほうが室温を高く保てるため、サウナで健康効果を得るにはドライサウナのほうがよいとされています。

私たちサウナ不動産が定義しているのは、一般的に大浴場で利用されるドライサウナ。家でサウナを利用する場合でも、ドライサウナを導入できるよう工夫しています。

 

サウナの効果的な入り方

ーサウナの効果的な入り方を教えてください!

6~12分サウナに入ったあと水風呂に浸かり、その後椅子に座って5分以上の休憩を行います。この一連の流れを3セット行うというのが、一般的な入り方です。

 

ー家でサウナを利用するときも同じ入り方になりますか?

家でサウナを利用する場合は水風呂を設置するのが難しいため、冷たいシャワーを浴びてからバルコニーの椅子などで外気浴をします。そのほかとくに大きな違いはありません。

 

サウナ室は何℃?

ー大浴場のサウナは一般的に何℃に設定されているのですか?

一般的に、サウナ室は80~100℃に設定されています。家庭用サウナは自分好みの温度に設定できるため、大変便利ですよね。

 

家にサウナを導入するには?家庭用サウナ設置のポイント

家にサウナを設置したい場合、メンテナンス方法や設置場所について理解することが大切です。家庭用サウナを設置する際に押さえておきたいポイントについてお聞きしました。

 

家庭用サウナを導入する際の注意点

ー家にサウナを設置する際の注意点はなんですか?

サウナからお風呂場までの動線を考えなければいけないことです。一般的な賃貸住宅や戸建て住宅にサウナを導入する場合、浴室や脱衣所に家庭用サウナを設置するのはなかなか難しいため、リビングや洋室に設置することになるでしょう。

 

ーなぜ浴室や脱衣所への導入は難しいのでしょうか?

家庭用サウナはどれだけ小さくても1㎡以上はあり、洗濯機置き場より大きなスペースが必要になるためです。家庭用サウナを導入する空間が設けられていない場合はなかなか浴室や脱衣所に割くスペースがないため、リビングや洋室に置くケースが多いのです。

 

ーリビングや洋室に家庭用サウナを設置する際、どのようなことに注意しますか?

衛生面と安全面のどちらも確保されるような動線設計をつくることが大切です。

汗をかいた状態でシャワー室や浴室へ行く動線が確保されているか、バルコニーまでの動線が遠すぎないかなどを考え、安全かつ衛生的にサウナを楽しめるよう工夫するとよいでしょう。

 

家庭用サウナのメンテナンス方法

ー家庭用サウナのメンテナンス方法を教えてください

基本的にはどのメーカーさんも、定期的に汗を拭きとれば問題ないとのことです。湿度が上がって天井のクロスが剥がれるのを心配される方も多い印象ですが、家庭用サウナの場合は湿気が家の中に漏れないよう設計されています。

サウナ室内の衛生面にのみ気を付けておけば問題はないでしょう。

 

ー家のサウナ室はどのくらいの頻度でメンテナンスをすればよいのでしょうか?

家庭用サウナを使用したら、消毒液などを吹きかけてさっとタオルで拭けば問題ありません。

 

サウナ付き物件とは?

サウナ付き物件とはどのような特徴があるのでしょうか。サウナ付き物件の間取りや相場をお聞きしました。

 

サウナ付き物件の間取り

ーサウナ付き物件の間取りには、どのような特徴がありますか?

※出典:「秀和築地レジデンス」実例より

リビングや洋室の収納スペースなどを小さくし、浴室や脱衣所のスペースを広くとっている点が特徴です。サウナに入った後、そのまま浴室へとつながる動線となっています。

 

サウナ付き物件の相場は?

ーサウナ付き物件は、ほかの物件と比べて値段は高くなるのでしょうか?

大きな差はありませんが、若干サウナ付き物件のほうが高くなります。

SUUMOなどの大手ポータルサイトでは「サウナ付き」という条件設定ができないため、少し値段は高いけれどサウナ付きの物件がヒットしないという側面があります。

 

サウナ付き物件は今後増える?

ーサウナブームに伴い、サウナ付き物件は増えているのでしょうか?

リノベーション事業を行う中、デベロッパーさんから「物件にサウナを設置したい」という声を多くいただきます。今はまだサウナ付きの物件は多くありませんが、今後増えていくのではないでしょうか。

 

空前のサウナブームはなぜ起こった?

そもそもなぜサウナブームが起こっているのでしょうか。最近の動向をお聞きしました。

 

サウナ人口は減少!なぜブームに?

※出典:日本サウナ総研より

 

ーなぜサウナがブームになっているのでしょうか?

上のグラフを見ればわかる通り、サウナ人口は2021年でかなり減っているんですよね。世間的にブームになったのは2021年からといわれている一方、実際の数字と世間のイメージとはかなり差があります。

 

ーサウナ人口が減ったのはなぜですか?

新型コロナウイルスの影響です。感染対策のため大衆浴場への足が遠のいたり、各地でそういった施設の営業がストップしたため、サウナ人口が減ったといわれています。

 

ーなぜサウナ人口が減っているなかでブームが起こったのでしょうか?

考えられる要因は2つあります。1つは、サウナをとくに好きな人(コア層)に向けたサービスや商品が登場したためです。コロナ禍をきっかけに自宅でもサウナを楽しみたいという要望が増えたため、家庭用サウナの認知度が向上しました。

またサウナ検索サイト「サウナイキタイ」も登場し、サウナのコア層に響くサービスが多く普及しました。

 

ー2つ目の要因はなんですか?

全体のサウナ人口は減少するなか、20~30代のサウナ人口は増えていることもブームの要因だと考えます。新型コロナウイルスの影響で働き方が多様化し、大浴場の休憩スペースで仕事をする方も増えました。サウナがひとつのワークスペースとなりつつあり、20~30代の層に受けているのでしょう。

そのほかSNSを頻繁に使う人(コア層)とも合致しているため普及力が強いことも一因です。社会的状況とコア層へのサービス普及の影響で、全体のサウナ人口が減りながらもブームになっていると考えられます。

 

サウナ不動産を始めたきっかけ

ーサウナ不動産を始められたきっかけはなんですか?

もともと当社は不動産仲介業とリノベーション事業の2軸を展開しています。リノベーション事業をするなかで、ワークスペースやサウナ設置の要望が増えていることに気づきました。きっと住宅に求めるニーズがコロナ禍をきっかけに多様化したのでしょう。

ワークスペースと同じくらい、サウナも重要な条件になっていくのではと考え、サウナ不動産をはじめました。

 

今後の住宅の在り方とは

コロナ禍で働き方や家での過ごし方が多様化している現在、今後の住宅に求められるニーズとは何なのでしょうか。

 

住宅に求めるニーズが多様化

ー住宅に求めるニーズが多様化しているとは?

コロナ禍で家での過ごし方や働き方が変化し、「集中して仕事をしたい」「運動したい」「サウナに入りたい」など、家での時間を充実させたいというニーズが増えていると感じます。

家での過ごし方は、その人の働き方やライフスタイル、家族の形によってさまざまですよね。家の機能を充実させて多様なニーズに応えることこそ、現在の住宅業界に求められているのではないでしょうか。

 

まとめ

いかがでしたか?家にサウナを取り入れる方法や変化する住宅の機能などをプロの目線から学べましたね!

どのような暮らしを送りたいかイメージを膨らませながら、楽しく家づくりをしていきましょう!