1,000万円で家は建つのか?ローコスト住宅の特徴を解説

2022年6月9日

家の購入を検討している方の中には、「1,000万円で家が建つのか」という疑問を持っている方も少なくありません。

では、本当に1,000万円で家は建つのでしょうか?

結論からいうと、1,000万円で家を建てることは可能です。今回は、1,000万円の家を建てる方法や注意点について解説していきます。

 

1000万円で家は建つのか?

1,000万円で家を建てることは可能です。ただし、土地を所有していることや、ローコスト住宅で建築する必要があるなどの条件があります。

ここでは、1,000万円で家を建てるための方法について解説していくので、1,000万円で家を建てたい方は参考にしてみてください。

 

土地を所有している場合は1,000万円での建築が可能

1,000万円で家を建てるには、基本的に土地を所有している必要があります。土地の値段は広さや立地によって異なりますが、首都圏で土地を購入しようとすると、数百万〜数千万円かかるケースが多く、土地の購入費だけで1,000万円を超えてしまうことも少なくありません。

このため、土地を所有してない場合では、1,000万円という予算内で家を建てるのはほぼ不可能だといえます。

また、土地があればどの住宅会社でも1,000万円で家を建てることができるわけではありません。

1,000万円で家を建てるためには、「ローコスト住宅」で建築する必要があります。「ローコスト住宅」とは予算1,000万円程度(坪単価30〜50万円)で建てられる住宅のこと。建築費を抑えて家を建てられる点が特徴です。

1,000万円で家を建てたい場合は、家を建てる土地を用意したうえで、ローコスト住宅を検討してみましょう。

 

中古物件を探すのもひとつの手

1,000万円で家を購入するには、新築の家ではなく中古物件を購入する方法もあります。中古物件の場合は「1,000万円前後」で売り出されている物件もあるためです。

ただし、中古戸建ての相場価格は、住宅金融支援機構が公表している「2020年度フラット35利用者調査」によると、「2,480万円」。中古市場においても1,000万円はかなり低い価格となるため、1,000万円で購入できる家は築年数が経過していたり、家が狭いなど条件が悪い可能性は高くなります。

 

ローコスト住宅の特徴とは

土地を持っているかつローコスト住宅であれば1,000万円で家を建てられるでしょう。では、なぜローコスト住宅の場合は建築費用を抑えられるのでしょうか。

ここでは、ローコスト住宅が安価に家を建てられる理由について解説します。ローコスト住宅を検討する際の参考にしてみてください。

 

材料費が抑えられている

ローコスト住宅は、通常の注文住宅と比較して、材料費を抑えて建てられています。材料費を抑えるための工夫は以下の通りです。

・ 規格が統一された材料を一括購入することで材料費を抑えている
・ 仕切りを減らすために部屋数を抑えシンプルな間取りに設計されている
・ 建物の外観や屋根にもシンプルなデザインが採用されている

上記のような工夫をすることで、材料費が抑えられる分、間取りやデザインなどの自由度は通常の注文住宅より低くなります。希望の間取りやデザインで家を建てられない可能性があることを覚えておきましょう。

 

安定して安く購入できる設備を使用している

キッチンやトイレ、お風呂などの設備に関しても、コスト削減のために安定して安く購入できる設備を導入しています。そのため最新の設備は導入できない可能性が高く、メーカーが指定した設備しか選べないケースも多いです。

また、床暖房や食洗機などの設備が導入されていないこともあります。このように、通常の注文住宅と比較すると設備の自由度が低く、設備にこだわれない可能性があることを理解しておきましょう。

 

シンプルな間取りにしている

建築費用を1,000万円まで抑えたローコスト住宅では、部屋数が全体的に少なく、ドアやコンセントの数、間仕切りなども最小限にとどめています。間取りをシンプルに仕上げることで内装材やクロスの費用を抑えられるため、比較的安価に住宅をつくることができるのです。

 

人件費が抑えられている

ローコスト住宅は、建てるためにかかる人件費を抑えています。規格化された建材を大量に準備して、プラモデルのように現地で組み立てるようにしているのです。

また、家の造りもシンプルに設計されています。工事にかかる手間が少ないことも人件費が抑えられている理由の一つです。

 

1,000万円で家を建てる際の注意点

1,000万円で家を建てられる「ローコスト住宅」は、費用を抑えるためにさまざまな工夫がされているため、通常の注文住宅にはない注意点があります。注意点を理解しておかないと、ローコスト住宅を建てた際に、想像と違ったという事態になりかねません。

ローコスト住宅で家を建てる際に気を付けておきたいポイントをご紹介します。

 

自由度が低い

ローコスト住宅は材料費を抑えるために規格された建材を使用しており、間取りもシンプルにしています。事前に間取りが決まっていることも多く、注文住宅のように自由に間取りを決められない可能性があります。

また設備に関しても住宅会社が事前に決めており、変更できないケースが多いです。このように注文住宅と比べると自由度が低いため、間取りや設備にこだわりたい方であればローコスト住宅はおすすめできません。

 

提示価格の内訳を確認する

ローコスト住宅は、設備や家の間取りをあらかじめすべて決めておくことで費用を抑えています。規格外の設備や間取りで建築しようとすると、1,000万円という予算を超える可能性があります。たとえば、オール電化の設備を導入したり、壁紙を変更したりなどが当てはまります。

「床・水回り設備・壁紙」などの住宅に欠かせない部分が「追加オプション」に設定されているケースもあります。そのため、提示された価格の内訳をよく確認するようにしてください。

 

経年劣化が早い可能性も

ローコスト住宅は、安定して安く購入できる材料や設備を使用しているため、建材や設備にこだわった注文住宅よりも劣化が早い傾向にあります。よって、通常の住宅と比較するとメンテナンス費用が高くなるかもしれません。

しかし中には、15年や30年保障をうたっている住宅会社もあります。家の経年劣化が気になる方は、15年や30年保障がある住宅会社に依頼するようにしましょう。

 

アフターフォローがしっかりとしている住宅会社を選ぶ

ローコスト住宅は、コストカットのためにさまざまな工夫をしており、通常の住宅と比較してトラブルが起きる可能性が高いといわれています。

したがって、アフターフォローや15年保障などのサービスがある住宅会社を選ぶようにしましょう。

 

1,000万円で家は建つ?コストダウンのポイント

間取りや設備などコストダウンの方法を把握することで、1,000万円で家を建てることは可能でしょう。ここではコストダウンのポイントをご紹介します。

 

凹凸の少ない総2階の家にする

1階と2階のフロア面積を同じにした総2階にすると、基礎や屋根の施工面積が少なくなるため建築費用を抑えられます。内装や間取りだけでなく建物の外観もシンプルなつくりにすることが大切です。

 

収納スペースをまとめて部屋数を少なくする

間取りを考える際は部屋数を少なくするほうが建築費用は抑えられるため、収納スペースはできるだけまとめるとよいでしょう。1階や2階に何部屋も仕切りを設けて収納スペースをつくると、その分内装材やクロスにかかるコストも高くなってしまいます。

「家族みんなで使う収納スペースは1階」、「掃除道具を収納するスペースは玄関付近に集約する」など、ある程度ルールを決めて間取りを決定するとよいでしょう。

 

窓の数を抑える

窓のサッシやガラスも建築費用が上乗せされる大きなポイント。もちろんある程度の採光は大切ですが、不必要に窓を設置しないことが大切です。

部屋に対して最低限の窓が確保されていれば、採光については照明器具でカバーできます。1,000万円での建築を考えている際は、窓の数にもこだわってみるとよいでしょう。

 

まとめ:1,000万円の家を建てる際は注意点を理解しておこう

ローコスト住宅なら1,000万円で家を建てられますが、費用を抑えるために自由度が低くなってしまうなど、通常の注文住宅にはないデメリットがあります。1,000万円で家を建てるため、極端にハードルを下げる必要はありませんが、ある程度の妥協が必要であることを、知っておきましょう。