土地の生前贈与にかかる税金はなに?贈与を受ける際の注意点も解説!

2023年2月23日

家を建てる際、親や祖父母から土地を譲り受けるという方も多いのではないでしょうか。他人の財産を受け取ることを「贈与」といい、多額の資金や土地などを受け取る場合には「贈与税」と呼ばれる税金が発生します。

今回は、土地の生前贈与にかかる税金について徹底解説!贈与を受ける際の注意点も併せてご紹介します。

 

そもそも生前贈与と相続の違いは?

他人から財産を受け取る方法は、大きく分けて「生前贈与」と「相続」の2種類に分けられます。2点の違いを説明しましょう。

 

もらうタイミング

生前贈与とは、贈与者(贈与を渡す人)が生きている間に財産を渡すことです。対して相続とは、贈与者が亡くなった場合に財産を譲り受けることを指します。

生前贈与を通して財産を受け取った場合、受け取る本人は「受贈者」、相続を通して財産を受け取った場合は「相続人」となります。

 

税金や税率

生前贈与には贈与税、相続には相続税がかかります。基本的に相続税のほうが税率は低く設定されているほか、控除額(税金がかからない金額)も贈与税より高いことが特徴です。

贈与税は、年間110万円までの贈与であれば非課税とされています。

相続税では3,000万×600万×法定相続人の数 の金額までが非課税となるほか、配偶者控除や未成年控除といった控除制度もあります。

 

土地の生前贈与を受けるメリット・デメリット

節税という面から考えると、土地を相続する形でもらい受けるほうがメリットは大きいかもしれません。しかし、土地を生前贈与する際のメリットも多くあります。

土地の生前贈与を受けるメリット・デメリットについてくわしくご紹介します。

 

土地の生前贈与を受けるメリット

土地の生前贈与を受けることで生じるメリットについて解説します。

 

相続時精算課税制度を受けられる

土地の生前贈与を受けるメリットは「相続時精算課税制度」を活用できるケースがあること。相続時精算課税制度とは、60歳以上の父母または祖父母から18歳以上の子または孫に対して贈与した場合に、贈与税が2,500万円まで非課税になる制度のことです。

相続時精算課税制度を選択した場合、2,500万円までは非課税となります。2,500万円を超えた金額に対しては、受贈者が亡くなったとき(=相続時)に支払います。贈与税の納付を相続時まで引き延ばすということです。

 

贈与する/されるタイミングを自分たちで選べる

生前贈与の場合、受贈者が好きなタイミングで財産を与えられます。相続は贈与者が亡くなってから発生するものであるため意図しないタイミングとなる一方、生前贈与は住宅取得や子どもの進学など、ある程度見通しの立つタイミングで贈与を受けられます。

 

相続税を軽減できる

生前贈与を行うことで、相続税を軽減できる点もメリットといえるでしょう。相続税を非課税の金額に収めるために生前贈与を行い、あらかじめ相続する財産を減らすことができます。

 

何度かに分けて財産をもらえる

生前贈与を選択する場合、分割して財産をもらえる点も大きなメリット。相続では贈与者が亡くなった時点で財産が一度に移る一方、贈与では年間110万円までは非課税です。分割贈与が可能なため、好きなタイミングで適切な金額を贈与できます。

 

土地の生前贈与を受けるデメリット

土地の生前贈与を受ける際にはデメリットもあります。一つずつ確認していきましょう。

 

相続税よりも税率が高く設定されている

上記でも述べた通り、贈与税は相続税よりも税率が高く設定されています。年間110万円までの基礎控除額が設けられている贈与税に対し、相続税は3,000万×600万×法定相続人の数 が非課税になります。両者の基礎控除額の違いは大きいですよね。

 

不動産取得税がかかる

土地の生前贈与を受けた場合、不動産取得税が課税されます。相続の際は発生しない税金となるため注意が必要です。

不動産取得税は、土地の価格(=固定資産税評価額)に標準税率である4%をかけて計算します。固定資産税評価額とは、土地の価値がいくらかを表す指標のこと。地域によって異なり、納める税金が変わってくるのです。

 

土地を生前贈与された際にかかる税金は?

土地の生前贈与を受けた際は、贈与税以外の税金もかかります。どのような税金があるのか確認しましょう。

 

①不動産取得税

一つ目に、先ほどご紹介した不動産取得税が挙げられます。不動産を取得した場合に課税されるもので、土地だけでなく建物の贈与にもかかるものです。

不動産取得税は、有償と無償のどちらであっても課税されます。

 

②登録免許税

生前贈与と相続どちらの場合であっても、登録免許税がかかります。登録免許税とは、不動産の登記簿名義を変更する際にかかる税金のこと。生前贈与と相続の登録免許税は、それぞれ税率が異なります。

生前贈与の場合は、固定資産税評価額の2%、相続の場合は固定資産税評価額の0.4%です。

 

③贈与税

年間110万円までは贈与税がかからず、110万円を超える金額に贈与税が課税されます。贈与税の税率は、財産を与える受贈者の年齢によって異なります。

一般贈与税率とは、兄弟・夫婦間、親から子への贈与などで子が未成年者の場合に適用される税率のこと。対して特例贈与税率とは、祖父母や父母から18歳以上の子どもや孫への贈与にかかる税率を指します。

一般贈与税率のほうが税率は低く抑えられています。

 

土地の生前贈与を受ける際の注意点

土地の生前贈与を受ける際は、どういった点に注意すればよいのでしょうか。ポイントをご紹介します。

 

ポイントは「3年」!相続開始前の贈与に注意

相続開始前3年以内に生前贈与をした場合、相続税対策とみなされ相続税が課税されてしまいます。受贈者の死期が近づいても安易に急いで生前贈与を受けず、相続税が非課税枠にとどまるのであれば相続を選択するようにしましょう。

 

分散贈与にはリスクがあるため注意

年間110万円まで贈与できるからといって数十年にわたる贈与をしていると、途中で受贈者が亡くなってしまうというケースもあります。贈与者の年齢や健康状態、相続税でかかる税金を計算しながら、分散贈与の期間を決めるとよいでしょう。

 

まとめ

今回は、土地の生前贈与を受ける際にかかる税金と注意点について解説しました!生前贈与と相続それぞれにメリット・デメリットがあるとわかりましたね。

財産を譲り受ける際は、適切な税金対策を施すことが大切です。生前贈与の特徴を押さえながら、自分のケースに合った形で財産を譲り受けるようにしましょう!