明かり取り窓とは?窓の種類や設置する際の注意点をご紹介

2023年7月16日

注文住宅を建てるにあたって、「明かり取り窓」とは何か気になった方も多いでしょう。明かり取り窓とは採光を目的とした窓のことで、快適な暮らしを実現するために欠かせません。

この記事では、明かり取り窓とは何かくわしく解説しつつ、窓の種類や設置における注意点についてご紹介します。

 

明かり取り窓とは?採光の重要性

私たちが住む居室は、一定以上の自然光を取り入れることが建築基準法で義務づけられています。自然光を取り入れることを「採光」と呼び、明かり取り窓とは採光を目的とした窓のことです。ここでは、明かり取り窓についてくわしく解説しつつ、採光の重要性について説明します。

 

採光を目的とした窓のこと

明かり取り窓は、建物の内部に自然光を取り入れる目的で設置される窓のことです。光が室内に差し込むことで、自然光の明るさや温かみを感じられ、室内の明るさを確保するだけでなく、省エネや快適性の向上にも寄与します。

似た言葉に「明かり窓」がありますが、これはトイレや室内のドアに取りつける小窓を指すのが一般的です。

 

採光の重要性

採光は建築基準法で義務づけられるほど重要です。 自然光は人の心理的な健康や幸福感に直接的な影響を与えます。明るく自然な光の下で過ごすことはストレス軽減や集中力の向上、生産性の向上など、大きな利益をもたらすでしょう。

また自然光を利用することは人工照明の使用削減にもつながり、エネルギー効率の向上や環境負荷の軽減にも寄与します。

 

採光のために|窓の種類を知っておこう

ひとくちに明かり取り窓といっても、デザインや機能性など異なる種類のものが多く存在します。自分たちの暮らしに合った窓を選ぶためにも、注文住宅を取得する場合は窓の種類についてよく知っておきましょう。ここでは、明かり取り窓を11種類ご紹介します。

 

1.すべり出し窓

すべり出し窓はドアのように取手やハンドルを回して外側に押し出す、あるいは手前に引いて開けるタイプの窓です。「縦すべり出し窓」「横すべり出し窓」の2種類あり、縦すべり出し窓は縦一辺を軸にし、横すべり出し窓は上一辺を軸にしてすべり出すように開きます。

サッシの気密性が高く、引違い窓と比べるとスペースを必要としない点がメリットです。しかし、手前に引くタイプのすべり出し窓は、室内側にカーテンを設置しにくい点がデメリットとして挙げられます。

 

2.引違い窓

開閉する際に、左右に引き違うように動かせるタイプの窓です。引違い窓は横長の形状をしており、窓の一方を引いて開けることで室内と外部をつなげられます。引違い窓は開口を調節でき、開放感や風通しを自分好みにできるのがメリットです。

しかし、日本ではベーシックなタイプの窓であるがゆえに、ほかの窓と比べるとデザイン性は高くありません。

 

3.上げ下げ窓

上げ下げ窓は上下方向に開閉できる窓です。一般的には縦長の形状をしており、上下にスライドさせることで窓を開閉できます。引き違い窓よりも気密性が高く、断熱性能が高い点がメリットです。しかし、上側の窓が固定されているため掃除しにくい点がデメリットとして挙げられます。

 

4.FIX窓

FIX窓は開閉できない固定された窓で、「はめ殺し窓」とも呼ばれます。開閉の必要がない場所に、採光や装飾目的で利用されるのが一般的です。開く窓に比べるとコストが安く、デザイン性が高い点がメリットとして挙げられます。しかし、窓が開かないため室内から外側の掃除ができない点がデメリットです。

以下の記事では、FIX窓の実例をご紹介しています。ぜひ、参考にしてみてください。
FIX窓とは?おしゃれなFIX窓の実例とともにご紹介! – リブタイムズ

 

5.内倒し窓

窓を室内側に倒して開閉できる窓です。下一辺を軸にしているため、すべり出し窓と似ています。室内側に窓が倒せるため隣家とのスペースが狭い場合に有効で、掃除しやすい点もメリットです。しかし、内側に倒すためカーテンが設置しにくい点はデメリットといえます。

 

6.外倒し窓

窓を外側に倒して開閉できる窓で、内倒し窓とは逆のタイプです。外倒し窓を開けることで室内の空気を外へ流しやすく、広い開放感も得られます。ただし、外側に障害物があったり隣家と近かったりする場合は使いにくいのが難点です。

 

7.折りたたみ窓

クローゼットのように開閉時に折りたためる窓です。一般的には、複数のパネルやセクションで構成されており、それらを折りたたんで開閉します。

開口部のサイズが柔軟に調整可能なため、一部のパネルを折りたたんで通風や通行スペースを確保できるほか、すべてのパネルを折りたためば開放感も得られます。ただし、指を挟む危険性がある点には注意が必要です。

 

8.スリット窓

スリット窓は縦横に細長い形状の窓で、近代的な建築やコンテンポラリーなデザインの建物で使用される傾向にあります。建物の外観・内観においてアクセントや視覚的な興味を引きたい場合におすすめです。

またプライバシーや通風を考慮しながら自然光を取り入れたい場合にも適しています。しかし開口部が細いため、天気によっては採光が不十分に感じられることもあります。

 

9.掃き出し窓

床から天井付近まである大きな窓で、掃除の際に外にゴミを掃き出せるような形状になっています。床面と窓枠の高さがほぼ同じであるため、室内と屋外の段差をなくし、スムーズな移動が可能です。特にリビングから庭やテラスとのつながりを重視する場合に適しています。ただし、開口部が広いためプライバシーを守るための目隠しや防犯対策が重要です。

 

10.出窓

窓枠が外壁から突き出しているタイプの窓です。建物の外壁から突き出ていることで、複数の方向から自然光を取り入れられます。これにより室内に明るさや開放感をもたらし、快適な環境を作り出すことが可能です。

また室内にスペースも生まれ、窓枠の上に座ることや物を置くこともできます。しかし、窓が目立つためプライバシーや防犯面に配慮する必要があります。

 

11.天窓

天窓は建物の屋根に設けるタイプの窓です。その名前の通り、天空の光や風を取り入れられる窓で、屋根から直接光が入るため部屋全体を均一に明るく照らせます。特に屋根の高い場所に天窓があると、広がりのある景色や星空を楽しめます。

また窓の外には空しかないため、プライバシーを確保できるのも魅力です。デメリットは光の入り方によって眩しいことに加え夏は暑くなる点や、掃除、メンテナンスが難しい点です。

 

明かり取り窓を設置するうえでの注意点

明かり取り窓は一度設置すると後から変更が難しいため、どのようなタイプの窓にするかは慎重に決める必要があります。以下の注意点を押さえておきましょう。

  • ・季節や時間に考慮した採光性
  • ・気密性や断熱性
  • ・掃除のしやすさ、開けやすさ
  • ・プライバシー、防犯性
  • ・デザイン性
  • ・耐震性

窓は多く設置するほど壁の耐震性が落ちますし、防犯対策とプライバシーの確保にも一層注意する必要があります。建築基準法の観点も含めて、施工業者とよく話し合って窓のタイプや設置場所を決めましょう。

 

まとめ:明かり取り窓は採光計画に沿って慎重に設置しよう

明かり取り窓は採光を目的として設ける窓です。デザインや機能性など異なるタイプの窓が多く存在するため、どのような窓にするか迷うこともあるでしょう。

その際は明かり取り窓の設置事例を調べ、実際の暮らしをシミュレーションしてみるのがおすすめです。快適な住環境を実現するためにも、採光計画を綿密に立て、家族や施工業者とよく話し合ってみてください。