差し掛け屋根とは | メリット・デメリットや雨漏りを防ぐ方法も解説

2023年7月8日

「差し掛け屋根の特徴を知りたい」
「差し掛け屋根は雨漏りしやすいって聞くけど本当のところはどうなの」
このようにお考えではないでしょうか?

差し掛け屋根は、人気のある屋根の構造です。風通しのよさや断熱性の高さなどメリットが多くありますが、雨漏りのリスクがデメリットとして挙げられます。

この記事では、差し掛け屋根のメリット・デメリットや、雨漏りを防ぐ方法について解説します。

家の外観や屋根の構造でお悩みの方は、ぜひ最後までご覧ください。

 

差し掛け屋根とは

差し掛け屋根とは、への字型の一般的な屋根である切妻屋根の高さをそれぞれずらして、片方を長く伸ばした屋根の構造です。

また家の2階部分より1階部分が広い場合には、2階部分の外壁に接して設置される片流れの屋根のことを指します。

差し掛け屋根は切妻屋根に比べて特徴的で、かつ家の外観をスタイリッシュに見せることが可能です。

>>モダンでおしゃれな差し掛け屋根の実例についてくわしく知りたい方はこちら。

 

差し掛け屋根のメリット7つ

差し掛け屋根のメリットは、7つ挙げられ、以下のようなメリットがあります。

  • ・屋根裏に広い空間を確保できる
  • ・自然光を採光しやすい
  • ・風通しがよい
  • ・断熱性が高い
  • ・風に強い
  • ・費用がかさまない
  • ・太陽光パネルを設置しやすい

それぞれくわしく見ていきましょう。

 

① 屋根裏に広い空間を確保できる

差し掛け屋根の家は、屋根裏に広い空間を確保できます。2つの屋根の高低差部分が、屋根裏スペースになるためです。

通常は限られたスペースであることから物置以外では使いにくい屋根裏ですが、差し掛け屋根にすることで広いスペースが確保できるため、仕事部屋や趣味部屋としても利用できます。

差し掛け屋根の家の屋根裏は、ライフスタイルに応じて柔軟に使えて非常に便利です。

 

② 自然光を採光しやすい

自然光を採光しやすいことも、差し掛け屋根の特徴です。

具体的には、差し掛け屋根の高低差部分に窓を設置することで、自然光が室内に入りやすくなります。また、差し掛け屋根自体に天窓を設置する方法もあります。

となりの家との距離が近い場合でも、室内に自然光を採りいれやすいため、都市部などでは特にメリットが大きいでしょう。

 

③ 風通しがよい

風通しのよさも、差し掛け屋根の特徴のひとつです。

差し掛け屋根の段差部分に窓を設置すると、採光しやすいだけでなく、家全体の風通しがよくなります。また屋根裏の空間が広いため、室内の空気が循環しやすいです。

風通しのよさを重視する方は、差し掛け屋根を検討するとよいでしょう。

 

④ 断熱性が高い

差し掛け屋根は、断熱性の高さも備えています。切妻屋根に比べて、太陽が低い位置にある時間帯でも日差しを遮ることができるからです。

特に、暑い夏の時期には大きなメリットになるでしょう。

 

⑤ 風に強い

差し掛け屋根は、風に強いこともメリットです。

差し掛け屋根では、高低差のある2つの屋根がお互いを補強し合う形状をしているため、強風にも負けない耐久性があります。

毎年台風による被害が発生する日本の家にとって、風に強い屋根であることは大きなメリットです。

 

⑥ 費用がかさまない

切妻屋根に比べて特徴的な差掛け屋根ですが、意外にも費用はかさみません。屋根自体は2つに分かれていますが、構造自体は非常にシンプルであるためです。

差し掛け屋根は、費用は抑えつつ、特徴的な屋根を設置したい方にとって魅力的な選択肢といえるでしょう。

 

⑦ 太陽光パネルを設置しやすい

太陽光パネルの設置においても、差し掛け屋根は魅力的です。

差し掛け屋根は、片方の屋根がもう一方に比べて長く伸びています。このため、長いほうの屋根には、太陽光パネルを設置するのに十分なスペースを確保できるのです。

面積の大きな太陽光パネルも設置できることが、差し掛け屋根のメリットのひとつといえます。

 

差し掛け屋根のデメリット3つ

差し掛け屋根には、メリットだけではなくデメリットもあります。

  • ・雨漏りのリスクがある
  • ・窓を設置すると掃除が大変
  • ・シンプルな外観にはなりにくい

上記3つのデメリットについて解説します。

 

① 雨漏りのリスクがある

差し掛け屋根のデメリットとして、外壁と接する部分からの雨漏りリスクが挙げられます。

建築から年数が経つと、外壁にひび割れが生じる場合があります。このひび割れが、差し掛け屋根と接する部分周辺にできると、その隙間から雨水が侵入する恐れがあるのです。

ただし、差し掛け屋根以外のどのような家でも経年劣化は起こります。そのため、雨漏りリスクを下げるために、適切に対処することが必要です。

 

② 窓を設置すると掃除が大変

差し掛け屋根の段差部分に窓を設置すると、自然光を採光しやすいというメリットがある一方、掃除が大変になるケースが考えられます。

たとえば、設置した窓の下が吹き抜けになっている場合には手が届かないため、掃除のためには足場を準備しなければなりません。危険をともなうため、場合によっては業者への依頼が必要でしょう。

このように、掃除やメンテナンスが必要なときに、簡単に行えないことがデメリットです。

 

③ シンプルな外観にはなりにくい

差し掛け屋根は、シンプルな外観を好む方にとっては評価の分かれる屋根といえるでしょう。

差し掛け屋根は、2つの屋根に高低差がある分、外観に特徴があります。

できる限りシンプルな家を求める場合には、切妻屋根のほうが適しているかもしれません。

 

差し掛け屋根の雨漏りを防ぐポイント3つ

差し掛け屋根の雨漏りを防ぐためのポイントは、以下の3つです。

  • ・実績豊富なハウスメーカーを選ぶ
  • ・定期的にメンテナンスする
  • ・落ち葉や汚れに注意する

それぞれ解説します。

 

① 実績豊富なハウスメーカーを選ぶ

差し掛け屋根の雨漏りリスクを避けるには、差し掛け屋根の建築実績が豊富にあるハウスメーカーを選ぶことをおすすめします。

実績があるハウスメーカーであれば、雨漏りへの対策にもくわしく、万が一のアフターサービスも備えているからです。

差し掛け屋根の実績があるハウスメーカーの中から、自分の希望に沿った業者を選びましょう。

 

② 定期的にメンテナンスする

差し掛け屋根の雨漏りを防ぐためには、定期的なメンテナンスが重要です。

具体的には、屋根と外壁とが接する部分の防水塗装を定期的に行ったり、外壁にひび割れがないかチェックしたりすることが挙げられます。

また、このようなメンテナンスを家全体に行うことで、長く安全に住めます。

 

③ 落ち葉や汚れに注意する

差し掛け屋根の上や、外壁と接する部分に落ち葉や汚れが溜まらないようにしましょう。汚れなどが溜まると、雨漏りのリスクも高くなります。

台風の前後や落葉の季節には、特に注意しましょう。

 

差し掛け屋根はメリットが豊富 | 雨漏りにはしっかり対策しよう

この記事では、差し掛け屋根のメリット・デメリットや、雨漏りを防ぐ方法について解説しました。

メリットの多い差し掛け屋根の最大のデメリットは、雨漏りリスクです。ただし、定期的なメンテナンスなどを行うことで、そのリスクは下げられます。

差し掛け屋根の家を建てる際には、数多くのメリットを生かすためにも、雨漏りへの対策は万全にしましょう。