家のオーバーハングとは?メリットやデメリット、注意点をご紹介
家の「オーバーハング」と聞いて、ピンと来ない方も多いのではないでしょうか。オーバーハングとは建物の屋根が壁面より出ている部分を指し、外観のおしゃれさだけでなく風雨や強い日差しから玄関を守るという機能も果たしています。
今回は、家のオーバーハングについて徹底解説!オーバーハングを施工する際に押さえておきたい注意点も併せてご紹介します。
家のオーバーハングとは?
オーバーハングとは、建物の屋根が壁面よりも外に張り出している部分を指します。一般的には屋根の軒先が壁から少し張り出しているイメージで、都会などの狭小地でもよく見られるもの。
オーバーハングの大きさや形状は建物のデザイン・用途によっても異なり、2階の居室を広くするほかベランダとして活用するケースもあります。
オーバーハングのメリット
家のオーバーハングには様々なメリットがあります。一つずつ見ていきましょう。
外部空間の利用が可能に
オーバーハングを設置することで2階の空間を広げられるほか、建物の外側に空間をつくることも可能。テラスやベランダとして利用するなど、敷地の関係で庭を設置できない場合でも手軽に外部空間を設けられます。
狭小地でも比較的広い空間に
オーバーハングを活用することで、狭い土地でも比較的広い居住空間を確保できます。土地が狭いから諦める…というケースでも、オーバーハングを使えば問題ありません。オーバーハングを選択肢に入れることで、土地探しの幅も広がります。
2階の一部分だけ突出しているオーバーハングは、見た目のインパクトが大きい点も特徴です。モダンでおしゃれな外観に仕上がるため、外観にこだわりたいという方にも良いでしょう。
オーバーハングのデメリット
オーバーハングには多くのメリットがある一方、デメリットももちろんあります。確認していきましょう。
外観が不安定な印象になる
一部分だけ突出したオーバーハングは、おしゃれな外観となる一方で不安定な印象を与えることも。構造がしっかりしていればアンバランスなつくりになることはありませんが、外観を見て構造的に不安を覚える方もいるかもしれません。
アーティスティックな外観には仕上がりますが、アンバランスで他の家とは馴染めない…というケースもあるため注意が必要です。
強度が必要になる
オーバーハングは2階部分が突出しているという特殊な設計上、家の強度も重要になります。オーバーハングで突出している部分を1階部分で支えるため、より強固な基礎が必要となるほか、木造よりも強いRC(鉄筋コンクリート)造も検討するのがおすすめです。
耐震性に不安があることも
オーバーハングは特殊なつくりゆえに、耐震性に不安があるというケースも多々あります。しっかりと強度のある基礎・構造で設計されていれば問題はないため、オーバーハングを依頼する際は耐震性についてもしっかりと確認しましょう。
オーバーハングを取り入れる際の注意点
オーバーハングを設ける際には、以下の注意点を押さえておきましょう。
法規制や建築基準の確認
オーバーハングの設置には、地域の法規制や建築基準を遵守する必要があります。オーバーハングで見るべき値は、建ぺい率と容積率。建ぺい率とは敷地面積(=土地の大きさ)に対する建物面積の割合を指し、容積率とは土地面積に対する延べ床面積を指します。
1階を小さくして2階などのオーバーハング部分を設ける場合、とくに気を付けるべき値は容積率です。設置可能な範囲や条件などを確認し、適切に対応することが大切です。
耐震性の確保
オーバーハングは、地震などの自然災害時に建物に負荷をかける可能性があります。先述したように、基礎や構造を強固なものにするなどといった工夫が必要です。
またオーバーハングの幅は必要最小限にとどめるのも、耐震性を確保するコツといえるでしょう。
重い家具などをオーバーハングの場所に集中させない
オーバーハングを取り入れる際は、間取りについてもしっかりと検討する必要があります。オーバーハングの部分に大きなタンスやベッドなど重い家具を配置すると、耐震性で不安が残ることも。オーバーハングを設置する際は、間取りについても検討しながら設置するのがおすすめです。
まとめ
今回は、家のオーバーハングについて解説しました!家のオーバーハングには多くのメリットがある一方、耐震性などにデメリットや注意点もあります。加えて法規制や建築基準の確認、耐震性の確保なども考慮し、適切な間取り設計を進めることが大切です。