断熱材「セルロースファイバー」の防音性ってどう?断熱材で見るべきポイントも解説!

2023年11月3日

家づくりの際にこだわりたい断熱性。「夏涼しく冬暖かい」暮らしを送りたいものですよね。今回は、断熱材「セルロースファイバー」の特徴やポイント、セルロースファイバーの防音性について徹底解説!断熱と防音の双方を兼ね備えた特徴について学んでいきましょう。

 

そもそも断熱材って?見るべきポイントとは

住宅の快適さと高いエネルギー効率を保つためには、適切な断熱材を選ぶことがポイント。しかし、「断熱材はそれぞれどんな特徴があるの?」「断熱材で見るべき指標は?」と、断熱材選びに迷う方も多いのではないでしょうか。

ここでは、断熱材の選び方や施工方法について詳しく解説します。

 

断熱材で見るべき指標①R値(熱抵抗値)

R値とは「熱抵抗値」のこと。その名の通り熱の伝わりやすさを示す値となっており、この値が大きいほど熱を伝えず、高性能な断熱材といえます。

 

断熱材で見るべき指標②耐久性

断熱材は長期間使用されるため、耐久性が高いものを選ぶことが重要。特に湿気やカビに強い断熱材にすることで、長持ちする家に仕上がります。

 

断熱材で見るべき指標③施工性

施工性の良い断熱材を選ぶこともポイント。施工性の高いものを選ぶことで断熱性能も底上げされるためです。また施工する方法によっても断熱材の効果が変わるため、どのような手段をとるかも考慮しましょう。

 

断熱材「セルロースファイバー」とは

断熱材には様々な種類や特徴があります。今回は、断熱材の中でも高価な「セルロースファイバー」について解説します。

 

材質は新聞紙や段ボール

セルロースファイバーは、段ボールや新聞紙、木のチップなどでつくられます。木質系断熱材と呼ばれており、自然素材でエコな断熱材です。セルロースファイバーは、断熱性はもちろん調湿性や防音性にも優れています。

 

セルロースファイバーのメリット

セルロースファイバーを用いると、どのようなメリットがあるのでしょうか。確認していきましょう。

 

断熱性能が高い

セルロースファイバーそのものの熱伝導率が低い(低くなればなるほど性能が良いとされる)だけでなく、施工性の高さも断熱性能を高く保つポイントの一つです。断熱材そのものの性能が良かったとしても、密度の高い施工ができない場合、断熱性能は下がってしまいます。

セルロースファイバーの場合、断熱材の施工密度が低くなる「断熱欠損」が起こりにくくなります。そのため、ほかの断熱材よりも断熱性能が高くなるのです。

 

防音性に優れている

防音性に優れているのも、セルロースファイバーならではのメリットといえるでしょう。セルロースファイバー独自の絡み合った繊維や、高い密度が音を吸音・遮音します。カラオケやシアタールームなどでも使われるほどの高い防音性となっているため、断熱と防音の双方を取り入れられます。

 

防虫・防カビ機能がある

セルロースファイバーにはホウ酸(ホウ素系薬剤)が使用されているため、シロアリや害虫などの侵入を防ぎます。セルロースファイバーならではの材質で、家を健康に保つことが可能です。

 

防火性能がある

セルロースファイバーの原料は新聞紙ですが、実は燃えにくいという特徴があります。防火性能の秘密は、セルロースファイバーに含まれているホウ素系薬剤。ホウ素系薬剤は火に強いため、安全性の高い家に仕上がります。

 

セルロースファイバーのデメリット

セルロースファイバーにはメリットが多くあるぶん、デメリットもあります。確認していきましょう。

 

ほかの断熱材よりも価格が高い

セルロースファイバーは高い断熱性ゆえに、ほかの断熱材よりも価格が高いといわれています。そのため建材にかかる費用がかかりやすく、家一軒を建てるコストも多くかかってしまうのです。

セルロースファイバーの価格が高くなる理由として、ほかの断熱材よりも手間がかかりやすいというのも挙げられます。セルロースファイバーの場合は建築現場にシートを張り、シートの中に1セクションずつ、ホースで吹き込み作業をしていきます。

 

施工日数がかかりやすい

手間がかかるというデメリットに起因する部分として、施工日数がかかりやすいのもデメリットといえるでしょう。セルロースファイバーの施工をしている間はほかの工事作業もできなくなるため、工事の日程や竣工のタイミングなども考慮する必要があるのです。

 

セルロースファイバーの重さで沈下が起きる

セルロースファイバー自体が持つ素材の重さで沈下が起きる可能性があります。セルロースファイバーの沈下を防ぐためには、施工の密度を上げて吹き込む必要があるでしょう。セルロースファイバーの沈下を防ぐには、専門の業者に頼むのがおすすめ。セルロースファイバーの施工を検討している際は、家づくりを頼もうとしている建築会社がセルロースファイバーを扱っているか?も確認してみると良いでしょう。

 

セルロースファイバーを導入する際の注意点

セルロースファイバーを実際に導入する際、どのようなポイントを押さえておけば良いのでしょうか。リフォーム時のポイントなど、セルロースファイバーで家を建てた後のポイントについてもまとめました。

 

「どのくらいの密度で施工してくれるのか」という基準で施工会社を選ぶ

セルロースファイバーに限った話ではないですが、断熱材の密度は断熱性能を高める要素としてかなり重要。また、一言で断熱材といっても施工方法はかなり異なるのです。

セルロースファイバーは、通常の断熱材よりも手間も時間もかかるもの。セルロースファイバーの施工にある程度慣れている会社に施工を依頼することで、安心して長持ちする住宅を建てられます。

 

リフォーム時には注意が必要

壁内に充填されたセルロースファイバーは、ほかの断熱材と違って固形になっていないため、ぽろぽろと素材が壁内からこぼれ出てしまうことも。増改築などのリフォームで壁に穴をあけた際は再度断熱材を吹き込む必要があります。

 

まとめ

今回は、セルロースファイバーのメリット・デメリットや導入する際の注意点についてご紹介しました!セルロースファイバーはメリットの多い断熱材ですが、だからこそのデメリットも多くあります。家づくりにかけられる予算や施工時期などを確認しながら、住み心地の良い家をつくっていきましょう!