ダウンフロアって一体なに?ダウンフロアのメリット・デメリットや実例もご紹介!
家づくりでよく聞く「ダウンフロア」。効果的に間取りに用いることで、空間をゆるやかに区切りながらもメリハリのあるスペースに仕上げられます。
今回は、ダウンフロアのメリット・デメリットやダウンフロアを実際に取り入れた実例をご紹介!ぜひ家づくりの参考にしてみてくださいね。
ダウンフロアとは
ダウンフロアとは、リビングやキッチンなどのLDKスペースで用いられることの多い、床を一段下げたスペースのこと。ダウンフロアの段差は、リビングでおよそ30センチほど、キッチンでは15~20センチほどで設けられることが多いといわれています。
次に、ダウンフロアのメリット・デメリットについて細かく見ていきましょう。
ダウンフロアを取り入れるメリット
まずはダウンフロアを取り入れるメリットについて、見ていきましょう。
壁や扉などを付けずに空間を仕切られる
LDKの空間は、広くなると間延びした印象になりがち。しかし壁や扉などで仕切ると、居住スペースが狭くなるほか空調効率も悪くなってしまいます。
そんなときに有効なのが、ダウンフロアです。ダウンフロアであれば、居住スペースを削ることなくゆるやかに空間を仕切ることが可能になります。
空間を広く感じさせられる
ダウンフロアを取り入れることで、広い印象を与えられるのも大きなメリット。段下げのスペースができるぶん天井は高くなるため、空間全体を広く見せる効果につながります。
またリビングに収納空間を設けたい場合も、スペースを削らずに段差部分に収納スペースを設けることが可能です。
もしLDKにあまり広い空間を割けない場合は、一部段下げ仕様にするダウンフロアを検討するとよいでしょう。
まるで秘密基地?「おこもり」感のある空間に
ダウンフロアは、まるで秘密基地のような「おこもり」感のある空間に仕上げられる点も魅力のひとつでしょう。段差部分に囲まれることで、ヌックスペースのような段差に囲まれたおこもりスペースとなるため、「狭いスペースが落ち着く」という方に向いているのではないでしょうか。
ダウンフロアを取り入れるデメリット
メリットの多いダウンフロアの設置ですが、見逃せないデメリット・注意点もあります。確認していきましょう。
転倒リスクが高まる
小さな子どもやお年寄りの転倒リスクが高まるため、ダウンフロアを設ける際は十分に注意しましょう。子どもであればある程度大きくなれば転倒リスクは低くなりますが、お年寄りの方との同居を考えている場合はだんだん足腰が弱くなってくることも。家は何十年と住んでいくものであるため、建築時の健康状態のみを考慮していると数10年後に不便な間取り設計になってしまいます。将来的な使い勝手も加味してダウンフロアにするかどうかを検討しましょう。
掃除がしにくい
ダウンフロアの部分は掃除機を上げ下げする必要があるため、掃除がしにくいことも。またダウンフロアの段差部分にゴミが溜まりやすくなるなどもあるため、注意が必要です。
加えてルンバなどのお掃除ロボットも、段差のあるダウンフロアでは使えない…というケースもあるでしょう。
家具の配置は考える必要がある
テーブルやソファなどの大きな家具はダウンフロアの段差をまたいで配置できないため、家具の配置は考慮する必要があります。模様替えをしたいという方の場合、なかなか家具を動かせないダウンフロアでは物足りないケースもあるでしょう。
断熱的に不安が残ることも
ダウンフロアは床が下がるため基礎部分に近くなり、寒さを感じやすいという可能性もあるため注意が必要です。高い断熱性能を施す場合は問題ありませんので、断熱等級などはチェックしましょう。
では実際にダウンフロアはどのように取り入れればよいのでしょうか。ダウンフロアをおしゃれに取り入れたお家についてご紹介します!
LDKにダウンフロアを設けた実例
LDKの一部が吹き抜けになった2階建て住宅。水回りスペースをまとめた過ごしやすい動線にしているのもポイントです。
吹き抜け+30センチ下げたダウンフロアのLDK
LDK(リビング・ダイニング・キッチン)はリビングの上部のみ吹き抜けにすることで、メリハリのある空間を再現。LDKは14畳となっていますが、一見14畳には見えないような広々とした空間に仕上がっています。
ダウンフロアのリビング部分。ダウンフロア×吹き抜けの合わせ技で、空間を立てに広く魅せている点が特徴です。
またダウンフロアの床はモダンな柄の畳を敷くことで、ゆったりと床に座ってくつろげる空間に。子どものホビースペースやちょっとしたお昼寝スペースにも使えるリビングに仕上がっています。
土間スペースをそのままリビングに!?ユニークなダウンフロアの実例
ダウンフロアの土間スペース部分にリビングを設置した、ユニークな間取りの2階建て住宅。インナーガレージを中心とした間取りとなっています。
インナーガレージとリビングを行き来できるダウンフロアの土間空間
玄関に入ると、ダウンフロアの広々土間スペースがお出迎え。なんと、玄関からリビングまですべてダウンフロアの土間スペースとなっているのです。
LDKとして見るとこのようなイメージ。リビングからはインナーガレージを眺めることができ、ガレージとリビングを土足で行き来できる間取りになっています。
ダイニングとリビングで段差をつくることで、メリハリのある空間に仕上がっていますね。
リビングにいる家族と目が合いやすい!ダウンフロアのキッチン
キッチンに段下げスペースを設けた実例。リビングと同じ位置までキッチンの床を下げることで、リビングにいる家族と目線を合わせられる設計になっています。
ダウンフロアの部分はタイルにすることで、水はねや油はねに強い素材にしている点もポイントでしょう。
まとめ
今回は、ダウンフロアのメリットやデメリット、ダウンフロアの実例についてご紹介しました!ダウンフロアは簡単に取り入れられる一方で、気を付けなければいけないデメリットも多々あります。
ポイントを押さえながら、自分や家族のライフスタイルに合うダウンフロアの空間をつくっていきましょう!