三隣亡とは?その意味や由来、やってはいけないことを解説

2024年3月10日

三隣亡という言葉をご存じですか?三隣亡とは、土木建築の凶日とされているため、これから家を建てることを検討されている方は正しく知っておきたい言葉のひとつです。

この記事では、三隣亡とは何か、その意味や由来、三隣亡にやってはいけないことについて、解説していきます。あわせて、2024年の三隣亡にあたる日も一覧にしてご紹介しますので、参考にしてみてください。

 

三隣亡とは何か?

そもそも三隣亡にはどのような意味があるのでしょうか。言葉の由来には諸説あるとのこと。三隣亡の使い方や類語とあわせて押さえておきましょう。

 

三隣亡とはどういう意味?由来は諸説あり

三隣亡とは、土木建築の凶日であり、建築に関わることをしてはいけないとされる日。この日に建築にまつわることをすれば、その家だけでなく三軒隣りまで亡ぼすといわれています。

それゆえ現代では、建築関連の業界では大凶日として恐れられているのです。

三隣亡の由来についてですが、江戸時代に伝わった言葉で「三輪宝」が語源。当時は「屋立てよし」「蔵立てよし」などと記されており、建築の吉日だったという説があります。つまり、現在とは全く正反対の解釈の言葉として使われていたのです。

しかし、どこかで誤りが生じ、「よし」が「あし」になり、漢字も「三輪宝」から「三隣亡」に変化したとされています。

これらの言い伝えは基本的には根拠のない迷信だとされており、人それぞれ捉え方も異なるでしょう。しかし、関わる職人さんや業者の方々が気持ちよく作業でき、安全に家を建てるためにも、昔から伝わるいわれも大切にすべきなのかもしれません。

 

三隣亡の使い方や類語

「三隣亡」という言葉自体が聞き慣れず、どう使えばよいのかわからない方もいるでしょう。実際に三隣亡を使った事例は、以下のとおりです。

「上棟式と三隣亡が重なるから、念のため日をずらしてもらおう」
「三隣亡を調べて地鎮祭の日取りを決めた」

三隣亡は、主に建前や地鎮祭など、建築にまつわる日取りを決める場面で使われることが多い言葉です。

三隣亡の類語には、以下の2つがあります。

・天火日:家を建てると火災が起こるといわれている日
・地火日:住宅の基礎をつくる日としてはふさわしくない日

上記2つにあたる日もできれば建築関連の行いは避けたい凶日です。

 

三隣亡にやってはいけないこと6選

三隣亡は建築に関する凶日とされていますが、具体的にどのようなことをやってはいけないのでしょうか。ここでは、三隣亡にやってはいけないことを6つご紹介します。

 

1.建築

三隣亡にあたる日は、一般的な建築は控えるべきです。マイホームやリフォーム工事はもちろん、庭の倉庫や車庫の設置も避けたほうがよいでしょう。DIYなどの簡単にできる作業も、別の日に行うほうが無難です。

 

2.地鎮祭・棟上げ

建築に関わる神事である、地鎮祭や棟上げなども三隣亡に行うのは避けましょう。

  • ・地鎮祭:その土地の神様に工事の無事や安全、建物や家の繁栄を祈る祭事
  • ・棟上げ:棟上げまで工事が終了したことに棟梁や大工さんへ感謝し、無事建物が完成することを祈願

いずれも三隣亡に重ならないように、事前に確認しておくとよいでしょう。

 

3.引っ越し

三隣亡に引っ越しするのは控えましょう。引っ越しは直接建築に関係なさそうですが、建築物から建築物への移動という意味では、無関係とはいえないかもしれません。引っ越し先に暦を重んじる方がいれば、非常識だと思われかねません。無用なご近所トラブルを避けるためにも、三隣亡の引っ越しは避けたほうが無難です。

 

4.引っ越しや建築に関する契約

引っ越しや建築に関する契約も三隣亡を避けたほうがよいでしょう。引っ越しやマンション、土地の契約は新たに物事をスタートする日であり、建築に関連した大金が動きます。不安要素を取り除くなら、別の日に行ったほうが安心です。

 

5.高いところに登る

高いところに登ることも三隣亡にやってはいけないことのひとつです。暦の中には「高いところに登るとケガをする」と注記されているものもあります。工事関係者が高所で安心して作業するためにも、三隣亡にあたる日は高所での作業は控えたほうがよいでしょう。

 

6.納車

納車は建築とは関係ありませんが、三隣亡は凶日にあたるため、避けたほうがよいとされています。ほかにも暦上の赤口は、何をしても支障が出やすいことから、三隣亡や仏滅と同様に避けたほうがよい日です。交通安全を願うのであれば、納車日は凶日を避けた吉日を選ぶことをおすすめします。

 

【2024年】三隣亡にあたる日はいつ?

2024年の三隣亡にあたる日はいつなのでしょうか。一覧を参考に三隣亡の日を確認しましょう。

 

2024年の「三隣亡」一覧

2024年の「三隣亡」は全部で32日、1か月に2~4日ほどあります。週末に重なる三隣亡もあるため、建築や引っ越し日を検討する際は、チェックしてみてください。以下は、2024年の三隣亡にあたる日の一覧です。

 

六曜の吉日と重なった場合の捉え方

吉凶日の判断基準として有名なのは六曜ですが、建築関連の行いについては六曜よりも三隣亡を重んじる傾向があるようです。また、三隣亡は六曜の仏滅と同じ扱いとして考えることが多く、吉日が重なった場合も、三隣亡の影響が消えることはないとされています。大安と一粒万倍日を例に、吉日と重なった場合の捉え方を見てみましょう。

大安と重なった場合

大安は、何事もスムーズに運ぶという意味の日です。三隣亡は土木建築の凶日なので、土木建築に関わること以外であれば問題ないとされています。ただし、結婚式などの行事は、三隣亡の凶の影響を考慮して避ける方もいるようです。

一粒万倍日と重なった場合

一粒万倍日と重なると、三隣亡の持つ凶作用を受けることで、一粒万倍日の恩恵を受けにくくなるとされています。ただし、三隣亡の避けるべき事柄以外であれば気にする必要はないでしょう。

そのほかの六曜などの意味

そのほか、六曜や開運日などの意味は以下のとおりです。

  • ・大安:大いに安し、何をするにも吉
  • ・赤口:陰陽道で縁起が悪いとされる日
  • ・友引:勝負事で引き分けになる日
  • ・仏滅:物事が滅する(終わる)という意味
  • ・先勝:先んずればすなわち勝つ、万事急ぐことが吉
  • ・先負:先んずれば負ける、勝負事や急用を避けるべき日
  • ・寅の日:金運に縁がある「金運招来日」
  • ・天恩日:天の恩恵が受けられるよい日
  • ・不成就日:何事も成就しない日

三隣亡は建築に関わることを避けたい日ですが、新たな関係を“築く”という意味合いから、引っ越しや入籍なども控えた方が無難だといわれています。

 

まとめ:三隣亡などの暦を踏まえて棟上げ日を決めよう

三隣亡は、建築ごとを行うと三軒隣まで亡ぼすとされる大凶日です。建築関係者の間ではよく知られており、地鎮祭や棟上げなどは避けるべきだとされています。

根拠のない迷信ともいわれていますが、縁起を気にする方も多く見られます。あなたが気にしていない場合でも、職人さんや近隣住民の中には好ましく思わない方もいるので、日取りを決める際は注意しましょう。

三隣亡を考慮することは、近隣の方や建築に関わる方の安全や、生涯安心して住まう家庭の繁栄のためにも配慮すべきことのひとつです。建築に関する事柄を行う際は、あらかじめ三隣亡にあたる日を確認し、三隣亡を避けた吉日を選ぶようにしましょう。

家づくりをするうえで、風水は運気を左右する要素のひとつです。風水における運気のよい家については、以下の記事でくわしく解説していますので、ぜひそちらも参考にしてみてください。

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