人気の間取りを取り入れよう!トレンドの特徴と計画の方法もご紹介

2022年4月22日

新築の注文住宅やマンションでも、間取りの選び方や決め方は、その後の暮らしに大きくかかわる重要なポイントです。今回はおしゃれで機能的なトレンドの間取りを多数ご紹介しながら、選び方や決め方のポイントも解説します。また、間取りで後悔しないために、家族みんなで間取りを吟味するための方法もご紹介します。

 

ここからはじめよう!間取りを見るための視点を持つ

間取りとは、戸建てやマンションの部屋の広さを指すこともあれば、部屋と部屋との位置関係や、それを決めるプラン名を指すこともあります。家づくりではたくさんの間取りを見ることになります。新築や注文住宅で間取りを考えるにあたり、押さえておきたい視点をご紹介します。

 

方角と日当たり

家の立地と方角、日当たりは、間取りのプランや位置決めにとってとても重要です。一般的に、リビングは日光ががよくあたる南向きに、バス・トイレなどは北側に設置することが多いです。隣接する建物によって光が遮られる場合は、プランを見直す必要があります。

また日中家にいる時間が少ない人や女性の一人暮らしなど、防犯上日中はカーテンを閉めておきたい場合は、一般的な見解が必ずしもベストとは限りません。住む人の生活時間帯やライフスタイルも考慮しましょう。

 

周囲の環境

家の周りの環境も、間取り選びや設置場所に大きく影響するため、事前に確認が必要です。たとえば、南向きに大きな窓をつけたい場合、道路沿いや隣家と近接していると人目が気になります。位置を変えるか、目隠しフェンスを導入するといったなどの対策が必要です。

また目の前に自然が魅力的な公園がある場合は、公園側に開口部や窓をつけることで、美しい眺めを楽しむことができます。

 

家族構成やライフステージの変化

家は一度建てると数十年単位で暮らす人がほとんどです。その間には家族の増減やライフステージの変化への対応が必要になることもあるでしょう。ある程度ライフステージの変化を見通せる場合は、柔軟に対応できるプランにすると、大規模なリフォームが不要です。

一例ですが、車を増やす予定があるなら駐車場のスペースを広めに確保しておく、子どもの成長に合わせて子ども部屋を仕切れるようにしておくなどすると、変化に対応しやすくなります。

 

たくさん集めて比較しよう!人気の間取りの特徴とポイント

間取り人気ランキングから、一戸建てや平屋も含め、新築住宅で人気の間取りの特徴とポイントをご紹介します。たくさんの間取り情報を集め、間取りを見る視点をふまえながら、比較してみましょう。

 

「家族のつながり・コミュニケーション」重視で選ぶ

 

‐吹き抜けリビング

吹き抜けリビングは、リビングの天井をなくすことによって実現できる、開放感のある空間が魅力です。2階の居住スペースは減りますが、上下階に一体感が生まれ、コミュニケーションが取りやすくなります。

声や生活音、匂い、灯りなども上下階で伝わりやすいため、生活時間帯がほぼ同じ家族に向いています。空間が広い分、冷暖房が効きにくいデメリットも考慮しておきましょう。

‐リビング階段

リビング階段とは、本来はリビングの外に設置する階段を、内部に設置した階段のことです。昇り降りの際に必ずリビングを通るので、家族と顔を合わせる機会が自然に増え、コミュニケーションの機会が増えます。吹き抜けリビングと相性がよく、セットで計画する人も多くいます。

ただし、人の出入りが多いため、吹き抜けリビングと同じく冷暖房が効きにくい点も踏まえておきましょう。

‐対面キッチン

対面キッチンは、キッチンとリビングの間を完全に仕切らず、調理台からリビングを見渡せるよう設計されています。リビングにいる子どもを見守ったり、家族と会話しながら料理したりできるところが人気のポイントです。

仕切りがない分、油はねや料理の匂いが居室まで拡散しやすいため、こまめな掃除や換気が必要です。

‐リビングにつながる和室

洋風のライフスタイルが定着した現代でも、和室はくつろぎ空間として根強い人気の間取りです。戸建やマンションでも壁で仕切らず、リビングとつながりを持たせた和室コーナーにすることで、開放的な空間を作ることができます。引き戸で仕切れるようにしておけば、客間としても使えます。

 

「家事のしやすい動線」重視で選ぶ

 

‐ランドリールーム

ランドリールームがあれば、「洗う、干す、取り込む、アイロンをかける、畳む、しまう」の一連の動作をひと部屋で行うことができます。洗濯機から別の干場まで濡れて重くなった洗濯物を運ぶ時間と労力を省けるため、洗濯回数が多い子育て世代にも人気です。

外の干場やサンルーム、ファミリークローゼットとの動線を確保すると、より家事効率がアップします。

‐ウォークスルークローゼット

ウォークスルークローゼットは、ウォークインクローゼットに出入口を2か所設置し、通り抜けできるようにした収納空間兼通路です。家の中の回遊性が高い間取りとして人気で、ランドリールームや干場との動線上に設置すれば、家事効率がさらに上がります。

また、風通しのよさも洋服収納にうってつけですが、防虫剤は効きにくいため、季節のものは密閉ケースを使用して収納するなど、工夫が必要です。

 

「すっきり見せる収納力」重視で選ぶ

 

‐パントリー

キッチン横に食品や水、調理家電を保管できるパントリーは、まとめ買いをしたい人、料理が好きでたくさんの食品を使う人に人気の間取りです。パントリーがあれば、キッチンには必要最小限の在庫や道具だけ置けるので、すっきりとした空間を維持できます。

ただし、パントリーの面積を大きくすると、キッチンそのものが狭くなることもあるので、バランスを考えて計画しましょう。

‐ウォークインシューズクローク

玄関にウォークインタイプの収納があれば、靴を履いたまま入れ、たくさんの靴のほか、傘やレインコート、アウトドア用品なども保管できます。コート類やバッグの収納も確保すれば、花粉やウィルス対策にも効果的。壁で隔てて家族動線と来客動線を分けておくと、急にお客様が来ても、慌てて片づけなくてすみます。

容量や機能を増やすとスペースも余分に必要となるため、ほかの間取りとのバランスを考えて計画しましょう。

 

「仕事や勉強がはかどる環境」重視で選ぶ

 

‐個室・半個室の書斎

在宅ワークが一般的になった最近では、書斎スペースを間取りに取り入れる人が増えています。生活音を気にせず集中したい人には個室タイプの書斎が最適です。

リビングや寝室などの一角に作る半個室タイプは、家族で作業デスクやパソコンを共有して多目的に使いたい人、家事や子育ての合間に在宅ワークを進めたい人におすすめです。

‐仕切れる子ども部屋

兄弟が小さいうちは同室でも、大きくなったら勉強がはかどるよう個室を与えたい場合は、仕切れるタイプの子ども部屋がおすすめです。子どもが小さいうちは仕切りなし、成長してからは仕切りを入れて個室風にと、スペースを柔軟に使えます。

ただし、仕切りは壁よりも防音性に劣ります。後から壁を設置すると費用も高くつくため、あらかじめ2部屋作っておいたほうが楽だったというケースもあります。

 

人気の間取りの取り入れ方!家族で吟味・計画する方法

たくさん間取りの情報を集めたら、家族みんなが参加して、一緒に吟味・計画しましょう。家族でできる方法としてご紹介していますが、一人暮らしの家づくりにも効果的です。ハウスメーカーにも協力してもらいながら、検討しましょう。

 

欲しい間取りをリストアップ

ハウスメーカーのパンフレットや冊子、ウェブサイトの人気の間取りランキングや実例などを参考に、それぞれが欲しい間取りの情報を集めましょう。この段階では、いる・いらないの判断をせず、家族みんなの希望を洗い出すことに集中します。出された意見や希望の間取りは、理由もそえて一枚のリストにまとめておくことをおすすめします。

 

家族目線で間取りのメリットとデメリットを考える

人気の間取りはメリットだけでなく、デメリットまで検討しておくことで、違和感や失敗を回避することができます。間取りリストに、それぞれの間取りのメリットとデメリットを家族で話し合いながら書き込みます。見やすい表形式にしておくと、ハウスメーカーとの相談の際にも役立ちます。

デメリットは解決方法まで調べておくことが大事です。たとえば吹き抜けリビングの冷暖房の効き具合が不安な場合は、どんな対策があれば解決できるか、ハウスメーカーにも質問してみましょう。子どもの自由研究のテーマにして、親子で一緒に取り組むのもおすすめです。

 

家族で優先順位を決める

メリットやデメリットを検討したら、家族にとって必要かどうかという視点で絞り込んでいきましょう。家族で意見が分かれたら、その間取りを推す家族から「どんな魅力があるのか」「なぜ必要だと思うのか」をアピールしてもらいましょう。お互いの意見をしっかり受け止めることで、子どもにも家事の重要性やこれからの暮らし方を意識してもらえるでしょう。家族投票をして、家族内の人気間取りランキングを作ってみるのもおすすめです。

 

人気の間取りを吟味して、我が家に取り入れよう!

ランキングでも上位の間取りの数々は、どれも魅力的なメリットがたくさんあります。しかし、トレンドで機能的な間取りでも、家族にとって必要なかったり、吟味が足りずに住みはじめてから後悔することもあります。人気の間取りはプランの段階でしっかり吟味・相談することが大切です。

今回は、間取りを見る視点や、家族で吟味・計画するための方法、アイデアなどをご紹介しました。新築や注文住宅で素敵な間取りを取り入れる参考になれば幸いです。