3,000万円の住宅ローンを組むための年収は?月々の返済額も解説

2024年5月4日

3,000万円の住宅ローンを組む場合、無理なく返済できる年収や、月々の返済額はいくらくらいでしょうか。

この記事では、3,000万円の住宅ローンを組むのに必要な年収と理想の年収の目安、気になる月々の返済額について、シミュレーションも交えて具体的に解説します。住宅ローンを組む際の注意点も解説しますので、最後までチェックしてみてください。

 

3,000万円の住宅ローンを組むにはどのくらいの年収がよい?

結論から述べると、3,000万円の住宅ローンを組むために必要な年収の目安は400万円で、理想的には500万円あると余裕をもって返済できます。

金融機関が住宅ローン審査で基準とする「年収倍率」と「返済負担率」という2つの指標をもとに、具体的に見てみましょう。

 

年収倍率|住宅ローンは年収の何倍まで借りられる?

年収倍率とは、物件購入価格と購入者の年収における比率のことです。年収倍率は以下のように計算できます。

年収倍率=物件購入費総額÷世帯年収

金融機関によって多少異なりますが、住宅ローンの融資額は世帯年収の6~7倍までとするのが一般的です。つまり、物件購入費が3,000万円の場合、430万円(年収倍率7倍)から500万円(年収倍率6倍)が住宅ローンを組める目安と考えることができます。「2022年度フラット35利用者調査」によると、住宅の種類別に見た年収倍率の全国平均は以下の通りです。

出典:2022年度フラット35利用者調査 p12

なお、条件によっては融資額の上限を年収の8倍とする金融機関もあります。この場合、年収300万円台でも3,000万円の住宅ローンが組めることになりますが、借り入れできる額がすなわち月々無理なく返済できる額とは限りません。次にご紹介する返済負担率をもとに、それぞれの家庭にとって理想的な借入額を考えることが大切です。

 

返済負担率|住宅ローンの借入額の理想はいくら?

返済負担率とは年収(税込)に占める年間返済額の割合で、月々の返済が家計を圧迫しないよう借入額を考える目安となる指標です。返済負担率は以下のように計算できます。

返済負担率=年間の返済額の合計÷世帯年収×100

審査の際に返済負担率を30~35%と設定している金融機関が多いようです。ただし、家計を圧迫しない返済負担率の範囲は20~25%といわれています。住宅関連では月々の返済のほかに税金やメンテナンスなどで別途数十万の費用が毎年かかるため、それを含めると返済の負担感がさらに増すためです。また、返済負担率は住宅ローン単体ではなく、カードローンや自動車ローン、奨学金なども含めて考える必要があります。

ローンを返済しながら貯蓄をすることも考えると、返済負担率が手取り年収の25%以下となるよう組むのが理想的でしょう。

 

3,000万円の住宅ローンを組むと返済額は月々いくら?

3,000万円の住宅ローンを借り入れた場合、気になる月々の返済額をシミュレーションしてみましょう。

月々の返済額の目安は以下の通りです。


                       ※借入期間35年間、元利均等返済の場合

金利の種類や利率にもよりますが、3,000万円の住宅ローンを組むと、月々の返済額の目安は約7~9万円となります。

上記の表の場合、年収別の返済負担率は以下の通りです。


               ※借入期間35年間、元利均等返済の場合

より具体的な返済額を計算したい場合は、金融機関のサイトにある返済シミュレーターを活用し、頭金なども入れて計算してみるとよいでしょう。

金融機関ごとの特徴や金利といった情報、シミュレーションについてはこちらも参考にしてみてください。
>>新規借り入れ時の住宅ローン金利を比較!返済額をシミュレーション

 

3,000万円の住宅ローンを組む際の注意点

住宅ローンを組む際の注意点を解説します。以下の点を見落とすと返済がきつくなってしまうため、必ず押さえておきましょう。

 

「支出増」や「収入減少」の可能性を視野に入れておく

住宅ローンの返済期間は長いため、その間にライフステージの変化によって支出が増えたり収入が減ってしまったりする可能性も考えられます。子どもの誕生や進学、共働きできる期間、転職の可能性、介護による影響など、長期的な視野で収入の増減や対策についてよく話し合っておきましょう。

 

住宅ローン以外の諸費用を計算に入れておく

住宅ローンの借り入れの際は、以下の諸費用も計算に入れておく必要があります。

  • ・事務手数料
  • ・印紙税
  • ・ローン保証料
  • ・登録免許税
  • ・団体信用生命保険料
  • ・火災保険料
  • ・地震保険料

諸費用の総額は住宅の種類によっても多少異なりますが、物件価格の3~9%が相場です。3,000万円の住宅の場合、諸費用は90~270万円ほどになります。合計すると諸費用だけでも大きな負担となるため、住宅ローンを組む際は諸費用も含めて予算を考えるようにしましょう。

 

まとめ:住宅ローン3,000万円の年収や返済額の目安を押さえて無理なく組もう

この記事では、3,000万円の住宅ローンを組む場合の年収や月々の返済額の目安について解説しました。

「年収倍率」をもとに考えると、3,000万円の住宅ローンを無理なく返済できる年収は400~500万円が目安です。また、「返済負担率」が20~25%に収まる範囲の借入額であれば、月々の返済額が家計を圧迫せずに返済できるでしょう。

以上はあくまで目安です。家計の状況やライフプランを踏まえて、住宅ローンの借入額や返済計画を考える参考にしてみてください。