住宅ローン控除の確定申告とは|必要書類や手続きの流れについて解説

2024年9月8日

住宅ローン控除を受けるための確定申告についてお調べですか?

住宅ローン控除を受けようとする1年目には、個人事業主だけでなく会社員や公務員も確定申告を行わなければなりません。しかし、確定申告を行った経験がない会社員・公務員にとっては、書類の書き方や手続き方法に不安がともなうでしょう。

この記事では、住宅ローン控除や確定申告の基本を押さえたうえで、手続きに必要な書類や具体的な流れについて解説します。

読んでいただくことで、確定申告への不安がなくなるでしょう。正しい申告を行うためにも、ぜひ最後までチェックしてみてください。

 

住宅ローン控除の確定申告

まずは住宅ローン控除や確定申告の基本を押さえておきましょう。

住宅ローン控除とは

住宅ローン控除とは、住宅の新築や増築・改築を行うために住宅ローンを借り入れた場合、一定の要件を満たすことで税金の控除が受けられる制度のことです。
正確には「住宅借入金等特別控除」という国の制度で、国民が住宅を購入したりリフォームしたりする際の負担を減らして支援する目的があります。

具体的には、最長で13年間にわたって、年末時点での住宅ローン残高の0.7%が所得税額などから控除される仕組みです。

新築住宅の取得で住宅ローン控除を受けるための主な要件について、以下にまとめました。

【住宅ローン控除の主な要件(新築住宅の場合)】

  • ・住宅ローン控除を受けようとする人が生活するための住宅であること
  • ・省エネ基準を満たす住宅であること
  • ※ただし、2024年(令和6年)1月以降に建築確認を受ける新築住宅に限る
  • ・住宅の床面積が50平方メートル以上あること
  • ・住宅ローン控除を受けようとする年の合計所得金額が2,000万円以下であること
  • ※ただし、2024年(令和6年)末までに建築確認を受けた新築住宅で40平方メートル以上50平方メートル未満の場合には、合計所得金額が1,000万円以下であれば要件を満たす
  • ・住宅の引き渡しまたは工事完了から6ヶ月以内に居住を開始すること
  • ・店舗兼住宅などでは床面積の半分以上が生活するためのスペースであること
  • ・住宅ローンの返済期間が10年以上であること

特に「省エネ基準」については、2024年(令和6年)1月以降に建てられる(建築確認を受ける)住宅で基準を満たさない場合、住宅ローン控除は受けられないため注意しましょう。

 

確定申告とは

確定申告とは、1年間の所得額やその額に応じて必要な納税額を確定させて、税金を納める一連の手続きのことです。

確定申告は主に、事業所得のある個人事業主やフリーランスが行います。会社員や公務員は勤務先を通じて「年末調整」を行うため、基本的に確定申告を行う必要はありません。

ただし、年収が2,000万円を超える場合や副業収入が20万円を超える場合など一定の要件に該当すると、会社員であっても確定申告が必要です。

 

控除1年目は確定申告が必須

会社員や公務員が住宅ローン控除を受けようとする場合にも、確定申告が必要になります。

具体的には、住宅ローン控除を受けようとする1年目に確定申告が必須です。会社員や公務員は確定申告に慣れていない場合が多いため、手続きを行うときには記入漏れや書類不備がないよう注意しましょう。

なお、住宅ローン控除2年目以降の手続きについては、年末調整で行います。会社員や公務員の方は「住宅ローン控除では、初年度だけ確定申告が必要」と覚えておきましょう。

 

【住宅ローン控除】確定申告に必要な書類

住宅ローン控除の確定申告に必要な書類(新築住宅)は、以下の表のとおりです。

必要書類には、確定申告書の様式や本人確認書類のほか、住宅ローン控除の適用要件を確認するための書類や控除額の根拠書類などが含まれます。

また、会社員や公務員の場合には源泉徴収票を準備しなければなりません。

なお、中古住宅や増築・改築にかかる必要書類は多少異なる点に注意しましょう。

 

【住宅ローン控除】確定申告の流れ

住宅ローン控除の確定申告について、手続きの流れは以下の4ステップです。

  • ステップ1.必要書類を揃える
  • ステップ2.書類の記入を行う
  • ステップ3.申告書類を提出する
  • ステップ4.還付を受ける

それぞれのステップをくわしく見ていきましょう。

 

1.必要書類を揃える

はじめに、確定申告に必要な書類を揃えなければなりません。

必要書類は前述のとおりです。特に、金融機関から受け取る「住宅ローンの年末残高証明書」などの書類が手元にあるか、早めに確認しておくことをおすすめします。万が一紛失した場合には、再発行の依頼が必要です。

必要書類が揃わないと手続きが進まないため、時間に余裕をもって書類を揃えましょう。

 

2.書類の記入を行う

必要書類を揃えたら、次に書類の記入です。

揃えた書類からわかる金額やそのほかの情報を記入していきます。住宅ローンの年末残高など、桁数が多い項目もあるため、記入ミスがないよう十分注意しましょう。

 

3.申告書類を提出する

申告書類に記入ミスや漏れがないか十分確認した後、税務署への提出を行います。提出期間は例年、申告年の翌年2月16日から3月15日です。この期間内に申告書類を提出しましょう。

なお、提出は郵送や窓口でも行えますが、オンライン上で行えるe-Taxが便利です。

ただし、e-Taxを利用するにはセットアップ(事前準備)が必要なことを押さえておきましょう。

 

4.還付を受ける

手続きが無事に完了し還付金が発生する場合、通常は1〜2ヶ月ほどで振り込まれます。振込先は、確定申告書上で指定(記入)した口座です。

必ず確定申告を行う本人名義の口座を指定しましょう。

 

まとめ:住宅ローン控除の1年目には確定申告が必須|必要書類や手続き方法を理解して正しく申告しよう

この記事では、住宅ローン控除の確定申告について解説しました。

会社員や公務員であっても、住宅ローン控除を受けようとする1年目には確定申告が必須です。また、2年目以降は年末調整で手続きを行うことも併せて覚えておきましょう。

特に、住宅ローン控除の手続きではじめて確定申告を行う場合には、期限内に正しく申告するためにも、この記事を参考にしていただけると幸いです。