人工芝にはどんな種類がある?天然芝との違いやメリット・デメリットをプロが解説

2022年7月29日

庭づくりの際、人工芝と天然芝のどちらを選ぶか迷う方も多いのではないでしょうか。今回は、人工芝の種類やメリット・デメリット、天然芝との違いについて人工芝専門店を経営される森本さんにインタビュー!プロの目線から、人工芝についてくわしく語っていただきました。

 

お話しを伺った方

合同会社KIRAKU代表 森本 純基(もりもと じゅんき)さん

 

人工芝と天然芝の違いは?

人工芝と天然芝、両者にどのような違いがあるのでしょうか。

 

お手入れの有無

ー人工芝と天然芝の違いを教えてください

人工芝はメンテナンスが要らない一方、天然芝は定期的なメンテナンスが必要になることです。

 

ー天然芝のメンテナンスとは?

夏場など天然芝の成長スピードが早い時期は、1週間ごとに芝刈りが必要です。そのほか定期的な水やりなどの管理も行います。

 

価格は人工芝のほうが高い

ー金額面での違いはありますか?

金額面でいうと、導入コストは天然芝より人工芝のほうが高くなり、一般的に天然芝の相場価格は人工芝の10分の1といわれています。

庭づくりで人工芝を検討する際は、両者にかかる費用の違いを確認しておきましょう。

 

人工芝のメリット・デメリット

人工芝を検討する際は、メリット・デメリットを把握しておくことが大切です。人工芝を導入するメリットやデメリット、注意点をお聞きしました。

 

人工芝のメリット

ー人工芝のメリットはなんですか?

先ほど天然芝との違いで挙げた通り、お手入れせずに美しい景観を保てることです。天然芝の場合はどうしても草刈りや雑草の除去などのお手入れが必要になる一方、人工芝はほぼお手入れが不要で、大体10年ほどもつといわれています。

日々の負担が減ることは、大きなメリットといえるでしょう。

 

人工芝のデメリット

ー人工芝のデメリットはなんですか?

天然芝よりコストが高くなってしまうことと、人工物を使っているため直射日光の熱が溜まってしまうことです。夏場は熱が溜まりやすいため、手に触れるとびっくりするくらい熱くなっていることもあります。人工芝の熱さが気になる方は、ホースなどで軽く水を撒いておくとよいでしょう。

 

人工芝の注意点

ー人工芝を導入する際の注意点を教えてください

庭でバーベキューをする際は、火種が当たると人工芝が溶けてしまいます。人工芝の庭でバーベキューをしたい場合は、焼き台部分に防炎シートを張り付けるなど、なんらかの工夫を施す必要があります。

 

ーそのほか注意点はありますか?

ある程度の雨であれば人工芝の底部にある透水穴から雨水を排水できますが、災害級の大雨の場合はどうしても人工芝に雨水が溜まってしまうことです。

注意というよりは人工芝を設置するリスクとして、お客さまに説明しています。

 

人工芝は何でできている?

遠目で見るとまるで本物の芝のように見える人工芝。いったいどのような素材でつくられているのでしょうか。人工芝の素材についてお聞きしました。

 

芝糸とよばれる糸で芝を表現

ー人工芝の素材を教えてください

専門店で販売されている人工芝の芝糸はポリエチレンを、地面に敷設する裏側にはポリプロピレンというプラスチック材をそれぞれ使用しています。一方、ホームセンターで販売されている安価な人工芝はリサイクル素材を使っています。

人工芝の価格に違いが出る理由は、芝糸の素材や質感、密度がそれぞれ異なるためです。人工芝を選ぶ際は価格や手触りなどを確認することが大切です。

 

人工芝にも種類がある!違いはどこ?

一言で人工芝といっても、種類はさまざま。森本さんの運営する専門店では、11種類もの人工芝を取り扱っているといいます。具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

 

芝糸の長さ

ー人工芝の違いを教えてください

一つ目は芝糸の長さです。芝糸が長いものもあれば短くつくられたものもあり、両者で手触りが大きく異なります。

 

ー芝糸が長いと、ふわふわした手触りになるのでしょうか?

そうですね。クッション性が上がるため、安全面で見ると芝糸は長い方がよいでしょう。

 

芝糸の密度

ー芝糸の密度とは?

1つの穴から芝糸が出ている本数にも違いがあり、本数が多いと密度が高くふわふわとした手触りになります。芝糸の密度はリアルな芝生を再現するのに大変重要なポイントです。

 

芝糸の色

ー芝糸の色も、種類ごとに異なるのですか?

そうですね。緑1色ではなく、深い色、明るい色、ナチュラルなテイストのものなど多くのカラーバリエーションがあります。明るい色の人工芝は1年を通してあたたかい印象を与えられる一方、暗い色の人工芝は高級感を演出できます。

理想の庭をイメージしたり、建物の外壁に合わせて色を選んでいくとよいでしょう。

 

人工芝の選び方

人工芝にはさまざまな種類があるため、具体的にどう選べばよいかわからない方も多いのではないでしょうか。

人工芝の選び方について、ポイントをお聞きしました。

 

用途×コストで人工芝を選ぶ

ー人工芝を選ぶときのポイントを教えてください

主にどういった用途で使いたいかを考えながら、予算と照らし合わせて人工芝を選びましょう。庭やドッグランなどといった動きのある場所に人工芝を導入したい場合と、マンションのベランダやオフィスなど、動きの少ない室内に取り付ける場合とでは、おすすめする人工芝はかなり異なります。何を目的として人工芝を導入するのか明確にしておきましょう。

 

ー同じ人工芝でも、価格に差があるのですか?

そうですね。当社の場合は、最安値が1㎡で3800円、最高値が6000円です。芝糸の長さや密度、色の違いから価格に大きな差が出るため、考えられる用途に合致し、予算内に収まる人工芝を選ぶことが大切です。

 

小さな子どもがいる場合は芝糸の長いものを

ー家族みんなが庭で遊べるようなスペースをつくりたい場合、どのような人工芝を取り入れるとよいのでしょうか?

小さな子どもがいる場合は、芝糸の長い人工芝を取り入れるとよいでしょう。クッション性が上がるため、転んだ際に頭を強く打つといった事故を防ぐことができます。

 

スポーツを楽しみたい時は芝糸の短いものを

ー反対に、芝糸の短い人工芝がおすすめなケースは?

スポーツを楽しみたい時は、芝糸が短い人工芝をおすすめしています。芝糸が長いと足元がクッション性が高い分動きにくくなるため、スポーツをする際は邪魔になることもあります。

人工芝を選ぶ際は直接手触りを確認し、用途に合ったものかどうか確認しましょう。

 

人工芝のメンテナンス方法

基本的にお手入れが不要な人工芝ですが、経年劣化は避けられません。人工芝の劣化症状や耐用年数を超えるとどうなるかをお聞きしました。

 

芝が寝てしまったらデッキブラシで逆立てる

ー人工芝のメンテナンス方法を教えてください

基本的に絶対にしなければいけないお手入れというのはありません。景観を保ちたい場合は、芝が寝てしまったらデッキブラシで逆立てておくとよいでしょう。冬場に熱が届かず固まったり、よく踏む場所だと芝が寝てしまい、ぺたんと平らな印象になることもあります。

気になった箇所をデッキブラシで逆立てることで、いつも美しい景観を保てます。

 

耐用年数が経過したら張り替えを

ー人工芝にも寿命というものはあるのでしょうか?

はい。耐用年数の目安は大体10年ほどといわれていますが、人工芝の種類によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

 

ー耐用年数を超えると人工芝はどうなりますか?

紫外線や直射日光の影響で色落ちしたり、動きのある部分は芝糸が擦れ落ちて抜けてしまったりといった症状が見られます。人工芝の色落ちについては、本人が毎日見ているものですのでなかなか気づかない方が多い印象です。

耐用年数が過ぎたら、一度メンテナンスを行うとよいでしょう。

 

人工芝を導入する際に大切なこと

お手入れが簡単である一方、初期費用がどうしてもかかってしまう人工芝。用途や費用感を確認しながら検討することが大切です。

人工芝を導入する際に考えるべきことをお聞きしました。

 

庭づくりにかけられるお金を知る

ー人工芝を導入する際に考えるべきことはなんですか?

庭づくりにかけられるお金と、人工芝にかかるお金を照らし合わせて考えておくことです。人工芝はメンテナンスフリーというメリットがある分、どうしても初期費用が天然芝よりも高くなってしまいます。庭づくりにかけるお金が曖昧なまま人工芝を導入すると、思っていた以上に費用がかさんでしまったというケースもしばしば見られます。

また、人工芝と一言でいってもかなり価格に差があるため、費用を重視するか景観・用途を重視するかは事前に決めておくとよいでしょう。家族に合ったものを選べるよう、庭づくりに対しても家族で話し合うことが大切です。

 

まとめ

今回は、人工芝の種類や選び方を解説していただきました!人工芝と天然芝の違いや人工芝のメリット・デメリットなどをプロの目線から学べましたね。

家族で過ごしやすい庭をつくるには、庭づくりにかける予算を明確にすることが大切です。どのような用途で使いたいか家族で話しあいながら、使い勝手のよい庭をつくっていきましょう!

 

会社名 合同会社KIRAKU
代表取締役社長 森本純基
所在地 熊本県熊本市北区清水万石4-8-5
電話番号 096-200-3348
事業内容 人工芝販売・施工事業 / 外構全般 / エクステリア全般
公式サイト https://kiraku-plusgreen.com/