1,000万の家の間取りは?安価に住宅を取得するポイントと注意点

2022年9月8日

家の取得を考えている人の中には、「間取り次第で1,000万の家を建てることは可能?」「1,000万の家って実際どうなんだろう?」というように、1,000万で家を建てられるかどうか気になる方も多いのではないでしょうか。家は人生に一度の高い買い物といわれますが、できる限りコストを抑えて理想的な家を建てたい方も多いでしょう。

実際に1,000万で家が建つかどうかは、土地の有無やどのような設備・間取りにするかにも関係します。また、注文住宅ではなく建売住宅を選ぶのも一つの手です。注文住宅であれば、間取りや外観などを工夫すれば住宅取得費用を抑えられます。

この記事では、コストを抑えて1,000万円で家を建てられるのか、また費用を抑える家の間取りなどをくわしく解説します。家の取得を考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

1,000万円台で家は建てられる?

「家は人生で最も大きな買い物」と言われるほど、家を建てるには大きな費用がかかります。そのため、できる限り家づくりにかける費用を抑えたいという人も多いでしょう。
ここでは、1,000万円以下で住宅を建てられるのか、くわしく解説します。

 

1,000万の家を建てられる?費用相場はどのくらい?

国土交通省の調査によると、令和4年度の新築注文住宅の全国平均価格は3,866万円となっています。1,000万円とはかなり差があると分かりますね。なお、3,866万円の数字は住宅の建築費用のみの平均金額となっています。2023年ごろから資材の高騰が進んだため、平均金額も高くなっています。

 

1,000万円台で住宅を建てるのは可能

価格が高騰して高止まりになっている現在、1,000万円ぴったりや1,000万円以下で家を建てることはなかなか難しいといえます。しかし、1,000万円台で家を建てることは可能です。また建売住宅の場合は1,000万円台でも比較的安価に手に入ることもあるでしょう。注文住宅の場合は、ローコスト住宅メーカーなどでの施工がよいでしょう。

上記のように1,000万円台でも原則家をつくることは可能ですが、安価で家を建てるとなると建物の形や間取りも制限されてしまいます。そのため、家の快適さや自由度に高望みはできない点に注意が必要です。

とはいえ、ローコスト住宅だからといって「家の質が落ちる」「欠陥住宅の可能性がある」といったことはありません。「シンプルな間取りの家がいい」「時間をかけずに家を取得したい」「間取りは〇〇の場所さえ確保してあれば問題ない」といったようにあまりこだわりのない人であれば、1,000万円以下の家でも問題ないでしょう。

 

家の取得・購入にかかる費用

家を安価に建てたい場合、何にどのくらい費用がかかるのかきちんと把握しておくことが大切です。どの部分に予算を多くかけるのか、間取りや設備はどの部分を妥協できるのかなどは、家族で決めておくとよいでしょう。ここでは、家の建築にかかる費用の内訳をご紹介します。

 

土地代

所有している土地に家を建てる場合は土地代がかかりません。よって、1,000万円すべてを家の建築費用に充てられます。一方で土地を持っていない場合、土地購入費用がかかります。土地代は、立地がとくに重要。地方や田舎のほうであれば比較的安価に土地が手に入る一方、都市部の場合1,000万円では足りないくらい多くの土地費用が必要なケースも多くあります。立地に加えて土地の広さや周辺環境、安全面、交通の利便性など、さまざまな要因によって価格が変動します。

いま住んでいるエリアから離れた場所に家を建てる際は、実際に候補の土地を見に行くことで周辺環境や暮らしたときのイメージをするとよいでしょう。土地の広さや形状によって可能な間取りも多く変わってくるため、家を建てる際につくりたい間取りのことも考慮しながら家づくりを行うことが大切です。

また長く安全に住み続けるためにも、災害リスクを調べておきましょう。いくら安価な土地で1,000万円内に収まる家が出来ても、災害リスクが高いエリアではいざという時に不十分なことも。とくに近年では「1,000年に1度の水害」なども多く起こっているため、環境変動リスクに脅かされることも。災害リスクは以下のハザードマップで確認できるため、1,000万の家を検討している場合は土地探しと合わせて、災害リスクも確認していきましょう。

(参考:ハザードマップポータルサイト

 

建築費

建築費は、家自体を建てる費用です。土地を持っている場合、1,000万円のすべてをこの建築費に充てられます。建築費は土地代と違い、間取りや住宅の性能・設備などによって価格が大きく変動する点が特徴です。またハウスメーカーや地元の工務店など、施工会社によっても価格は変わるため、住宅会社選びも重要です。

建築費を安く抑えて家を建てるためには、複数の施工会社から見積もりを取るのがおすすめ。その際は間取りや設備など、自分の希望がどの程度叶えられそうかも確認することをおすすめします。

 

外構工事費

外構工事費用は、塀や門・庭・アプローチ・車庫など、家の建物周りにおける工事費用を指します。外構は家の第一印象を決める要素でもあります。外構工事の費用は施工場所によっても異なりますが、玄関アプローチで20〜50万円、ウッドデッキで15〜30万円、カーポートで30〜55万円などが目安です。

1か所あたりの工事費用がそれほど高くなくても、施工箇所が多いほど想像以上の金額になる可能性があるため注意しましょう。

 

その他の家づくりにかける費用

上記以外にも、電気・ガス・水道の引き込み工事費用や、登記費用、住宅ローン借入費用など、家の取得には細かな費用がかかります。家に配置するインテリアも購入する場合、購入費用もかかるためトータルで計算すると1,000万円を超えてしまうこともあるでしょう。家づくりにかけるその他の費用にいくらかけられるのかも計算したうえで、家づくりの計画を進めるのがおすすめです。

土地代や建築費用、外構工事費用と比べるとかかる費用は多くありません。しかし、現金一括払いが必要な場合もある点に注意しましょう。また入居に際して家具や家電を購入する場合は、どのくらい費用がかかるか、きちんと予算を立てましょう。

 

1,000万円台で注文住宅を建てる5つのポイント

1,000万円台で家を建てるためには、家づくりにおける費用を抑えるポイントについて知っておくことが大切。家づくりにかける費用を少しでも抑えられれば、浮いたお金を入居時の家具や家電に買い換える際にも役立ちます。ここでご紹介する5つのポイントを押さえておきましょう。

 

1,000万の家を建てるポイント①デザインや外観をシンプルにする

家の形や間取りが複雑な場合、建築費用もその分多くかかります。複雑な設計であるほど工事にかける人や工期が長くなるため家づくりにおける人件費がかかるうえ、家の外壁やコーナー部分が増えるほど材料費もかかってしまうためです。家の形はできる限りシンプルな長方形や正方形にするほか、なるべく壁や廊下をなくしてシンプルな間取りをつくることで、家の建築費用を削減できます。

加えて間取りは部屋やドアの数を減らしたり、収納スペースをひとつにまとめたりするのもおすすめ。家の建築費用を抑えることが可能です。

 

1,000万の家を建てるポイント②延床面積を減らす

建物各階の床面積の合計である「延床面積」を減らすことで家の建築費用を抑えられます。延床面積が少なくなれば、基礎や屋根、外観がすべて小さくなるため、家の建築費用を減らせます。また1階と2階の床面積が同じ場合は、「総2階建て」にするのもよいでしょう。総2階建てとは、1階と2階がほぼ同じ形状の家のことです。総2階建ては建物の表面積に無駄がなく、施工手間や材料費も最小限に抑えられるというコストパフォーマンスの良さが魅力です。

もし平屋を十分に建てられる土地がある場合は、平屋にするとより家の建築費用を抑えられます。階段を取りつけないため、2階を施工する足場の設置なども不要となるからです。

 

1,000万の家を建てるポイント③水回りをまとめる

トイレやキッチン、お風呂などの水回り設備が離れていると、配水管が複雑になってしまうため、家の建築費用が高くなります。水回り設備をできる限り近くにまとめることで、コストダウンを図ることが可能です。

 

1,000万の家を建てるポイント④設備のグレードを抑える

住宅設備には、照明・インターホン・キッチン・浴室など、さまざまな種類があります。これら一つひとつの設備のグレードを抑えることも、コストダウンの大切なポイントです。キ

 

1,000万の家を建てるポイント⑤優先順位を決める

こだわりたい部分と妥協できる部分など、優先順位をつけるのもおすすめです。家を建てるとなると、「断熱材を入れたい」「広い庭が欲しい」など、さまざまな要望が出てくるでしょう。

しかし、1,000万円台で家を建てるのであれば、希望する条件をすべて揃えるのは非常に困難です。優先順位をつけることで、こだわりたい部分は予算を上げ、優先順位の低い部分はグレードを下げるなど、予算配分がしやすくなります。

 

1,000万円台で注文住宅を建てる際の注意点

家の費用を安く抑えるのに越したことはありませんが、費用を多くかけない分、さまざまな制限があるため注意しましょう。ここでは、1,000万円台で注文住宅を建てる際の注意点を3つご紹介します。

 

快適な住宅環境として満足できない可能性がある

間取りの動線や設備など、費用を抑えたことで、住んでから不便に感じる場合があります。たとえば、間取りを節約するために部屋数を減らすとその分子どもが増えた際に窮屈に感じるかもしれません。一度家を建てると、部屋の数を増やしたり間取りを変更したりするのは厳しくなります。子ども部屋に迷う場合は将来間仕切りにするなどといった対策を行いましょう。

またキッチン設備も、グレードを下げたことで料理しにくく感じる可能性もあるでしょう。設備の交換費用も決して安くはないため、後悔しないように慎重にプランを立てる必要があります。

 

維持費やメンテナンス費用が多くかかる

ローコスト住宅だからといって欠陥住宅になるわけではありませんが、建築資材や施工方法も制限されることで劣化速度が早くなる可能性もあります。劣化が早くなれば、リフォームや設備の交換など、メンテナンス費用が多くかかります。また材質の質感や装飾にも高望みできません。

ローコスト住宅ではメンテナンス面のサービスも少ない可能性があり、定期的に家の様子をチェックしてもらう必要も出てくるでしょう。

 

耐火性や耐震性には最低限こだわる

いくら1,000万円の家を建てたいとはいえ、最低限の耐火性や耐震性にはこだわるようにしましょう。せっかく家を建てたのに、性能にまったくこだわらなくいざ災害が起きた際に家が壊れてしまった…というリスクも視野に入れて、家の性能を確認しましょう。

 

まとめ:ポイントを押さえてかしこく1,000万円台の家を取得しよう!

1,000万円台で家を建てることは可能です。しかし、コストを抑えることで住宅の外観や間取りなど、ある程度制限される点に注意しましょう。また予算内でスムーズに家を取得できるように、どの部分にこだわるのか優先順位をつけることをおすすめします。

この記事でご紹介した家を安く抑えるポイントを参考に、理想的なマイホームを取得してみてください。