家事動線のよい間取りって?実例と共にご紹介!

2022年9月14日

家づくりの際しばしば耳にする「家事動線」とは、料理・洗濯・掃除などの家事を行う際に使う動線のこと。家事動線を意識して間取りを決めることで、使い勝手のよい住宅に仕上がります。

今回は、快適な家事動線を意識した間取りの住宅をご紹介!家事動線の種類や家事を楽にするひと工夫などを実例と共に解説します。

 

家事動線のよい間取りとは?4つの動線に注目

家事動線のよい間取りとはどのようなものなのでしょうか。一言で家事動線といっても、細かな動線の種類はさまざま。

家事動線の種類や特徴をご紹介します。

 

①洗濯動線

洗濯動線とは、洗濯の際に用いられる家事動線のことです。洗濯は一般的に「洗う→干す→たたむ→しまう」の4ステップとなっており、それぞれの工程に用いる部屋の位置がかなり重要になります。

洗濯機置き場のある洗面所から物干しスペースまでの距離が遠い場合、洗濯済みの衣類を運ぶのは面倒ですよね。洗濯の4ステップで使う部屋の距離をそれぞれ遠く設定すると、1つ1つの工程において長く移動する必要があるためより家事の負担が重くなってしまいます。

 

②買い物動線

玄関からキッチンの距離が遠い場合、買ったものをキッチンまで運ぶのは面倒ですよね。キッチン近くに勝手口を設けておくと、買い物帰りにそのままキッチンへ入れる買い物動線を確立できます。

 

③掃除動線

掃除動線は使い勝手をよくするだけでなく、生活感を隠すためにも欠かせない動線です。

2階に掃除機を収納する場合、1階のLDK(リビング・ダイニング・キッチン)を掃除するのは面倒ですよね。またルンバを設置する家庭が多くなってきた一方、ルンバを充電する場所がなくリビングにルンバが置きっぱなしというケースもあります。

自分が使用する掃除ツールによって適切な動線も変化するため、家族のライフスタイルに合った掃除動線の間取りをつくることが大切です。

 

④回遊動線

家事動線をよくするには、家の中をぐるぐる回れる動線にするのがよいでしょう。洗面所とお風呂・物干しスペースと収納スペース・勝手口とパントリーなど、各部屋との動線が途切れないよう回遊性のある動線にすると、家事の効率がさらによくなります。

回遊動線は家事だけでなく、暮らしやすさにも直結する部分です。間取りを考える際は回遊性を意識するとよいでしょう。

 

家事動線の間取りを意識した住宅とは?

今回は、家事動線の間取りを意識した平屋住宅に密着。すっきりと見せる収納のコツや効果的な洗濯動線の間取りなどを解説していきます。

 

動画はこちら

 

収納力も抜群な広々玄関

玄関は家の顔ともいえるスペースであるため、こだわりたい部分ですよね。広さだけでなく収納力も意識した玄関スペースのつくり方を見ていきましょう。

 

広い玄関ポーチ

玄関ポーチは広めに設定し、雨の日も使い勝手のよい玄関になっています。軒(のき)も広めに取られているため、暑い夏は日差しを防ぐ点もメリットのひとつです。

玄関ポーチはグレーのタイルにすることで、高級感もアップ。おしゃれさと機能性を兼ね備えた玄関となっています。

 

中が見えないおしゃれな収納

玄関に入ると、扉のないオープン型のシューズクロークがお出迎え。扉がないシューズクロークは生活感を与えやすいというデメリットがある反面、土間スペースを広く使えるというメリットもあります。

靴専用ボックスや小物を収納するボックスは、中に入っている物が見えないため大変便利。靴だけでなく折り畳み傘やちょっとしたアウトドア用品なども収納できるため、使い勝手のよいシューズクロークに仕上がっています。

 

開放感と中2階が素敵なリビング

リビングは家族で過ごす時間が多いスペースとなるため、家族みんながゆったりできるスペースにしたいもの。家族がくつろげるひと工夫をご紹介します。

 

奥行のある広々リビング

リビングは奥行きを広くとり、ブラウンを基調とした落ち着いた雰囲気に。リビングの奥にダイニング、キッチンと縦に長く配置することで広々とした空間を演出しています。

 

蔵収納が付いた中2階

リビングには子どもが遊べる中2階を設置しています。実はリビングにキッズスペースを設けるのも、家事動線における工夫のひとつ。

子どもを一人で遊ばせるのは不安という時も、リビングと直結の部屋にキッズスペースがあれば安心です。ちょっとしたお昼寝スペースとしても活用できるため、わざわざ子ども部屋へ連れていく手間も省けますよね。

 

リビング横に大きなタイルデッキを

リビングの横には大きなタイルデッキを設置し、バーベキューなど外遊びができるスペースにしています。タイルデッキはウッドデッキと比べてお手入れが簡単であるため、掃除の負担も軽減できます。

 

家族みんなで使えるキッチン

コロナ禍を通して家族みんなで家にいるようになった昨今、複数人でキッチンを使う機会が増えた方も多いのでは。家族みんなが使いやすいキッチンにするにはどうすればよいのでしょうか。

 

家族で使えるよう広い幅をとったキッチン

キッチンの幅は人が2人以上通れるよう余裕のある広さにし、複数人で調理できるよう工夫しています。キッチンの幅は意外と見落としがちなポイントですが、細かい点にも目を向けることでより使い勝手のよいキッチンに仕上がります。

 

パントリーは電源付きにして使いやすく

キッチンの後ろのカップボードにはあえて物を置かず、キッチン奥のパントリーに電子レンジやポットなどを収納している点もポイント。パントリーはあえてコンセント穴を付けておくことで、食料品だけでなく家電も置けるスペースになります。

調理家電はどうしても生活感が出てしまう一方、パントリーを活用して見えない場所に配置すると、生活感を与えないキッチンに仕上がります。

 

回遊性のあるランドリールームと脱衣室

脱衣室やランドリールームなどの水回りスペースは洗濯動線を意識して間取りをつくることが大切です。

回遊性のあるランドリールーム・脱衣所づくりのコツをご紹介します。

 

ランドリールームで洗濯動線を確立

ランドリールームには大きな掃き出し窓を設置し、洗濯が終わったらすぐに外干しできるよう洗濯動線を確保しています。大きな掃き出し窓で自然光を多く取り込むことができ、風も多りやすい点が大きな特徴です。

勝手口としても活用できるため、買い物動線としての役割も果たしています。

 

ランドリールームとつながる脱衣室

ランドリールームと脱衣所は扉を挟んでつながっているため、脱いだ衣類をすぐに洗濯機へ入れることもできます。脱衣所には棚も設置し、洗濯が終わった衣類を収納することも可能に。

「脱ぐ→洗う→干す→しまう」という洗濯動線がすべて直線で終わるため、使い勝手のよい家事動線の間取りとなっています。

 

まとめ

今回は家事動線にこだわった平屋住宅をご紹介しました!効果的な洗濯動線や買い物動線、収納のコツなどを学べましたね。

家事動線を意識して家づくりを進めることで、使い勝手のよさが続く住宅に仕上がります。家事動線や回遊性などを意識しながら、便利で快適な住宅をつくっていきましょう!