屋根塗装は必要?工程やメンテナンスの時期もご紹介
美しい外観を保ったり、室内の環境を守るために必要となる塗装。今回は、屋根塗装の工程やメンテナンス時期について解説します。
外壁塗装との違いや耐用年数、屋根材ごとのメンテナンス時期などを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。
屋根塗装って必要なの?
そもそも屋根塗装は必要なのでしょうか。屋根塗装の必要性について解説します。
見えないからこそメンテナンスが大切
屋根塗装は外壁よりも目に見えない場所となるため、劣化に気づきにくいケースが多いといわれています。屋根は直射日光や雨風の影響を受けやすく、劣化しにくい場所。外壁よりも傷みやすいため、定期的なメンテナンスが大切になります。
屋根塗装のタイミングは建材や塗料によって異なる
屋根塗装のタイミングは、用いる屋根材や塗料、住宅環境によっても異なります。自宅で使用している屋根材を確認し、効果的なメンテナンス時期を把握しましょう。
屋根塗装の工程
屋根塗装の工程にはどのようなものがあるのでしょうか。屋根の洗浄から実際に塗料を塗るまでの工程をご紹介します。
①足場を設置する
屋根塗装に必要な「足場」を設置します。「足場」とは、屋根や壁を修理する際に使用する鉄筋のこと。住宅全体を鉄筋で囲ってメッシュシートを設置することで、屋根の塗装作業を行いやすくするほか、塗料が飛散しにくいようになっています。
足場を設置する際は、どこまで取り付けられるかをチェックしましょう。駐車場にまで足場が設置されてしまい、車を入庫できないこともあるためです。
②洗浄
屋根に付着した錆びや苔、そのほかの汚れを高圧洗浄で洗い流します。洗浄から屋根塗装の完了までは、衣類を外干ししないよう注意しましょう。
洗浄の日は水が飛んでしまうほか、塗装の工程でも塗料が衣類に飛んでしまうことも十分に考えられます。屋根塗装が終了するまでは、部屋干しで済ますことをおすすめします。
③下地調整
屋根にひび割れがあった場合は、コーキング材で補修します。ひび割れがある状態で塗装してしまうと、塗料の密着性が損なわれるためです。
あまりにひび割れが激しい場合は、屋根を差し替えることもあります。
④養生
養生とは、ビニールや布などを用いて飛び散った塗料が付着するのを防ぐ工程のこと。窓のサッシやベランダなどを養生作業で保護することで、住宅の美観を保てます。
基本的に養生した窓は開閉できません。どうしても開閉したい窓があったら、早めに業者の方へ確認するとよいでしょう。
⑤下塗り
屋根塗装は一般的に下塗り、中塗り、上塗りの3回に分けられます。下塗りして細かなひび割れを補修することで、中塗り・上塗りを経ても色ムラのない仕上がりとなります。
下塗りで用いる塗料は、自宅で使用している屋根材ごとに異なるため注意しましょう。
⑥中塗り・上塗り
中塗り・上塗りでは同じ塗料を塗り重ねます。重ねて塗ることで屋根に厚みや艶が生まれ、耐久性も上げられる効果があるためです。
中塗りの後はすぐに上塗りできるわけではなく、塗料ごとに適切な乾燥期間が設けられています。自分が使う塗料の乾燥期間はいつなのか、業者の方に確認するとよいでしょう。
屋根塗装に要する日数は1週間前後
屋根塗装に必要な日数は、5~8日程度といわれています。屋根の状態や何人ほどの業者の方が作業に当たるかなどでも必要な日数は変わってくるため、あらかじめどの程度の日数が必要になるのか確認しましょう。
屋根材ごとに耐用年数は違う!?メンテナンス時期の目安とは
屋根塗装と一言でいっても、使う屋根材ごとに耐用年数は異なります。どのような屋根材を使うかによってメンテナンスの時期も変わってくるため、自宅の屋根材を確認しましょう。
日本瓦
日本瓦は強度が高く、ほかの屋根材よりも耐久性に優れているため屋根塗装は必要ありません。
日本瓦の耐用年数は50~100年といわれており、基本的に定期的なメンテナンスは必要ありません。しかし、瓦の一部が割れていたり欠けていたりといったこともあるため、台風や大雨に備える際などに瓦部分を確認しておくとよいでしょう。
セメント瓦
セメント瓦とは、セメントと砂を混ぜ
てつくられた屋根材のこと。表面の防水性や耐久性が低いため、塗料で表面を保護する必要があります。
セメント瓦の耐用年数は10年といわれているため、10年前後でメンテナンスをするのがおすすめです。
スレート
スレート屋根は安価で施工性に優れているため、最近人気の建材となっています。スレートもセメント瓦と同様、表面の防水性を補強するために屋根塗装を行う必要があります。
スレート屋根の耐用年数は7~12年となっているため、10年前後でメンテナンスしておきましょう。
ガルバリウム
ガルバリウム屋根とは、金属系屋根の代表格としてしばしば用いられます。ガルバリウム屋根は軽量で耐久性が高いため、定期的に塗料の塗り替えをすることで比較的長い期間、美観を保つことが可能です。
ガルバリウム屋根は10年を目安に塗料の塗り替え、20年ほど経った段階で葺き替えをするのがよいでしょう。
屋根塗装に使用する塗料とは?耐用年数の目安
屋根塗装に必要な塗料は、種類ごとに耐用年数も大きく異なります。屋根塗装で用いられる塗料の一例をご紹介します。
ウレタン
ウレタン塗料とは、ウレタン系樹脂を主成分とした塗料のこと。高級感のある光沢を出すほか、厚く塗ることで屋根の塗料としてもよく使用されます。
ウレタン塗料は柔らかく扱いやすい塗料となるため、ひび割れしにくくなることがメリット。DIYの塗料としても有効です。
ウレタン塗料を扱うデメリットは、耐久性が低いこと。ウレタン塗料は耐用年数が6~8年ほどとなっており、塗料の耐用年数として平均的な値である10年を下回っています。ウレタン塗料を用いる際は、こまめなメンテナンスを心がけることが大切です。
フッ素
フッ素塗料とは、蛍石(ほたるいし)を原料としたフッ素樹脂を用いた塗料のこと。東京スカイツリーなどの大きな建物やビル、一般住宅の屋根などに使われています。
フッ素塗料は紫外線や雨水に強く、高い耐久性を誇ることがメリット。光沢に関しても、築年数が経過しても維持しやすいため、住宅の美観を保つことができます。
フッ素塗料のデメリットは、ほかの塗料よりもコストがかかることです。高耐久の高価な素材となるため、通常の塗料よりもどうしても単価が高くなります。
シリコン
シリコン塗装とは、シリコン系やアクリルシリコン系の樹脂素材を用いた塗料のこと。汚れがつきにくく高耐久であり、カラーバリエーションが豊富です。比較的安価な塗料となるため、できるだけ価格を押さえたいという方にも向いています。
シリコン塗料は上記のようなメリットがある一方、ひび割れしやすいという点がデメリットといえます。
無機塗料
無機塗料とは、ガラスや鉱石など炭素を含まない無機物によってつくられた塗料を指します。無機物は、紫外線を通さないため劣化しにくい点が特徴。耐用年数も20年超と長く、近年注目されている塗料です。
無機塗料は新しい塗料であるため、施工できる知識や経験を持つ職人がまだ少ないといわれています。施工を希望する際は、無機塗料の使用が可能な業者を探す必要があるでしょう。
まとめ
今回は、屋根塗装の工程や屋根塗料ごとの耐用年数などをご紹介しました!塗装は外観の美しさを保つだけでなく、快適な生活空間をつくるためにも必要です。
自宅の屋根素材を確認しながら、定期的なメンテナンスを心がけていきましょう!
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