おしゃれな二世帯住宅を建てるには?間取りのつくり方をご紹介!

2023年1月29日

親世帯と子・孫世帯で暮らす二世帯住宅。おしゃれな二世帯住宅にしたい場合、どのような点に注意して家づくりを進めるのがよいのでしょうか。

今回ご紹介する住宅は、親世帯と子・孫世帯合わせて4人で同居する予定の二世帯住宅。間取りや動線を工夫することで快適に過ごせる空間を実現しています。

 

目次 非表示

そもそも二世帯住宅の間取りタイプって?

一言で二世帯住宅といっても、完全分離型・部分同居型・完全同居型といった3種類の間取りタイプがあります。家族構成やライフスタイル、予算によって選ぶ間取りタイプは変わるため、自分に合った間取りタイプを選ぶことが大切です。

ここでは、二世帯住宅の間取りタイプについて解説していきます!

 

完全分離型

完全分離型の二世帯住宅とは、同じ敷地内に親世代の家と子世代の家の2つが建っている住宅を指します。プライバシーが保てるというメリットがある一方、すべての住宅設備を2つ用意する必要があるため金額面での負担が大きいことがデメリットといえるでしょう。

 

部分同居型

玄関部分やキッチン・浴室部分など、住宅内の一部が2世帯で共用となる間取りタイプを指します。完全分離型の二世帯住宅よりも建築費用は安くなり、プライバシーも保てる点がメリットです。

同じ住宅内で2世帯が同居するため、住宅設備は分かれていてもある程度の配慮は必要です。たとえば1階にある親世帯の部屋の真上に子ども部屋をつくってしまうと、足音がうるさいというケースも考えられます。ライフスタイルは世帯ごとに違ったとしても、同じ空間内で暮らす家族ということを忘れないようにしましょう。

 

完全同居型

すべての住宅設備を2世帯で使用する二世帯住宅を指します。建築費用を安く押さえられることがメリットとして挙げられる一方、プライバシーに配慮した間取りをつくることが大切です。

 

おしゃれで快適な二世帯住宅を建てるポイント

せっかく家を建てるなら家族の要望が叶うデザインや間取りにしたいもの。ただ、二世帯住宅の場合はある程度親世帯の意向も組み込む必要があるでしょう。

ここでは、上手におしゃれな二世帯住宅をつくるポイントについて解説します。

 

完全分離型であれば自由なデザイン・間取りにできる

同じ敷地内に子世帯と親世帯の住宅がある「完全分離型」二世帯住宅の場合、間取りやデザインはほぼ自分たちの意見をそのまま反映できるでしょう。「部分共有型」や「完全同居型」の二世帯住宅ではどのような間取り、デザインにするかなどで親世帯と悩むことも多い一方、「完全分離型」二世帯住宅であれば居住空間が完全に独立しているため家族の意見を反映しやすいのです。

 

平屋であれば間取りは特に意識する

二世帯住宅は親世帯のライフスタイルを考慮し、平屋にする方も多いのではないでしょうか。平屋は階段がなくバリアフリーである一方、プライバシーを確保しにくいというデメリットも。

親世帯の寝室とLDKを離れた場所に配置したり、LDKを通らずに親世帯の部屋にそのまま入れる動線など、プライバシーの確保に配慮しながら間取りを考えることが大切です。

 

おしゃれさ×機能性を確立したおしゃれな二世帯住宅をご紹介!

今回は間取りづくりにこだわった2階建ての完全同居型二世帯住宅をご紹介。親世帯の安全に配慮した間取りづくりだけでなく、おしゃれさも兼ね備えた二世帯住宅のつくり方を解説します。

 

今回の動画はこちら

 

 

今回の間取りはこちら


 

おしゃれさと快適さを両立させた玄関

家の顔ともいえる外観や玄関は、こだわりを詰め込みながらも快適さを兼ね備えた場所にしたいですよね。配色の工夫や、玄関にベンチを造作するなど家を建てた後の「暮らし」に着目した家づくりをすることで、おしゃれさと機能性を兼ね備えた二世帯住宅が実現します。

外観と玄関づくりのコツを抑えたおしゃれな二世帯住宅を見ていきましょう。

 

外観は木のぬくもりを演出

外観は紺色をベースに「ウィルウォール」とよばれる木材の外壁材を使用。木のぬくもりを感じられる外観に仕上がっています。

ドア部分には外壁より深い色の木材を用いてメリハリをつけている点も特徴です。木材をふんだんに使いながらも締め色をうまく使い、シックな雰囲気のおしゃれな二世帯住宅に仕上がっています。

 

おしゃれな丸窓

外壁にはおしゃれな丸窓を設置し、より上品な印象に。外観のちょっとしたワンポイントになり、おしゃれな雰囲気を醸し出しています。

 

ドアは引き戸にし、将来的にはスロープも?

玄関ドアは引き戸にしている点もポイント。引き戸にすることでドアを開け閉めする際の動きが減り、車椅子も簡単に搬入できます。

玄関アプローチには左側に横壁をつくり、右側にはあえて壁を外しているのも特徴です。あえて右側には壁をなくし、将来的にスロープも設置できるよう配慮されています。

 

土間スペースにはベンチを造作

土間スペースにはベンチを造作し、買い物袋を置いたり靴を簡単に着脱できるスペースにしているのも二世帯住宅ならではのポイント。またベンチの隙間には空間を設け、物を収納できるようにしています。靴ベラなど、玄関にあると便利なちょっとしたものを置けるため、大変便利なスペースになっていますね。

 

シューズクロークは可動棚

シューズクロークは可動棚にし、そのまま家の中に入れる動線に。可動棚にすることで、靴や部活の道具、アウトドア用品などを大きさに合わせて収納できます。

 

開放感たっぷりのリビング

家族みんなが集まるリビングを広々としたスペースにすることで、よりリラックスできる空間になります。開放感のあるリビングのつくり方をご紹介します。

 

段下げ+吹き抜けで空間を広く

リビングには段差をつくり、天井は吹き抜けにして広々とした空間を演出しています。リビングの段下げスペースには空間を設け、物を収納できるようにしている点もポイント。

家族みんなが集まるリビングはどうしても物が増えてしまいがちですが、収納スペースをあらかじめつくっておくことで、リビングがすっきりとしたおしゃれな二世帯住宅に仕上がります。

 

使い勝手のよいキッチンの決め手はパントリー⁉つくり方のコツをご紹介

調味料や家電製品、食料品のストックなど、何かと物が多いキッチン。収納スペースのつくり方を工夫することで使い勝手のよいキッチンになります。

今回は食料品をストックするパントリーの使い方に注目。より効果的に収納できるパントリーのつくり方をご紹介します。

 

2段に分かれてマルチに使えるように

パントリーは先ほどのシューズクロークと同様、可動棚にして2列に分かれているのがポイント。片方は上側に寄せてウォーターサーバーや冷凍庫を置いたりするなど使い道が広がります。

 

必見!洗濯動線のコツ

毎日のルーティン作業である家事は、できるだけ負担を減らして時短で済ませたいもの。家事動線を意識して家づくりをすることで、住み心地のよい住宅になります。洗濯動線のつくり方をご紹介します。

 

ランドリールームは大きめのスロップシンクを

ランドリールームにはスロップシンクを設け、下洗いをしてそのまま洗濯機に入れられる動線にしています。スロップシンクとは、通常よりも底が深く、大きく作られている洗面台のこと。シンクが広いため服や靴が洗いやすいだけでなく、泥や吐しゃ物など洗面台で洗うことに抵抗のある服や靴などを簡単に洗えます。

 

ランドリールームとつながる洗面所

ランドリールームと洗面所をつなげ、服を脱いでそのまま洗濯機に入れられる動線に。洗面台は棚のスペースを広くとり、身支度などの準備ができるように工夫されています。

 

ファミリークロークを設置して洗濯動線を確保

ランドリールームで洗濯し、干したものをそのままファミリークロークに収納できる洗濯動線をつくっているのもポイント。ファミリークロークに通じるドアもあえて外すことで、扉の開け閉めが必要ありません。

動線をしっかりつくっておくことで、ちょっとした家事のストレスを軽減できます。

 

2世帯ならではの配慮!あえてドアをつけないヒミツ

玄関から入って左に行くとリビング、まっすぐ行くと水回りにつながる間取りですが、注目すべきはリビングにつながる道に扉が付いていないこと。リビングの熱が逃げてしまい、寒くなるのでは?と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。

二世帯住宅ならではの家づくりのコツをご紹介します!

 

リビングの熱を廊下に逃がしてヒートショックを防止

リビングと廊下の間に扉を付けずにあえて熱を逃がし、ヒートショックを防ぐ二世帯住宅になっています。ヒートショックとは、急激な温度変化によって脈拍や血圧が変動すること。お年寄りの方を中心にダメージを受けやすく、最悪の場合死に至ることもあるといわれています。

各部屋と廊下の気温を一定に保つことでヒートショックを予防し、お年寄りの方も安心して過ごせる二世帯に仕上がっています。

 

同居する義母の異変にすぐ気づける

リビングと廊下の間に扉を付けない二世帯住宅にすることで、同居する義母の異変に気づけるようにしています。義母の部屋をあえてリビング向かいの部屋にし、何かあった際もすぐに音が聞こえてくる環境にすることが大切です。

 

配慮あふれる義母の部屋とは?つくり方のコツをご紹介

二世帯住宅の家づくりで意外と大変なのが距離感の取り方。同居する場合であれば、キッチンやお風呂などの共用スペースの使い方に悩む方も多いのではないでしょうか。

親世代と子・孫世帯、どちらも楽しく暮らせる家づくりのコツをご紹介します。

 

キッチンを設置して生活がひと部屋で完結

義母の部屋にはキッチンを併設し、ひと部屋で最低限の衣食住を確保できるようにしています。とくにキッチンは、義母と嫁が取り合ってしあうこともしばしば。キッチンを2つ設置することで過度に気を遣わず生活できる二世帯住宅になっています。

 

東側に大きな掃き出し窓を設置

東側に大きな掃き出し窓を設置し、室内に朝日を多く取り込めるつくりにしています。掃き出し窓の外側にはウッドデッキを設置し、将来は縁側のように日向ぼっこができる空間に。義母の生活スタイルを考慮した素敵な部屋に仕上がっています。

 

客間動線と家事動線を完備した1階のヒミツ

適切な動線の確保は、快適な住宅をつくる鍵。親世帯と子世帯の距離感に配慮した動線や、生活空間にお客さんを入れない客間動線など間取りや動線を工夫することで過ごしやすい二世帯住宅になります。

二世帯住宅ならではの動線づくりを見ていきましょう。

 

使い勝手のよい和室

和室には丸窓を設置し、上品な雰囲気に。和室は義父母の部屋に隣接されており、義母の部屋としても客間としても使える空間になっています。

和室の扉は玄関につながることで、玄関から帰ってきたらそのまま義母の部屋に直行できる間取りに。親世代と子・孫世帯との距離感を保っています。

 

動線に優れた1階

最大の特徴は、優れた動線の数々。洗濯して干したものをそのまま収納できる洗濯動線や、生活空間を通らずに客間に行ける客間動線など暮らしに欠かせない動線の工夫がたくさん施されています。

 

淡いブルーが素敵な主寝室

夫婦の寝室はいちばんプライベートなところであり、こだわりたいと思う方も多いのでは。ウォークインクローゼットを取り入れたおしゃれな主寝室をご紹介します。

 

部屋の一部を仕切り、ウォークインクローゼットを

主寝室の部屋を仕切るように淡いブルーの壁が貼られています。白を基調とした部屋によく映えており、上品な印象になっています。

淡いブルーの壁の裏側には広いウォークインクローゼットを設置。朝起きてそのまま着替えられる動線を確保しています。

 

吹き抜けにも快適に暮らす一工夫が

開放感を演出できる吹き抜けは、リビングの真下にあると2階の冷気や熱気がリビングにまで降りてしまうことも。手すりにアレンジを加えて細かな部分まで配慮し、二世帯住宅が建った後の暮らしにまで目を向けた設計になっています。

 

リビングに2階の空気が漏れないように

リビングが真下に設置されている吹き抜けの場合、階段の手すりを支える手すり子の間に幅があるアイアン手すりにすると2階の空気がリビングに当たることも。冬の場合はひんやりとした冷気を浴びる可能性があり、快適に過ごせないケースもありますよね。

あえて吹き抜けを壁で仕切り、温度を一定に保てる二世帯住宅に仕上がっています。

 

まとめ

いかがでしたか?あえて扉を付けない間取りや距離感を意識した生活動線など、親世帯への配慮があふれる二世帯住宅になっていました。

家が建った後の暮らしを考えながら工夫することで、家族みんなが暮らしやすい二世帯住宅に仕上がります。ぜひ家づくりの参考にしてみてください!