平屋はなぜ人気?注目されている理由を調査!

2023年3月21日

戸建てといえば2階建てや3階建てをイメージする方が多い一方、最近は平屋もじわりと人気になっています。生活空間がすべて1つの階層に収まる平屋は見た目がスタイリッシュになるほか、生活動線も短縮されるため生活しやすいといわれています。

今回は、平屋が人気の理由を徹底調査!坪数別の平屋間取りプランもあわせてご紹介します。

 

平屋の数は増えている?実数と現状を調査

平屋が人気といわれていますが、実際に平屋の戸数が増えているのでしょうか。戸建てタイプごとの戸数をご紹介します。

 

年々平屋の数は増加

出典:国土交通省「建築着工統計調査」

2016年~2021年における平屋の割合をみると、年々上昇傾向にあります。2019年からは10%を超え、翌年からは1%ずつ増えているのが分かりますね。

平屋の戸数自体は増えている一方、割合を見ると2021年度で12.5%と、相対的に見て数はあまり多くありません。平屋は2階建よりも広い敷地面積を要するため、建てられる地域はある程度限られていることが主な要因でしょう。

 

平屋が人気な理由とは

割合としてはまだまだ少数派でありつつも、戸数は増加し続けている平屋。平屋が人気の理由について解説します。

 

幅広い年代が快適に暮らせる

平屋は階段がないため上下の移動を強いられることはありません。小さな子どもやお年寄りの方の転倒・転落リスクがなく、老若男女問わず幅広い年代が暮らしやすい間取りとなっています。

幅広い世代が快適に暮らせる平屋は、なぜ近年人気が高まっているのでしょうか。要因の一つとして、「家族構成の変化」が挙げられます。一昔前の家族構成は、夫婦の祖父母とともに暮らす二世帯での暮らしが多いほか、子どもの数も多かったといわれています。しかし現代では核家族化や少子化が進み、住まいに広い敷地面積を求める方が少なくなりました。

生活空間が1階に収まるコンパクトな平屋は、家族の人数が少ないほど生活しやすいもの。年を追うごとに世帯人数が減少することで、平屋の人気は高まっているのです。

 

上下の移動がないため効率的な家事動線に

上下移動がないため効率的な家事動線になることも、平屋が人気である要因でしょう。洗濯動線や通勤・通学動線が2階建て・3階建てよりもコンパクトになるため、家事負担を軽減できます。

 

生活空間を広げられる

平屋は階段を設置しないためデッドスペースが生まれにくいこともポイント。2階建ての場合は階段下のスペースや踊り場などに使わない空間が生まれてしまう一方、デッドスペースになる空間も活用できます。

 

構造が強く、安定している

基本的に建物は高ければ高いほど、地震に弱くなります。平屋であれば上階からの荷重がないため、地震の影響を受けることは少ないといわれています。

地震だけでなく、台風などの風災に強いこともポイントです。2階建てよりも建物が低いため風の影響を受けにくく、台風の被害は比較的抑えられるでしょう。台風の被害が多い九州地方などは、ほかの地域に比べてより適しているといえます。

 

コミュニケーションがとりやすくなる

家族それぞれの居室や寝室、LDKがすべて1階に収まるため、家族でコミュニケーションが取りやすいのも人気の要因です。2階建ての場合は家族の居室を2階に設置していることも多く、子どもが2階の自室に籠りがち…というケースも考えられます。

 

平屋を検討する際に気を付けたいこと

平屋が人気な理由は多々あると説明しました。平屋を検討するにあたり、注意しておかなければならないポイントも多くあります。1つずつ解説していきましょう。

 

広い敷地が必要になる

平屋は1階にすべての生活空間を収める必要があるため、広い敷地が必要になります。都心部や駅近の狭い空間であれば、2階建てのほうが向いているでしょう。

2階建てでワンフロア40坪の家を建てたい場合、敷地面積は40坪以上必要になります。平屋となると1階にすべての居室・LDKを集約させる必要があるため、もし上記の条件と同じ家を建てたい場合は80坪以上の敷地面積が必要になるでしょう。土地が広ければ広いほど資産価値も高くなるため、1年にかかる固定資産税の税額も上がります。

 

屋根や基礎も敷地面積に合わせて大きくなるため、費用がかさむ

平屋は広い敷地が必要になる分、家の土台となる「基礎」部分や屋根も大きくなります。屋根・基礎工事の工事期間や工数、材料費なども増えていくため、家を建てる総費用は2階建てよりも高くなるでしょう。

 

中央の部屋は採光通風がよくない場合も

平屋の場合、中央の部屋は十分に自然光が届かないというケースも考えられます。リビングの掃き出し窓だけでは採光が不十分であるケースも考えられるため、採光通風についても意識して間取りを決めることが大切です。

中央の部屋にも効率的に自然光を取り入れたい際は、中庭を設けるとよいでしょう。セカンドリビングとしても活用できるため、使い道が広がる空間にも仕上がります。

 

坪数別!平屋の間取りプランをご紹介

平屋の間取りプランを坪数別にご紹介します。平屋を検討される方は、ぜひ間取りづくりの参考にしてみてくださいね。

 

20坪で平屋の間取り2選

 

【23坪】LDKからすべての居室につながる平屋

LDKを中心に配置し、すべての居室へとつながる間取りに仕上げた23坪の間取り。敷地が広くなるほど部屋間の移動距離は長くなりますが、LDKを中央に設けることで各居室への動線を短く設定しています。

廊下を極力なくすことで生活空間も広く保っていますね。

 

【26坪】LDKにスタディコーナーを設けた平屋

LDKにスタディコーナーを設けることで、リビング学習が可能な空間に。過ごし方が限定されないLDKとなっているため、思い思いの過ごし方ができる空間に仕上がっています。

 

30坪で平屋の間取り2選

 

【32坪】主寝室と和室を掛け合わせた平屋

主寝室と和室を直結させた平屋の間取り。ごろんと横になれる和室は、客間だけでなくくつろぎスペースとしても活用できるためおすすめです。

キッチン・ダイニングは横動線にし、家事のしやすいレイアウトとなっている点もポイントです。

 

【34坪】中央に和室を設置した平屋

中央に和室を設置し、くるくると部屋全体を回れるようにした平屋の間取り。回遊性のある間取りであるため、部屋間の移動距離がぐっと短くなります。

パントリーには勝手口を設け、買い物動線を確立している点も特徴です。

 

40坪で平屋の間取り2選

 

【40坪】南側にペットスペースを設けた平屋

南側にペット用のスペースと書斎を設け、明るい居室に仕上げた平屋。部屋の中央にはウォークスルークローゼットを設置することで、回遊性の高い間取りとなっています。

方角も意識しながら部屋の位置や間取りを考えると、暮らしやすさが続く空間に。

 

【42坪】L字型のLDKでリビングとダイニングを分けた平屋

L字型のLDKでリビングとダイニングの空間を分けた平屋。L字型にすることでリビングとダイニングそれぞれの空間が独立するため、メリハリのある空間を実現できます。

 

まとめ

今回は、平屋が人気の理由と間取り事例についてご紹介しました!平屋は近年人気になっている一方、全体で見るとやはりまだ少数派ではありますが、平屋を建てるメリットも多くあります。

多くの間取り事例を参考に、過ごしやすさが続く平屋をつくっていきましょう!

 

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