
招き屋根とは?メリットやデメリット、よくある質問をご紹介!
招き屋根とは、切妻屋根の片面を短くした形状の屋根です。招き屋根はメリットの多い屋根とされ人気がありますが、具体的にどのようなメリットがあるのか知らない方も多いのではないでしょうか。
そこでこの記事では、招き屋根の特徴やメリット、デメリットについて解説します。招き屋根以外のおすすめの屋根もご紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
招き屋根とは?どのような構造?
招き屋根とは、日本の伝統的な建築様式のひとつです。切妻屋根の片面が短く、片面が長いものと捉えるとわかりやすいでしょう。見た目の印象としては、2つの屋根が大・小となっており、アシンメトリーで個性的です。
また招き猫の手のように、人を招く際の「おいで」の形をしていることから、招き屋根と呼ばれるようになったそうです。そう考えると縁起のよい屋根ともいえます。
現代の建築では、招き屋根を取り入れた和風建築や、西洋の建築様式との融合によるモダンなデザインの建築物など、多様な形態で用いられています。招き屋根は耐風性に優れているうえに施工費用が安いなど、メリットの多い屋根です。
招き屋根のメリット5つ
これから住宅を建てる方、引っ越しを考えている方は、屋根の形状について理解を深めることが大事です。屋根の形によってメリットが大きく異なり、生活しやすさやメンテナンスしやすさにも大きく影響します。ここでは、招き屋根のメリットを5つご紹介します。
1.屋根裏にスペースを確保できる
招き屋根は屋根裏部分にスペースを確保できるのがメリットです。収納スペースとして利用したり、子どもの遊び部屋にしたりなど、幅広い用途があります。特に平屋の場合はちょっとした2階建てのように使えるのもメリットです。
2.施工費用が安い
屋根の形状が複雑になれば、おしゃれさや個性をアピールできますが、施工費用は高くなってしまいます。招き屋根はシンプルなデザインと構造であるため、施工費用は安く済むことが多い傾向です。
住宅の取得にはさまざまな費用がかかるため、少しでも節約したい方は招き屋根やシンプルな屋根を選ぶとよいでしょう。
3.頑丈で耐風性がある
招き屋根は2面の屋根が互い違いで支え合っている形状であるため、頑丈です。それに加え、屋根が2つに分かれていることから風の影響を分散でき、耐風性に優れているメリットがあります。
日本では時折台風の影響を受け、住宅の屋根が吹き飛ばされる様子をニュースで目にしたことのある方もいるでしょう。そういった災害に備えるためにも、耐震性や耐風性に重視した屋根選びが重要です。
4.採光性&通気性に優れている
招き屋根の屋根裏に採光用の窓を設置すれば、太陽光を採り入れることができ、室内の明るさを確保できます。また採光用の窓は通風口として役立つのも魅力です。
窓を設置することにより、屋根裏にカビや結露が発生することが少なくなり、断熱材の劣化も防止できるでしょう。
5.太陽光発電に向いている
招き屋根は屋根の一辺の面積を大きく取れるため、寄棟屋根や切妻屋根と比べて、太陽光発電がしやすい屋根といえます。太陽光が多く集まる向きに大きい屋根を設置すれば、太陽光の受け取り面積が大きくなり、効率的に発電できるでしょう。
屋根に設置する太陽光パネルも、招き屋根の形状に合わせて設計することをおすすめします。
招き屋根のデメリット
招き屋根はメリットの多い屋根として知られていますが、唯一のデメリットがあります。それは雨漏りのリスクがあることです。招き屋根の壁と屋根が接している部分は隙間が空きやすく、雨漏りしやすくなっています。
とはいえ雨漏りのリスクは、ほかの屋根と比較したときの場合であるため、招き屋根だからといって簡単に雨漏りするわけではありません。一般的には建築業者がきちんと雨仕舞いという対応を行うため、大きな心配はいらないでしょう。
招き屋根以外にもおすすめな屋根の種類は?
屋根の種類は、招き屋根以外にも多く存在します。それぞれ特徴やデザイン、機能性などが大きく異なるため、慎重に選ぶことが大事です。ここでは、招き屋根以外にもおすすめの屋根の種類を3つピックアップしてご紹介します。
施工費用を抑えたい方におすすめの「切妻屋根」
切妻屋根は本を開いて逆さまにしたような、三角形の屋根です。切妻屋根は最もポピュラーな屋根の形といっても過言ではなく、多くの人が屋根をイメージする際に浮かぶ形状でしょう。
切妻屋根は施工が比較的簡単で、コストが安いのが大きなメリットです。また構造が単純で強度があり、耐久性にも優れています。屋根同士の継ぎ目も1ヶ所であるため、招き屋根と比べると雨漏りしにくいのも特徴です。
和風・洋風のどのデザインでもマッチしますが、多くの住宅が切妻屋根を採用しているため、個性を出しにくい場合があります。
片流れ屋根は、一方向に屋根が傾斜している形状です。屋根の形状がシンプルなため、設計や施工が比較的簡単に行えます。また片流れ屋根はスタイリッシュかつモダンな印象があり、おしゃれな家にしたい場合におすすめです。
また傾斜が一方向にあるため、雪や雨水が排水しやすくなります。屋根の一方向に対して壁面に窓を設置することで、採光性を高めることも可能です。
デメリットとしては、傾斜が一方向にあるため風の影響を受けやすく、強風による被害が発生する可能性があることです。
住宅の屋根というと三角形の形状をイメージする方も多いと思いますが、陸屋根はビルのように平らな屋根です。シャープでモダンな印象を与えられ、おしゃれを重視する方におすすめです。
陸屋根は屋上を設けることも可能なため、洗濯物を干したりバーベキューをしたりなど、さまざまな用途で活用できます。しかし、勾配が小さいため排水性が低く、定期的な防水メンテナンスが必要です。
以下の記事では、おしゃれな屋根の形や素材について詳しく解説しています。ぜひ参考にしてみてください。
>>おしゃれな屋根の形って?屋根の種類や材質とともにご紹介!
招き屋根に関するよくある質問
招き屋根に関して、まだ疑問点や不安な点がある方もいるのではないでしょうか。気になる点はきちんと解消しておくことが大事です。ここでは、招き屋根に関するよくある質問を3つご紹介します。
招き屋根の外観はイマイチ?
招き屋根がイマイチかどうかは人の好みにもよるため一概には言えませんが、招き屋根はアシンメトリーで特徴的なため、その非対称のバランスが落ち着かないという方もいるでしょう。
ただ、招き屋根はモダンな住宅で使われることが多く、工夫次第でおしゃれに見せられます。建物の外観やデザインについては、周囲の物件と調和するかも意識しつつ、建築家やデザイナーのアドバイスを参考にするとよいでしょう。
平屋で招き屋根は可能?
平屋で招き屋根を採用することは可能です。招き屋根は屋根裏のスペースを利用できるため、平屋の欠点になりやすい「スペース不足」を補えます。2階建てのような使い方も可能であるため、平屋と招き屋根は相性がよいといえるでしょう。
招き屋根で雨漏りが発生したら?
招き屋根はほかの屋根と比べ、雨漏りしやすいのが難点です。しかし、雨漏りは火災保険の適用範囲内で、保険金が降りる可能性があります。
火災保険は「火事にしか適用されない」と認識している方も多くいますが、火災以外にも風災や水災、落雷、盗難などにも補償しています。加入する火災保険はきちんと確認し、補償の適用範囲を知っておきましょう。
工事費用を抑えたい方や耐久性を求める方は招き屋根がおすすめ!
招き屋根は切妻屋根の片面が短く、片面が長い形状となっており、アシンメトリーで個性的です。招き屋根には、屋根裏のスペースを活用しやすい、耐風性に優れているなどのメリットがあります。
しかし、屋根の種類は招き屋根以外にも多くあります。住宅を建てる際は、周辺住宅の雰囲気や地域性、メンテナンスしやすさなども考慮して慎重に決めるとよいでしょう。