ワンフロアで完結する平屋ってどう?メリット・デメリットや間取り事例をご紹介

2023年6月19日

最近人気の、ワンフロアで暮らしが完結する平屋。階段がないためバリアフリーな間取りにもなっており、平屋を検討する方も増えています。

階段がなく便利な平屋ですが、ワンフロアならではのデメリットや注意点も。今回は、ワンフロアで生活が完結する平屋について詳しく解説していきます!ぜひ家づくりの参考にしてみてくださいね。

 

2023年トレンドワードは「平屋」!人気の理由は?

2023年の住宅トレンドワードとしても注目されている「平屋」。国土交通省によると、着工数の全体に占める平屋の割合は年々増加。2010年の6.19%から2020年には11.8%とおよそ2倍に増えています。参考:国土交通省:建築着工統計

平屋はなぜ近年人気になっているのでしょうか。

 

家族とのコミュニケーションを重視したいため

平屋はワンフロアで生活が完結するため、自然とコミュニケーションも多くなります。2階建て住宅にして子ども部屋を2階にしたら、子どもがリビングへ降りてこなくなった…というケースも多々ありますが、平屋であればある程度リスクを防げるでしょう。

 

1人暮らしや夫婦2人での暮らしなど、価値観が多様化

一昔前は、一軒家といえば家族が住むものという価値観でした。様々な生き方やライフスタイルが生まれるようになった現在、1人暮らしやDINKs(共働きで子どもを意識的につくらない夫婦のこと)で家を買うというケースも増えています。

家族の人数が少なければ、ワンフロアのコンパクトな平屋でも十分快適に過ごせます。価値観が多様化した現代だからこそ、平屋が人気となっているのですね。

 

郊外や田舎で暮らしたい

平屋はワンフロアで水回りやLDK(リビング・ダイニング・キッチン)、寝室などすべての生活空間を凝縮するため、ある程度広い敷地がないと難しいでしょう。そのため平屋は過去と比較して着工件数は増えているものの、着工数全体に占める平屋の割合は未だ11%前後にとどまっています。平屋の場合は、建築できるエリアが限られてしまうのです。

居住用の土地が比較的多く、価格も安価な地域となると郊外や田舎のエリアが多いでしょう。テレワークなど働き方が多様化した現在では、あえて郊外や田舎に移住する方も多いのです。地方でのびのびと、快適な平屋で過ごしたいというニーズも多くあるのでしょう。

 

ワンフロアならではのデメリットも?

上記のように平屋には多くのメリットや人気の理由がある一方で、ワンフロアだからこその押さえておきたいポイントも多くあります。1つずつ確認していきましょう!

 

2階建て住宅よりも広い敷地面積が必要になる

上記にもある通り、平屋を建てる場合はある程度広い土地面積が必要になります。生活空間をワンフロアで収めなければならないため、2階建て住宅よりも多くの面積を要します。住みたいエリアが都市部や駅に近いところであれば、建築が難しいことも。建てられるエリアは限られる点にも注意が必要です。

 

固定資産税や建築費が高くなる

土地面積が大きいということは、毎年徴収される固定資産税も高くなります。基礎部分や屋根も大きくなるため、建築費は2階建て住宅よりも高くなりがち。

家づくりの予算とランニングコストの双方で考えながら検討することが大切です。

 

部屋の中心部では日当たりの確保が難しい

平屋の場合、部屋の中心部は日当たりの確保が難しい点に注意しましょう。2LDKほどでどの部屋にも窓がついている間取りであれば問題ありませんが、部屋数が多い平屋の場合は延べ床面積が広くなり、家の中心部まで日光が届きにくくなることも。

広い平屋で日当たりを確保するには、勾配天井を用いて高い位置に窓を設置するのがおすすめです。長方形や正方形ではなくL字・コの字の間取りにするのも有効でしょう。

 

プライバシーの確保が難しい

平屋はコミュニケーションがとりやすいというメリットがある一方で、音やにおいが漏れやすくプライバシーの確保が難しいというデメリットがあります。主寝室ではゆっくりしたいけれど、リビングに近いため家族の生活音が気になる…というケースもあるでしょう。

リビングと個室を離す間取りにしたり、隣り合う居室であればクローゼットを向かい合うように設置して互いに音を吸収させるという手段が有効です。間取りのひと工夫で、プライバシーに配慮した平屋に仕上がります。

 

移動距離が長くなりがち

平屋の間取りでは、移動距離が長くなりがちである点も注意したいポイントです。ワンフロアにすべての生活スペースを収めるため、間取り設計を工夫しないと「各居室と洗濯機スペースが遠く、洗濯物を部屋に置きに行くのが面倒…」「自分の部屋とトイレが遠いため不便」などといった失敗例も。

回遊性を持たせる平屋にしたり、親世帯と暮らす場合は両親の居室をトイレと近い場所にするなど、暮らしに合わせた間取り設計が必要です。

 

ワンフロアで生活が完結!効率的な動線を設けた平屋間取りとは?

ワンフロアで生活できる平屋はバリアフリーで便利な間取りとなる一方で、設計を誤ると使い勝手の悪い住宅となってしまいます。平屋を建てる際は、家族構成やライフスタイルに合わせた間取りづくりが大切です。

効率的な生活動線を設けた平屋の間取りを解説します。

 

【1LDK】リビングとダイニングを切り離したワンフロアの間取り

リビングとダイニングを切り離した1LDK平屋の間取り。通常であればリビングとダイニングが同直線上にあるものが多く、「リビング・ダイニング間の雰囲気を変えたいけれど難しい」「LDKスペースのメリハリがつきにくい」というケースが多々あるものです。

居室数を1部屋にしたからこそ、LDKを広く確保できる空間に仕上がっています。

 

【1LDK】どの部屋にも窓を設置したワンフロアの間取り

家のどの部屋からも窓を設置し、採光・通風が確保できる空間に。中心部の部屋に窓が取り付けられないというケースもある一方、各部屋を南北に区切ることで光が自然と入る平屋に仕上がります。

 

【2LDK】収納空間で隣り合う居室を仕切ったワンフロアの間取り

 隣り合う居室にウォークインクローゼットを設けた2LDKの平屋。壁のみの仕切りであれば隣の部屋に音漏れするというケースもある一方、収納空間を用いて互いに音を吸収しあうことで防音性に優れた間取りとなります。

 

【3LDK】リビングを通らずに居室へ行けるワンフロアの間取り

玄関から直接2部屋の寝室へとつながる間取り。子ども部屋として使うケースも多く、家族のプライバシーを確保できる平屋となっています。

 

【3LDK】リビングから各居室へつながるワンフロアの間取り

間取りの中央にLDKスペースを設置し、各居室へのアクセスを良くした平屋の間取りです。部屋間の移動距離を少なくすることで、効率的な生活動線の間取りに仕上がっていますね。

 

【4LDK】中央にデッキを設置したワンフロアの間取り

中央にデッキを設置した平屋の間取りです。3部屋とLDKスペースそれぞれに自然光を多く取り込める間取りとなっているため、採光・通風に優れた平屋となっています。

玄関付近にトイレや水回りを設置することで、効率的な生活動線を確保している点もポイントです。

 

まとめ

今回は、ワンフロアで生活が完結する平屋のメリットや注意点、間取り事例を解説しました!平屋は家族構成やライフスタイルに合わせた間取りプランを設計することで、暮らしやすい住宅に仕上がります。

間取り設計で押さえたいポイントを把握し、適切な間取りをつくっていきましょう!