延べ床面積とは?建築面積との違い・含まれない場所も解説

2023年9月10日

家を建てる際によく聞かれる「延べ床面積」という言葉。ほかにも似たような言葉に「建築面積」「敷地面積」などがあり、使い慣れない方は混同しがちです。この記事では「延べ床面積」「建築面積」「敷地面積」の違いやそれぞれの特徴、延べ床面積に含まれない場所などを解説します。

 

延べ床面積とは

家を建てる際に聞くことが多い「延べ床面積」という言葉は、建物面積とも呼ばれます。延べ床面積とは、簡単にいえば住宅の広さを表す言葉です。さらにくわしくいうと、住宅の居住スペースになる各階の床面積の合計を指します。2階建ての住宅なら、1階と2階の居住スペースにおける床面積の合計です。

 

建築面積・敷地面積との違い

延べ床面積を検索している方の中には、建築面積や敷地面積という言葉を耳にして混乱した経験がある方もいるでしょう。似たような言葉ですが、それぞれに意味は異なります。

  • ・建築面積
  • 建築面積とは住宅などの建物を上から見たときに一番広い外周から求められる面積を指します。住宅の多くは1階が一番広くなっているため、1階部分が用いられることが多いです。
  • ・敷地面積
  • 敷地面積とは土地全体を真上から見た面積を指し、土地面積とも呼ばれます。真上から見て計測するため、斜面にある土地、高低差のある土地は実際よりも狭くなる場合もあります。
  • ・施工面積
  • 延べ床面積に含まれないバルコニーなども含む面積を指します。ただし、明確な基準はないため、住宅メーカーにより異なります。

 

延べ床面積と関係する税金・価格

延べ面積の広さによって税金や建物の価格は変わります。代表的な税金は不動産を所持していると毎年かかる固定資産税、不動産購入時にかかる不動産所得税などです。

固定資産税を算定するのに用いるのが固定資産税評価額で、評価水準は建築費の40~60%です。建築費用が高いほど固定資産税は上がるため、延べ床面積が広いほど固定資産税も高くなります。不動産所得税に関しては一部特例の場合があるため各自治体に確認しましょう。

建物の価格は坪単価が目安になります。ちなみに1坪は約3.3㎡です。たとえば延べ床面積が約30坪で坪単価30万円の場合、建物価格は約900万円~です。同じ坪単価で延べ床面積が約50坪になると建物価格は約1500万円~と高くなります。このように延べ床面積が広くなれば建物価格も当然上がります。

 

延べ床面積に含まれない場所

延べ床面積は建物全体の居住スペースの合計面積です。そのため、居住スペースではない部分に関しては含まれないことになります。以下に延べ床面積に含まれない場所をくわしく解説します。

 

吹き抜け

天井が高く、窓を設置すれば光を採り入れる効果も期待できる吹き抜けは、上階に床がない空間です。部屋として使えない吹き抜けは延べ床面積に含まれません。吹き抜けを取り入れた縦の空間が広くなり、同じ広さでも解放感が高まります。

 

ビルトインガレージ

車やバイクを建物内に駐車するビルトインガレージも条件をクリアすれば、延べ床面積から除外されます。ビルトインガレージの広さが建物の延べ床面積の1/5以内なら、延べ床面積に含まれません。ただし、1/5を超えると延べ床面積に計算されます。ビルトインガレージを検討している場合は、建物の面積を考慮すると建物の価格や税金を抑えられるでしょう。

ビルトインガレージは建物とは別に駐車場を設けるのが難しい場合に重宝します。また、車やバイクを駐車していないときには、洗濯物を干したり子どもを遊ばせたりするスペースにも活用できます。

 

出窓

出窓も以下のような条件をクリアすると延べ床面積から除外されます。

  • ・床から出窓の下までの高さが30cm以上
  • ・外壁からの水平距離が50cm未満
  • ・床から1.35mより上の半分以上の面積が窓

窓で光を採り入れられるほか、出窓に小物類などを飾れるのでスペースを有効活用できます。

 

ロフト(小屋裏収納)

ロフトは以下の規定を満たすと延べ床面積に含まれません。

  • ・天井高1.4m以下
  • ・ロフトがある階の床面積の1/2以下
  • ・はしごが固定されていない

上記の条件をクリアしているロフトは建築基準法で小屋根収納扱いとなります。シーズンオフの寝具や衣類、イベント用アイテムなどの収納のほか、書斎や趣味の部屋などアイデア次第で用途の幅が広がります。

 

ベランダ・バルコニー

ベランダやバルコニーは、外壁から2m以下であれば延べ床面積に含まれません。2mの幅があればテーブルと椅子のセットを置くには十分なスペースがあるため、洗濯物を干すだけでなくくつろぎの時間も楽しめます。

リビングに隣接するように設置すれば、広く見せる視覚効果が得られるほか、天気のよい日には窓を開けてリビングの延長としても使用可能です。

 

屋外階段

屋外に備えられている屋外階段は以下の規定を満たせば延べ床面積に含まれません。

  • ・屋外階段の周長の1/2以上が外部にある
  • ・天井から手すり・壁までの高さが1.1m以上
  • ・階段外部に開放された部分が天井の高さの1/2以上

2世帯住宅で1階と2階に玄関がある場合や、屋外から屋上にあがる場合は屋外階段があると重宝します。

 

生活に必要な家の広さの目安

家を建てる際に気になるのは間取りやデザインのほかに広さではないでしょうか。さまざまな広さの住宅がありますが、快適に過ごすためにはどのくらいの広さの住宅が適しているのか気になるところです。ここでは、人数と都道府県別延べ面積の目安を解説します。

 

世帯人数別延べ床面積の基本水準

国土交通省は、世帯人数に応じた多様なライフスタイルに対応するために必要な住宅面積を公表しています。

(一部引用:国土交通省 住生活基本計画(全国計画)/https://www.mlit.go.jp/common/001392030.pdf

>>34坪の住宅についてくわしく知りたい方はこちら

 

都道府県別の平均延べ床面積

国土交通省は一住宅当たり延べ床面積の都道府県比較を公表しています。一番広い一住宅当たりの延べ床面積は富山県で145.17㎡、ついで福井県で138.43㎡と中部地方が上位を占めています。一方、一住宅当たりの延べ床面積が一番狭い都道府県は東京都の65.90㎡、ついで沖縄県の75.77㎡です。一住宅当たりの延べ床面積は地域によって大きく異なることがわかります。
(一部引用:国土交通省 一住宅当たり延べ床面積の都道府県比較/
https://www.mlit.go.jp/common/001036707.xlsx

>>4人家族の平均的な間取りや坪数をくわしく知りたい方はこちら

 

まとめ:暮らしやすい延べ床面積の住宅を選ぼう

一軒家やマンションなど、建物の中でも居住スペースの面積を指すのが延べ床面積です。家を建てる際には延べ床面積のほか、建築面積など似たような言葉があり混同しがちですが意味が違うため、それぞれの言葉が意味する面積を把握することで正確な広さを確認できます。

家を建てる土地の広さや用途地域によっては、延べ床面積の制限があります。住宅内には延べ床面積に含まれない場所もいくつかあり、うまく利用すれば延べ床面積の制限内でも開放的で豊かな暮らしが叶うでしょう。

生活スタイルや家族構成を考慮して、ぜひ住みやすい住宅設計を目指してください。