コンパクトな平屋のメリット・デメリット|おすすめの間取りもご紹介

2023年9月10日

近年、コンパクトな平屋に興味のある方が増えてきています。しかし、コンパクトな平屋がどんなものなのかイメージできないという方も多いのではないでしょうか。この記事ではそんな方に向けて、コンパクトな平屋のメリットやデメリットを解説します。おすすめの間取りもご紹介するのでぜひ最後まで読んでみてくださいね。

 

コンパクトな平屋とは

「土地が狭いからコンパクトな家しか建てられない」という方もいるでしょう。コンパクトハウスとは一般的に、延べ床面積が30坪以下の住宅を指します。

建ぺい率60%、容積率200%の場合、延べ床面積30坪の平屋を建てるためには約50坪の土地が必要です。30坪以下のコンパクトハウスなら50坪以下の土地で建てられるということになります。また、広い土地が必要でない分、土地の選択肢が多くなるのもメリットといえるでしょう。

 

コンパクトな平屋のメリット

50坪以下の狭い土地でも建てられるコンパクトな平屋は、2階建て住宅とどのような違いがあるのでしょう。ここではコンパクトな平屋のメリットを解説します。

 

家族とのちょうどよい距離感

コンパクトな平屋はリビングや部屋がつながっている間取りが多いため、違う部屋にいても家族の気配を感じやすく、部屋間でも声が届きやすいという特徴があります。また小さな子どもがいても階段から転落する心配がなく、目が届く場所で生活できるのもメリットです。

子どもが成長して自分の部屋で過ごすことが多くなっても、リビングとの距離感が短いため、思春期にありがちなすれ違いを防ぐのに効果的。

コンパクトな平屋は住める人数が限られるので、間取りをこだわることが快適な住まいづくりの第一歩です。

 

家事動線や間取りもコンパクトになる

コンパクトな平屋は家族が長く過ごすリビングのほか寝室、子ども部屋などすべてが横に移動するのみでシンプルな間取りになることが多いです。

2階建てでは、1台の掃除機を使い回す場合、各階でコンセントを抜き差しする必要があり、階段での移動も大変です。一方コンパクトな平屋なら掃除機を持ち上げて移動する距離やコンセントの抜き差しの回数も少なく済みます。そうなると家事動線もシンプルになり掃除時間短縮も可能です。結果的にコンパクトな平屋は暮らしやすい住宅と感じるでしょう。

 

低価格で建てられる

「平屋は広い土地が必要になるから、建築費用が高い」そう思っていませんか?
コンパクトな平屋なら必要な土地面積も建設時の施工面積も狭いので、一般的な平屋よりも低価格で建設可能です。

 

地震や台風に強い

大きな地震が発生すると、建物の高さが高くなるほど揺れがひどくなります。平屋は建物が低い分、地震の揺れが小さくなり影響を抑えられるのがメリットです。また、面積が狭いコンパクトな平屋は台風などの風の影響も受けにくいため、災害へのリスクが小さい家を建てたいと考えている方はコンパクトな平屋が適しています。

 

終の棲家にもなる

30坪以下の平屋はとてもコンパクトな住宅なので、子育てを終えたシニア世代の方にも人気があります。コンパクトな分、あまり多くの物を持ち込んでしまうと家の中が乱雑になってしまいます。そのため、必要最低限な物や本当に大切な物だけを選んで、移り住むことになるでしょう。

「家族にとって本当に必要で大切な物だけに囲まれて余生を過ごす」

とても素敵なことだと思いませんか。

 

コンパクトな平屋のデメリット

コンパクトな平屋には多くのメリットがありますが、マイナスな面も存在します。ここでは後悔しないためにも知っておきたいコンパクトな平屋のデメリットを解説します。

 

水害に弱い

平屋は豪雨や河川の氾濫などの影響で床上浸水した場合、2階に逃げる「垂直避難」ができません。そのため、平屋を建てる際はハザードマップでその土地が浸水しないかを確認することが重要です。

 

防犯面が不安

平屋は部屋がすべて1階にあるため、2階以上と比べて外部から侵入しやすくなることがデメリットです。寝苦しい夏の夜に窓を開けた状態で就寝するのは防犯上リスクがあります。ほかにも洗濯物を目線の高さで干すことになるなど、プライバシーの問題にも配慮が必要です。

 

日当たりや風通しが悪くなる場合がある

平屋は低い建物のため、立地条件によっては隣家やマンション、山など周辺の環境により日当たりや風通しが悪くなる恐れがあります。中庭をうまく採り入れることで風通しや日当たりがよくなることもあるため、検討してみてはいかがでしょう。

 

コンパクトな平屋はこんな方におすすめ

ここまでコンパクトな平屋のメリットやデメリットを解説してきました。魅力的なコンパクトな平屋ですが、万人向けの住宅とはいいがたいかもしれません。

コンパクトな平屋は以下のような方におすすめです。

  • ・単身者
  • ・夫婦
  • ・子ども一人の3人暮らし
  • ・シニア
  • ・ミニマルな生活をしたい方

 

コンパクトな平屋のおすすめの間取り5選

広さに限りがあるコンパクトな平屋は、間取りによって住み心地が大きく左右されます。ここでは、住みやすいコンパクトな平屋の間取りをご紹介します。

 

①家事動線を意識して暮らしやすく

コンパクトな平屋は床面積が狭い分、動線づくりが重要です。特に家事動線が煩雑になってしまうと、ストレスを感じやすい住宅になってしまいます。過ごしやすい住宅をつくるため、動線をできるだけシンプルにする必要があります。

廊下はつくらず部屋同士が行き来しやすいようにしましょう。リビングとキッチンと脱衣所をひとつなぎの間取りにすれば、とてもシンプルな家事動線となります。

また、パントリーの近くに勝手口があれば、買い物帰りの収納がラクになりますよね。そんなひと工夫を間取りに加えていきましょう。

 

②終の棲家にするならバリアフリー化必須

コンパクトな平屋のメリットの一つに末永く暮らせるという点が挙げられます。毎日の生活の中で階段を使わなくてよいのは足腰が弱くなってからも住みやすさを感じる要素の一つです。

長く住み続けるマイホームを建てたいと考えている方は、設計時点でバリアフリーを意識しておくとよいでしょう。

 

③勾配天井で視覚的に広く見せる

建物の広さは変えられませんが、勾配天井を取り入れることで視覚的に広い空間に。ロフトや屋根裏部屋をつくれば、収納スペースを増やせます。

高さが低い平屋ですが、天窓を導入すれば自然光を取り入れやすくなります。

 

④リビングに奥行きをつくる

家族が集まる場所であるリビングが窮屈だと落ち着きませんよね。そうならないための工夫として壁をできるだけつくらないというのもおすすめです。壁をつくらなければ空間に奥行きができて、広々とした空間に仕上がります。

たとえば、カウンターキッチン。リビングとキッチンを壁で分けずに見通しをよくすれば圧迫感なく家族とのコミュニケーションを取りながらの調理が可能です。

また、長方形の間取りにすれば自然と奥行きが生まれます。

 

⑤趣味の部屋もつくって自分時間も大切に

家族の存在が身近に感じられる平屋。しかし、ときにはそれがストレスに感じることもあるかもしれません。そんなときのために趣味の部屋もあると安心です。家族との時間と自分の時間。その両方がバランスよく過ごせる住宅はきっと居心地がよく感じられるでしょう。

 

まとめ:コンパクトな平屋で快適で安心感のある暮らしを実現しよう

この記事ではコンパクトな平屋のメリットやデメリット、おすすめの間取りを解説しました。万人向けとはいいがたいコンパクトな平屋ですが、そのメリットが魅力的に感じる方にとってはとても快適で暮らしやすい住宅といえます。また、間取り次第では家族が近くに感じられる安心感を持ちつつ、開放的で落ち着く住宅にもなります。コンパクトな平屋が気になる方は、ぜひお近くのハウスメーカーや工務店に相談してみましょう。

コンパクトな平屋の間取りについてもっとくわしく知りたい方は以下の動画もとても参考になります。きっとコンパクトな平屋がより魅力的に感じられるでしょう。

>>コンパクトな平屋の「動線」と「共用」についてくわしく知りたい方はこちら