セカンドハウスローンとは?比較ポイントとおすすめの銀行3選
昨今は働き方が変わり、在宅ワークやリモートワークをする方が増えています。中には将来的な移住も視野に入れて、セカンドハウスとして地方に別の拠点を持ちたいと考えている方もいるでしょう。セカンドハウスを持つ場合は、セカンドハウスローンを検討する必要があります。
この記事では、「セカンドハウスローン」の基本的な知識から、セカンドハウス専用ローンとフラット35の比較や、セカンドハウスローンの選び方まで解説します。併せておすすめの銀行もご紹介しますので、セカンドハウスの購入を検討している方は参考にしてみてください。
セカンドハウスローンとは
セカンドハウスローンとは、自宅以外に別荘やセカンドハウスなどの不動産を購入する際に利用できる住宅ローンのことです。
セカンドハウスは通常の住宅のように住宅ローンを組んで購入できますが、条件として「自ら居住すること」とあるため、一般的な住宅ローンは利用できません。
では、セカンドハウスローンと一般のローンとの違いはどこにあるのでしょうか。セカンドハウスで利用できるローンについても見ていきましょう。
一般的なローンとの違いと注意点
セカンドハウスローンは、自宅とは別の住宅を購入したいときに、住宅ローンの代わりになるものです。
一般的な住宅ローンと金利の仕組みや諸費用などは変わりませんが、一部内容が異なるため、利用する際は注意してください。セカンドハウスローンを検討する場合は、借入シミュレーションをおこない、金利を確かめておくことが大切です。
また、返済中の住宅ローンがあっても、セカンドローンは審査が通れば借り入れできます。ただし、一般的な住宅ローンとは別にもうひとつのローンを組むことになるため、返済能力については厳しく審査されることは念頭に置いておきましょう。
セカンドハウスで利用できるローンは2種類
セカンドハウスの購入で利用できるローンはセカンドハウス専用ローンとフラット35です。
セカンドハウスの購入では、一般的な住宅ローンが使えません。通常の住宅ローンの融資対象が「契約者自身が居住するための住宅」となっているためです。
セカンドハウスに通常の住宅ローンを利用した場合は契約違反になります。セカンドハウスが融資の対象に含まれているかよく確認しておきましょう。
両者はそれぞれ異なるメリットや注意点があります。特徴をチェックしたうえで、検討しましょう。
セカンドハウス専用ローンとフラット35の比較
セカンドハウス専用ローンとフラット35ではどのような違いがあるのでしょうか。くわしく見ていきましょう。
セカンドハウス専用ローンの場合
セカンドハウス専用ローンには、次のようなメリットと注意点があります。
セカンドハウス専用ローンのメリット
セカンドハウス専用ローンのメリットとしては、以下のことが挙げられます。
- ・用途の自由度が高い
- ・融資上限額が大きい
- ・返済能力が高ければ審査に通りやすい
セカンドハウスローンであれば、築年数が経った中古物件の購入から増改築や大規模リフォームまで、幅広く対応できるのがメリットです。単身赴任、子どもの独立、Uターン転職など、家族のライフイベントに合わせて、柔軟に活用できます。
また、通常の住宅ローンに比べて融資上限額が大きく、1億円を超えるプランも多数あり、高額な物件も購入しやすいのが特徴です。多様なオプションや保証を備えていることもあるため、チェックしておきましょう。
さらに、セカンドハウスローンの場合、返済能力が高ければ比較的審査に通りやすくなります。手元に多くの現金がない場合も、金融機関から安定した職業や収入があると判断されれば、ローンを利用できる可能性は高いでしょう。
セカンドハウス専用ローンにおける注意点
セカンドハウス専用ローンを利用する際は、以下のような注意点を押さえておきましょう。
- ・金利が高い
- ・審査基準が厳しい
- ・住宅ローン控除が適用されない
セカンドハウスローンの場合、変動や固定といった金利タイプが同じであっても、一般的な住宅ローンの金利と比べて年2~3%と高く設定されています。一般的な住宅ローンの倍以上の利息がかかり、総返済額が大きくなることには注意してください。
加えて、自宅の住宅ローンを組んでいるケースが多いことから、金融機関側も返済能力に対して厳しく査定をしなければなりません。そのため、借り入れの際の審査が厳しく、特に年収の水準や返済負担率(年収に対する年間の返済額)は重視されるポイントになります。
また、セカンドハウス購入においては、原則住宅ローン控除の対象外です。住宅ローン控除は、所得税や住民税などの減税に繋がる制度ですが、一般的な住宅ローンが対象になります。セカンドハウスローンでは、住宅ローン控除の恩恵は受けられないことも覚えておきましょう。
セカンドハウスにフラット35の場合
セカンドハウスローンを組む際、金利の高さがネックになることがあるでしょう。そのような場合は、フラット35がおすすめです。要件を満たしていれば住宅ローンと同じ融資条件で活用できます。
フラット35のメリット
セカンドハウスローンにフラット35を利用するメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
- ・一般的な住宅ローンに近い金利で借りられる
- ・連帯保証人が要らない
- ・繰り上げ返済手数料なし
フラット35は固定金利の住宅ローンで、セカンドハウスにも利用できます。ただし、2軒目のセカンドハウスへの使用や、賃貸に出すための物件としての購入には利用できません。
フラット35は対象となる物件や融資条件は一般的な住宅ローンと同じ条件で申し込めるため、金利を抑えたいという方に適しています。
また、通常の住宅ローンで必要になる連帯保証人は、フラット35では不要です。保証料の支払いもないため、利用しやすく、無駄な費用を抑えられます。
さらに、資金に余裕ができて繰り上げ返済したい場合も、手数料がかかりません。インターネットで繰り上げ返済する場合は、少額の10万円から申し込めます。
フラット35における注意点
フラット35を利用する際は以下の点にも注意してください。
- ・市場の影響を金利は受けない
- ・取扱いのない金融機関もある
フラット35は金利が変動しない固定金利であるため、返済計画が立てやすいですが、借入時より金利が下がった場合も金利は変わりません。場合によっては、割高になる可能性もあるでしょう。
また、金融機関によっては、セカンドハウスローンでフラット35を利用できない場合があるため、事前に取り扱いがあるかを確認しておく必要があります。
セカンドハウスローンの選び方
セカンドハウスローンを選ぶときのポイントは、一般的な住宅ローンと変わりません。以下のポイントを比較して検討してみてください。
・金利
金利とは、借入額に対して発生する利子率のことをいいます。銀行差が最も大きく出る部分で、比較検討する際は必ず着目すべきポイントです。
・金利タイプ
金利タイプには、「変動金利型」「固定金利期間選択型」「全期間固定金利型」の3種類があります。借入期間中の金利が変動するした場合の許容範囲を見極めてから選択すると良いでしょう。
・保証料
保証料とは、あらかじめ保証会社と契約を結び、返済できなくなった場合に債務者に代わって返済するものです。
・融資事務手数料
融資事務手数料とは、セカンドローンの契約時に銀行に支払うお金のことです。借入額によって金額が変わる「定率型」と借入額によらず一定の「定額型」があり、低率型は借入額が大きいほど高くなります。
・繰り上げ返済
繰り上げ返済とは、毎月の返済とは別に追加の返済をおこない、元本の一部または全部を支払うことです。利息分を支払うことで、ローンの総返済額を圧縮できます。返済期間を短くする「期間短縮型」と毎月の返済額を減額する「返済額軽減型」の2種類から選択可能です。「期間短縮型」のほうが利息を圧縮できます。
セカンドハウスローンにおすすめの銀行3選
ここでは、セカンドハウスローンの取り扱い銀行でおすすめを3つご紹介します。
住信SBIネット銀行 フラット35
住信SBIネット銀行はフラット35に力を入れている金融機関のひとつです。買取型と保証型のどちらも利用できますが、どちらか迷う場合は、シミュレーションで総返済額を比較してみると良いでしょう。
住信SBIネット銀行のフラット35は、2割の頭金を用意することで通常水準よりも金利を引き下げ、団信(団体信用生命保険)の追加保証を無料で付帯。「電子契約サービス」なので、申し込みから契約までオンライン上で完結します。
ARUHI フラット35
住宅ローン専門に取り扱うARUHIは、14年連続でフラット35の実行件数シェアNo.1の金融機関です。ARUHI は買取型の「ARUHI フラット35」と買取型よりも自由度の高い保証型「ARUHI スーパーフラット」を取り扱っています。
ARUHI スーパーフラットは、頭金の割合に応じて適用金利が下がる独自商品で、通常のフラット35と同様にセカンドハウスの購入で利用可能です。「ARUHI フラット35」に限り、Webで申し込むと融資事務手数料が×2.2%のところ、1.1%になります。
イオン銀行セカンドハウスローン(別荘)
イオン銀行のセカンドハウスローンは、民間銀行の中でも特に金利が低いのが特徴です。変動金利をベースとした変動金利に定評があります。固定金利期間が設けられており、実質的には「固定金利期間選択型」です。
契約時に固定金利期間を設けることができ、期間終了後は変動金利または固定金利特約の再締結が可能です。固定金利期間の終了後はイオン銀行指定の借入利率になるため、シミュレーションする際はそちらの金利を加味するようにしましょう。
まとめ:セカンドハウスの購入は適した形を検討しよう
セカンドハウスを購入する際は、一般的な住宅ローンは組めません。セカンドハウスで利用できるローンは、セカンドハウス専用ローンとフラット35の2種類があります。
それぞれの特徴やメリット、注意点などを理解したうえで総返済額をシミュレーションし、自分に合ったものを選択することが大切です。
適切なローンを検討したうえで、新たな拠点となる物件をお得に購入してくださいね。