ベランダとバルコニーの違いは?それぞれの意味や特徴・注意点を解説

2025年5月10日

「ベランダ」と「バルコニー」は身近な住まいの空間であるにもかかわらず、その違いについてはよく知らないという人も多いのではないでしょうか。

ベランダとバルコニーには、住宅の設計や用途により、それぞれ異なる特徴があります。この記事ではベランダとバルコニーの違いや特徴についてくわしくご紹介。それぞれのメリット・デメリットや向いている人、使用や設置の際の注意点も解説します。

住まいの新築やリフォーム、部屋探しの際の参考にしてみてください。

 

ベランダ・バルコニー・テラスの違いと特徴

ベランダとバルコニーの違いは建築基準法では明確に定義されていませんが、一般的には屋根の有無で区別されます。

ここではベランダとバルコニー、テラスの違いについて、それぞれの特徴を比較しながら押さえましょう。

 

ベランダとは

ベランダは一般的に2階以上の建物に設置される空間で、外に張り出した形状をしています。

最大の特徴は、屋根や庇(ひさし)があるため、ある程度の雨風であればしのげることです。そのため、天候に左右されずに洗濯物を干せる点が大きな利点といえるでしょう。

 

バルコニーとは

バルコニーも建物から張り出して設置されたスペースですが、ベランダとは異なり屋根や庇が設けられていません。

日差しや風を遮るものがないため、開放感があることが特徴です。

また、バルコニーには複数の種類があり、用途やデザインによって特徴が異なります。「インナーバルコニー」と「ルーフバルコニー」の特徴は以下の通りです。

インナーバルコニー:

  • ・ 建物の外に張り出したバルコニーとは異なり、建物の内側に設けられたバルコニー
  • ・ 室内との一体感が強く、天候の影響を受けにくい

ルーフバルコニー:

  • ・ 階下の屋根や屋上にあたる部分をバルコニーとして活用した、平らで開放的なスペース

 

テラスとは

テラスは、マンションや戸建ての1階部分にある庭などに張り出した平らなスペースのことです。主に石やコンクリート、タイルなどの素材でつくられます。

ガーデニングやくつろぎの空間としてバーベキューを楽しむなど、庭との連続性を活かせるのが特徴です。

 

ベランダとバルコニーのメリット・デメリットを比較

 

ベランダとバルコニーのメリット

ベランダとバルコニーのメリットを、4つの項目で比較しながらご紹介します。

 

ベランダとバルコニーのデメリット

メリットの多いベランダとバルコニーですが、設置や部屋選びの際はそれぞれのデメリットも理解しておくことが大事です。

それぞれのデメリットを、4つの項目で比較しながらご紹介します。

 

ベランダとバルコニーどっちを選ぶ?

ベランダとバルコニーの特徴やメリット・デメリットを踏まえ、それぞれがどんな人に向いているかを解説します。

どちらが自分のライフスタイルに合うか迷っている人は、参考にしてみてください。

 

ベランダを選ぶのがおすすめな人

天候に左右されずに洗濯物を干したい人には、ベランダが向いています。洗濯物を干したまま外出することが多い人や、直射日光を避けて干したい人はベランダを選ぶとよいでしょう。

また、直射日光の室内への影響が気になる人にも、ベランダがおすすめです。屋根があることで室内の温度上昇を抑えたり、家具や床の日焼けを防いだりする効果が期待できます。

 

バルコニーを選ぶのがおすすめな人

日差しを取り込みたい人や開放的な空間を求める人には、バルコニーが最適です。日当たりを活かして家庭菜園やガーデニングを楽しみたい人にも向いています。

屋外空間を活かしてくつろぎスペースや子どもの遊び場をつくりたい場合も、バルコニーがおすすめです。

 

ベランダとバルコニーの注意点

ベランダとバルコニーの注意点について、マンションで使用する場合と一戸建てで設置・リフォームする場合とに分けて解説します。

 

マンション|ベランダ・バルコニーを使用する際の注意点

マンションでベランダ・バルコニーを使用する際に押さえておきたい注意点について解説します。

 

共用スペースとして使い方に注意する

マンションではベランダやバルコニーは原則として共用スペースであり、勝手なリフォームや改造はできません。昨今では喫煙や、寝具を手すりに干すことを禁止するマンションもあります。

マンションそれぞれの管理規約を確認し、ルールを遵守して使いましょう。

 

避難経路を塞がない

マンションのベランダやバルコニーは共用スペースであると同時に、避難経路としての役割があります。
そのため、家具や荷物を置きすぎて避難の妨げにならないように注意が必要です。ビニールプールも緊急時に避難経路を塞ぐ恐れがあるため、出しっぱなしにせずその都度片づけましょう。

 

水漏れに注意する

ガーデニングやプール遊びなどで水を使用する際は、下の階や隣の住戸へ水漏れしないように気をつけましょう。

昨今では水漏れや騒音による近隣トラブルや転落防止の対策として、ベランダやバルコニーで大量の水やプールの使用を禁止するケースもあります。まずは規約を確認し、わからないことは管理会社に問い合わせましょう。

水の使用が可能な場合も、プールなどの水はスロップシンクや浴室から排水するのが無難です。

 

一戸建て|ベランダ・バルコニーの設置やリフォーム時の注意点

一戸建てでベランダ・バルコニーを設置またはリフォームする際の注意点について解説します。

 

全体的な外観のバランスに注意を払う

ベランダやバルコニーは存在感があるため、建物の外観に大きく影響します。住宅の外壁や屋根との調和やバランスを考えてデザインや素材の色合いを選ぶと、統一感のあるおしゃれな仕上がりになるでしょう。

 

プライバシー対策と防犯対策を行う

ベランダやバルコニーは外部からの視線にさらされやすいため、プライバシー対策や防犯対策を行いましょう。道路や隣家からの視線が気になる場合は、目隠しフェンスやカーテンなどを設置するのも有効です。

また、ベランダとバルコニーは外部からの侵入経路にもなりやすいため、手すりやフェンスを設置して不審者の侵入を防ぎましょう。

 

日差しや風通しを確保・調整する

プライバシー面や防犯面の対策は重要ですが、日差しや風通しを妨げてしまうとベランダやバルコニーの魅力が半減します。

木製ルーバーやパンチングメタル使用のフェンス、開閉可能なシェードなど、採光と通気性を確保しやすいアイテムを工夫するとよいでしょう。

洗濯物や室内の日焼けが気になる場合は、紫外線を遮る効果の高い屋根材を設置するのもおすすめです。

 

定期的に点検やメンテナンスを行う

ベランダやバルコニーは雨風や紫外線の影響を受けやすく、劣化しやすい部分です。防水機能の目安は約10年とされています。

不具合を放置すると雨漏りなどの原因となり、結果的に修繕費用が高くつくケースもあるため注意が必要です。適切なタイミングで点検や補修を行い、安全で快適な環境整備に努めましょう。

 

まとめ:ベランダとバルコニーは違いや注意点を押さえたうえで選ぼう

ベランダとバルコニーの最も大きな違いは、屋根の有無です。また、屋根があるかないかで、特徴やメリット・デメリット、おすすめの使い方も変わります。

屋根のあるベランダは、天候に左右されずに洗濯物を干したい人におすすめです。一方、バルコニーは開放感を重視して屋外空間を活用したい人に向いています。

一戸建ての新築やリフォーム、マンションの部屋選びの参考にしてみてください。