一戸建ての電気代はいくら?太陽光発電や蓄電池を導入するポイントも解説
一戸建てを建てる際、ランニングコストも考慮して資金計画を立てる必要があります。一戸建ての場合、電気代などの光熱費は大体いくらほどになるのでしょうか。
今回は、太陽光発電や蓄電池、オール電化などの住宅設備を扱う株式会社ユーニヴァースの西村さんにインタビュー!電気代が決まる仕組みや節電方法、太陽光発電を導入する際のポイントなどをお聞きしました。
お話しを伺った方
株式会社ユーニヴァース代表 西村 一輝(にしむら かずき)さん
電気代が決まる仕組みとは
電気代はどのように決まるのでしょうか。電気代を構成する3つの要素についてお聞きしました。
電気代は基本料金・使用料・再エネ賦課金の3つで決まる
ー電気代が決まる仕組みを教えてください
電気代は、電気容量に応じた基本料金、電気使用量に応じた電力量料金、再エネ賦課金の3つで構成されています。
毎月支払う金額が固定されているのは、各電力会社が定める基本料金です。電力量料金や再エネ賦課金はその月の電気使用量に応じて決まるため、毎月支払う金額は異なります。
再エネ賦課金とは?
ー再エネ賦課金とはなんですか?
再エネ賦課金(再生可能エネルギー発電促進賦課金)とは、国が定めた再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度を守るために導入されている料金のことです。
ー再生可能エネルギーの固定価格買い取り制度とはなんですか?
再生可能エネルギーで発電した電気を、電力会社が一定価格で一定期間買い取る制度のことです。国が行っているもので、太陽光発電の場合は10年間の固定価格買い取り制度が設けられています。
固定価格買い取り制度は、費用のすべてを国が負担するわけではありません。電力会社が買い取る費用の一部は「再エネ賦課金」として、電気を使うすべての家庭から徴収することでまかなっています。
ー再エネ賦課金の負担額はいくらになりますか?
毎年金額が決められており、今年は1KWあたり3.45円となっています。再エネ賦課金のポイントは、電気使用量に応じて金額が変化することと、太陽光パネルの有無に関係なくすべての家庭が負担することです。
太陽光パネルを付けている場合は購入する電気量が減るため、再エネ賦課金の負担も小さくなります。
一戸建てはマンションより電気代が高い?理由も解説
一戸建てを検討する場合、ランニングコストにも目を向けて資金計画を立てることが大切です。一戸建てとマンションで負担する電気代を比べると、どちらのほうが電気代は高くなるのでしょうか。
一戸建てのほうがマンションより電気代が高い
ー一戸建ての場合とマンションの場合では、どちらの方が電気代は高くなるのでしょうか?
基本的には一戸建てのほうが電気使用量は大きくなるため、マンションより電気代が高くなります。一戸建ての場合は部屋数が多いので、どうしても光熱費で電気代がかさんでしまうのです。
一戸建ての電気代は平均1万~1万2千円
ー一戸建ての電気代は平均でいくらになるのでしょうか?
3~4人家族の場合、平均300KWほど消費するといわれています。電気代にすると、毎月約1万~1万2千円程度の負担といえるでしょう。
2022年は電気代が高騰!原因は?
昨年の2021年から電気代が高騰しており、多くのメディアでも取り上げられています。なぜ電気代が高くなっているのでしょうか。原因をお聞きしました。
石炭や天然ガスの価格が高騰
ーなぜ電気代が高騰しているのでしょうか?
石炭や天然ガスの輸入価格が高騰しているためです。日本は主に火力発電によって電気をまかなっており、石炭や天然ガスを輸入することで発電に必要な材料を集めています。
石炭や天然ガスの輸入価格が上がると発電にかかるコストも上がるため、電気代が高騰してしまいます。
今後も電気代は上がる?
ー今後も電気代の高騰は続きますか?
はい。東京電力・中部電力・九州電力ともに夜間電力が値上がりしたため、電気代が高くなったと感じる方は増えると思います。
ーなぜ夜間電力が値上がりしたのでしょうか?
以前は昼間に電気を多く使い、夜はあまり電気を使わない方が多かったため、昼と夜の電力需要に大きな差がありました。
現再生可能エネルギーを活用したエコキュートなどの住宅設備が普及した現在、夜間と昼間における電力需要の差が縮まったため、夜間電力が値上がりしました。
再生可能エネルギーの普及で再エネ賦課金も上昇
ー再エネ賦課金も上がっているのでしょうか?
そうですね。再エネ賦課金が始まった2012年当初は1KW買うごとに0.22円でしたが、現在は1KW買うごとに3.45円の再エネ賦課金がかかります。
再エネ賦課金の高騰も、電気代の値上げに大きく関係しています。
ー再エネ賦課金が上昇したのも、石炭や天然ガスの輸入価格が高騰しているためですか?
いえ。再エネ賦課金が上昇したのは、再生可能エネルギーの普及が進んだためです。太陽光発電を例に挙げると、太陽光パネルを設置する人が増えれば増えるほど、電気を買い取らなくてはいけません。1KWごとに再エネ賦課金を上げていかないと売電に対応できないため、徐々に金額が上がっているのです。
ー再エネ賦課金は今後も上がりますか?
2030年までは必ず上がるといわれています。2022年現在、固定価格買い取り制度(FIT制度)が終わる「卒FIT」の方が増えているため、一時は再エネ賦課金も下がると予想されていました。
想定以上に再生可能エネルギーの普及が進んだため、再エネ賦課金を上げないと売電に対応できない状況が続いています。向こう10年ごろまでは再エネ賦課金が下がることはないでしょう。
電力ひっ迫の夏!電気代を節約するポイントは?
最近、しばしばニュースで「電力ひっ迫」について取り上げられています。そもそもなぜ電力が足りていないのでしょうか。電気を節約する方法も合わせてお聞きしました。
電力ひっ迫の要因とは
ー電力ひっ迫の要因はなんですか?
原子力発電の代わりとして火力発電が全体の7割を占めるようになった一方で、火力発電所の老朽化が進み、全体の供給量が減っているためです。
電気代を節約する際、見直したい住宅設備は?
ー電気代を節約するときに見直したほうがよい住宅設備はなんですか?
電気温水器やエコキュートは、購入から10~15年ほど経ったものは買い替えた方がよいでしょう。電気温水器は壊れにくいため20年以上使っているという方もいますが、新しいものに取り替えるだけでも電気代の7割を削減できるといわれています。
10~15年前のエコキュートを使っている方も20%ほど効率はよくなるため、買い替えの時期になっている方は見直すのがよいかと思います。
ー住宅設備を見直す際に気を付けるべきことはありますか?
現在は半導体不足で1~2か月待ちになることが多いため、どういった住宅設備に買い替えるかは自分で調べておくとよいでしょう。
長く続けられる電気代の節約方法とは
ー長続きする電気代の節約方法はありますか?
空気を循環させて効率的にエアコンを使うことです。暖かい空気は部屋の上部に溜まりやすいため、空気を循環させないとエアコンの効きが弱くなります。
基本的な部分では、エアコンのフィルター掃除はもちろん、エアコン上部にある冷却フィンも掃除することが大切です。
ー基本的なことを意外と忘れがちですよね!
そうですね。少し贅沢なことをいうのであれば、電気代をHEMS(ヘムズ)で確認するのもよいと思います。
ーHEMSとはなんですか?
HEMSとは「Home Energy Management System(ホーム エネルギー マネジメント システム)」の略で、その家が消費するエネルギーをすべて見える化するシステムのことです。
電気代をどのくらい使っているのか確認することで、自然と節電の意識が高まります。
普及が進む太陽光発電や蓄電池を導入するには?注意点を解説
普及が進む太陽光発電や蓄電池を導入する際は、どのようなことに注意すればよいのでしょうか。導入のポイントをお聞きしました。
固定価格買い取り制度の経済効果を確認する
ー太陽光発電を導入する際に気を付けたいポイントはなんですか?
10年間の固定価格買い取り制度で予想される経済効果と、固定価格買い取り制度が切れた11年目からの経済効果がどう変わるか見ておくことが大切です。太陽光パネル自体は30~40年以上もつため、売電価格が保証されている期間以降の経済効果も確認しておきましょう。
自分の家に合う太陽光パネルを選ぶ
ー太陽光パネルはどう選べばよいのでしょうか?
太陽光パネルは、現在の電気使用量を確認して家庭に合った容量のものを付けましょう。
太陽光パネルが小さいと必要な電気量を賄えませんし、パネルが大きすぎても、売電価格が1KWあたり16~17円なので売ってもあまり意味がありません。
家族に合った太陽光パネルを付け、無理なく自家消費ができる環境をつくることが大切です。
ーそのほか太陽光パネルについて注意すべき点はありますか?
太陽光パネルは屋根に穴を開けてボルトで留めるアンカー工法が基本のため、屋根に穴を開けたくないという方は屋根材選びに注意しましょう。
たとえばガルバリウム鋼板という金属素材の屋根の場合、掴み金具で太陽光パネルを設置するため屋根を傷つけずに施工できます。新築で太陽光パネルを付けられる方は穴を開けたくないという要望を持つ方も多いため、屋根に穴を開けずに施工できる屋根材を調べておくとよいでしょう。
太陽光発電の業者を選ぶポイント
ー太陽光発電の業者を選ぶ際、何かポイントはありますか?
複数の業者に相見積もりを取り、わからないことは何でも質問することが大切です。大きなお金が動くため、複数の業者を見比べながら検討しましょう。
蓄電池の導入で気を付けるべきこと
ー蓄電池の導入で気を付けるべきことはなんですか?
蓄電池は同じ金額で容量が少ないものと大きいものがそれぞれあるため、金額だけでなく性能もチェックしましょう。
ー蓄電池の性能はどのように確認すればよいのでしょうか?
モバイルバッテリーと同様に「充電から放電」で1サイクルとなっており、このサイクルをどれだけ繰り返せるかで性能が大きく異なります。
2~3年前は6,000サイクルまでのものが多かった一方、現在は12,000サイクルほどの性能を持つ蓄電池が増えました。
近年はさまざまな機種が登場して使い勝手も違うため、パッと見た金額が同じでもサイクル数は半分以下だったというケースもあります。どの程度充放電を繰り返せるかという性能面にも注目して蓄電池を検討することが大切です。
まとめ
いかがでしたか?一戸建てにかかる電気代の内訳や電気代値上げの要因をはじめ、太陽光発電や蓄電池の導入に関するポイントなど、様々なことを学べましたね。
一戸建てにかかる電気代は、毎日ちょっとした工夫を施すことで大幅に節約できます。一戸建てにかかる電気代はどのくらいなのか、ライフスタイルを見直しながら確認し、かしこく節約していきましょう!
会社名 | 株式会社ユーニヴァース |
代表 | 西村 彰文 |
所在地 | 静岡県静岡市葵区駒形通6丁目7番地18号市川ビル1F |
電話番号 | 054-266-3391 |
設立 | 平成7年1月 |
事業内容 | 住宅用太陽光発電システム
家庭用蓄電池システム オール電化システム(エコキュート、IHクッキングヒーター) 販売・施工・保守・管理 |
公式サイト | https://universe-co.com/ |
YouTube | https://www.youtube.com/channel/UCSR8mExKYAexaYj3_zncjzw |