おしゃれな切妻屋根にする5つのポイント|デザインの実例も紹介

2022年10月7日

この記事では、切妻屋根とはどういったものか、切妻屋根のメリット・デメリット、おしゃれな切妻屋根の家にするためのポイントを解説し、さらにデザインの実例をご紹介します。これを読んで切妻屋根の家を建てるポイントを知っていただき、注文住宅を建てる際に役立ててみてください。

 

切妻屋根とは

切妻屋根は家の上に本を「へ」の字に伏せたような形の屋根です。単に「切妻」や「三角屋根」などと呼ばれることもあります。屋根の最頂部にあり屋根を支える部分を「棟」、棟の方向に渡してある材木を「桁」と呼びます。

「妻」とは棟の両端にある屋根の端(つま)を意味し、切妻は屋根の妻を切った形を表しているため「切妻」と名づけられました。屋根の最頂部である棟から地面に向かい2つの傾斜面がみられます。

屋根のデザインには切妻屋根のほかに「片流れ屋根」「陸屋根」などがあります。くわしくは下記ページを参考にしてみてください。

「おしゃれな一戸建てのデザインとは?人気のテイストや注意点も解説 – 屋根のデザインにこだわりがある」

 

切妻屋根のメリット

切妻屋根の家には、

  • ・価格を抑えられることが多い
  • ・工期が短い
  • ・雨漏りが少ない
  • ・雪が積もる量を制御しやすい
  • ・換気がしやすい
  • ・ロフトをつくりやすい
  • ・太陽光パネルを設置しやすい

といったメリットがあります。
ひとつずつ見ていきましょう。

 

価格を抑えられることが多い

切妻屋根は形がシンプルなため、ほかの屋根と比べると、材料となる木材が少なくすみ、建築工事も簡単になります。そのため、材料費・人件費を軽減でき、住宅の価格を抑えられることが多いのが特徴です。注文住宅を建てるコストをなるべく抑えたい方に、切妻屋根は適しています。

 

工期が短い

切妻屋根はシンプルな形のため、ほかの形の屋根とくらべると工期が短いことがメリットです。よって、待機期間中の仮住居の賃貸料あるいはホテル滞在費を抑えられます。

 

雨漏りが少ない

切妻屋根は2つの屋根面で棟をつなぐため、つなぎ目から雨が侵入しにくくなります。また、屋根に勾配があり雨が流れやすいのも特徴です。この2点から雨漏りが少なくすみます。

 

雪が積もる量を制御しやすい

雪が多い地域では切妻屋根の勾配を大きくすることで積雪の量が少なくすみます。また、屋根に雪を溶かす設備をつける際にも便利です。

 

換気がしやすい

切妻屋根は屋根下の構造が三角になり、室内の暖気は三角屋根の一番上にたまります。三角屋根の一番上に換気口を設けると換気しやすくなり、湿気が多い地域でも湿気対策ができる点がメリットです。

 

ロフトをつくりやすい

三角屋根の裏側にデッドスペースがあり、ロフトや収納をつくりやすいのもメリットです。家の収納が十分にあれば家の中が片付きます。

 

太陽光パネルを設置しやすい

切妻屋根の形はシンプルで適度な勾配があり、太陽光パネルを設置しやすい形状です。そのため、工事の下準備も少ないといわれています。

 

切妻屋根のデメリット

一方、切妻屋根のデメリットには次のようなものがあります。

  • ・妻側の外壁が劣化しやすい
  • ・個性を出しにくい
  • ・特定の面だけに紫外線・風雨が当たる

詳しく見てみましょう。

 

妻側の外壁が劣化しやすい

切妻屋根の妻側の外壁は屋根で守られておらず、風雨にさらされる頻度が高いため劣化しやすくなります。そのため、妻側の外壁から雨漏りすることもあります。

 

個性を出しにくい

切妻屋根はシンプルなデザインのため飽きがこないというメリットはありますが、個性を出しにくいことがデメリットです。

 

特定の面だけに紫外線・風雨が当たる

切妻屋根の場合、片面にだけ紫外線・風雨が当たり、劣化が早まることがあります。また、日光の当たりが悪い側は結露しやすいのもデメリットです。

 

おしゃれな切妻屋根の家にする5つのポイント

おしゃれな切妻屋根の家を建てるためには、次のようなポイントをおさえましょう。

  • ・切妻屋根の勾配を決める
  • ・屋根の軒の出方を決める
  • ・窓の配置を考える
  • ・妻と桁のどちらを見せるか選ぶ
  • ・アクセントをつける

 

おしゃれな切妻屋根の勾配を決める

切妻屋根の勾配によって家のイメージが変わります。

  • ・勾配が緩い場合は柔らかくモダンな印象に
  • ・勾配を少しだけきつめにすると屋根が強調される
  • ・プロバンス風・南欧風の家と相性がよい
  • ・さらに勾配を強くするとインパクトが強くなる

間口の狭い家の場合には縦の長さを強調してバランスをとるとよいでしょう。

 

屋根の軒の出方を決める

妻側の屋根に軒を出すと落ちついた雰囲気で、軒を短くするとモダンな印象になります。また機能の面でも、軒を出したほうが妻側の外壁に雨が当たりにくくなり劣化を防げ、軒の下を縁側として使えるのもメリットです。

 

窓の配置を考える

切妻の家をおしゃれにするために窓の配置を工夫しましょう。窓をできるだけ省いてシンプルな壁面にする方法があるほか、窓を増やす場合はランダムに配置するとおしゃれです。間口の広い切妻屋根の家に大きな窓や開口部を配置するのもよい方法です。

 

妻と桁のどちらを見せるか選ぶ

土地の形や方角によって家の向きは変わりますが、切妻屋根の妻と桁のどちらを正面に見せるかによってイメージも変わります。妻を見せると三角屋根が見えてナチュラルでかわいらしいイメージになりますが、桁を見せると屋根面が見えて奥行きが出るので落ち着いたイメージになるのが特徴です。

 

アクセントをつける

切妻屋根はデザインがシンプルになりすぎることがあるため、アクセントをつけて変化を持たせるとよいでしょう。部分的にアクセントカラーを入れたり、玄関ポーチをつけたりする方法があります。

 

切妻屋根の家デザイン実例4選

切妻屋根の家のデザイン実例を4つ示します。

 

①オーソドックスな切妻屋根×小さな平屋でかわいく

屋根の勾配が緩いため、柔らかくモダンな印象を与えています。軒の出方は適度にあり、軒下に太陽光が当たるのを防いでいます。窓や玄関の配置はシンプルに抑え、玄関に奥行きを持たせることでアクセントをつけているのも特徴です。

 

②アイボリーの外壁にグリーンの切妻屋根でおしゃれな雰囲気に

アイボリーの外壁に、左右で段差のあるグリーンの切妻屋根を組み合わせた南欧風の平屋。レンガ状のサイディングがアクセントになっています。
軒の出方は妻側と桁側で同じくらいあり、全体に落ちついた雰囲気です。窓や開口部をランダムに配置し、変化を持たせています。

 

③片流れのような雰囲気でスタイリッシュに魅せる切妻屋根

切妻屋根でありながら片流れのような雰囲気をもつ屋根の家です。軒の出方は妻側と桁側で同じくらいあります。妻側の三角屋根を表に向け、妻側の壁色を落ちついた色合いのグレーにしているのが特徴です。重厚な玄関扉とエントランス階段、色違いのポストでアクセントをつけています。

 

④グリーン×紺色でクールな雰囲気に仕上げた切妻屋根

向きの異なる3つの切妻屋根を組み合わせ、妻側と桁側の特徴を両方とも生かしたおしゃれなデザインの家です。妻側の軒の出方は短めですが、桁側の軒の出方を深くし、縁側のようなイメージを出しています。間口の広い桁側に大きな開口部を設けているのも特徴的です。

 

まとめ:

切妻屋根の家は、シンプルな構造をしているため、価格を抑えつつ、おしゃれなマイホームを実現することができます。

ただし、なんとなくで選んでしまうと、他の家との差別化ができなくなってしまいます。窓の配置を考えたり、アクセントをつけるなど、理想的なマイホームにするための工夫を凝らしてみてください。