中2階ってどんな間取り?中2階の事例4選もご紹介!

2022年11月1日

1階と2階の間に設けるスペースである「中2階」は、間取りの活用次第でおしゃれさと機能性を両立できる空間に仕上がります。

今回は、中2階の特徴や実例を写真とともにご紹介!中2階のメリット・デメリットも解説します。

 

中2階のメリット

1階と2階の中間として用いる中2階には、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。ここでは中2階を設置するメリットをご紹介します。

 

縦の広がりが生まれ、開放感が出る

中2階は同じ部屋内で高低差をつくるため、縦に広い空間を実現できます。壁を設置しないつくりで開放感も演出でき、家を広く見せられる点が魅力のひとつです。

また平屋に中2階を導入すると、空間のメリハリもつくようになります。平屋はスペースが区切りにくいというデメリットがある一方、中2階を導入することで効率的に空間を分けることが可能です。

 

生活空間を有効活用できる

壁を取り付けて空間を分けると、部屋数が増える分廊下のスペースも必要になります。中2階の場合は部屋数を増やさずに空間を分けられるため、廊下に割くスペースを削減できます。また中2階の下部分の面積を広めに確保することで、一部屋増やすことも可能に

注文住宅は、限られた面積をいかに有効活用できるかがカギ。中2階を上手に活用することで、スペースを節約しながら空間を分けられます。

 

収納空間を広げることも

中2階の下部分を広めに設定できない場合は、棚のような収納スペースにするのもよいでしょう。効率的に収納スペースを増やせるため、すっきりと片づけやすい住宅に仕上がります。

 

適度な距離感で家族とのコミュニケーションも活発に

リビングなどの大きなスペースに中2階を設けると、簡単に空間を分けられます。壁で仕切られるわけではないため視界を遮らないのも大きなポイント。子ども部屋や書斎などの個室をつくると、それぞれが部屋にこもってしまい家族でコミュニケーションをとることが難しいというケースも考えられます。

中2階を活用して適度にコミュニケーションをとれる間取りにすることで、家族の仲もぐっと深まる住宅に仕上がります。

 

中2階のデメリット

中2階は多数のメリットがある一方、やはりデメリットも。中2階を導入する際のデメリットやリスクを解説します。

 

建築費用が高くなる

中2階は一般的な間取りの住宅より材料費がかかるだけでなく、耐震への備えに関する費用も必要です。床面積も大きくなるため家の資産価値が上がり、固定資産税も高くなります。

中2階を導入する際は、コスト面も考慮する必要があると把握しておきましょう。

 

空調効率が悪くなる

中2階は壁で部屋を仕切るわけではないため、空調効率がどうしても悪くなりやすい点がデメリットです。LDK(リビング・ダイニング・キッチン)に中2階を設ける場合は、1つのエアコンで空調を管理します。

暖かい空気は上に、冷たい空気は下に溜まりやすいため、断熱性能を高めたり空気の循環を促進させるなどの工夫が必要です。

 

転倒リスクがある

階段のある住宅にもいえることですが、やはり転倒リスクは避けて通れないでしょう。階段を設けるタイプの中2階では段差があることに気づきやすい一方、小さな段差のみ設置されているケースでは、段差に気づかず転倒してしまうリスクも考えられます。

そのほか段差が高い中2階は上り下りの際、足腰に負担を与えやすいともいわれています。転倒リスクやバリアフリーの観点から考えると、中2階は一定のリスクがあるといえるでしょう。

 

中2階の事例4選!

おしゃれな中2階にするには、多くの事例を参考にして家族に合った設計を行うことが大切です。おしゃれで機能的な中2階の事例をご紹介します。

 

中2階の下部分をホビースペースに

中2階の下部分を広く使い、ホビースペースとして活用しています。段下げにして縦の空間を広くしており、くつろぎやすい空間に。

通常では天井高の問題で収納スペースにしがちですが、空間を広げればひとつの部屋としても使えます。

ホビースペースの上部は夫婦の趣味スペースに。手すりや壁は、視線が合わないように高めに設定しています。

完全に空間を仕切らない設計で、適度なプライバシーを確保しながらもコミュニケーションのとれる間取りになっています。

 

大胆!中2階の下部分をすべて蔵収納に

中2階に子ども部屋を設置し、下部分をすべて蔵収納にした大胆な事例も。天井高が低いことを考慮してキャスター付きの台車を常備し、足腰に負担がないように工夫しています。

平屋はどうしても部屋のスペースが限られるため、収納スペースをどう設けるかは悩みどころ。中2階を蔵収納として活用することで、効率よく収納スペースをつくることができます。

 

縦の空間を広く使った中2階

2階建てで階段の間に中2階を設置すると、縦の空間を広く見せられます。中2階の下部分はスペースを広く取り、和室としても活用しています。

和室は団下げにして縦の空間を広く保っている点もポイント。LDKとのスペースも効率よく区切ることができます。

中2階はちょっとしたワークスペースとして活用できるよう、机を設置。LDKを見渡せる間取りで、おしゃれな空間となっています。

 

中2階とLDKをデコ窓で区切っておしゃれに

中2階とLDKをデコ窓で区切り、おしゃれな空間に仕上げています。デコ窓とは、通常壁で仕切るところを窓で仕切る「室内用窓」のこと。壁と違って空間が見えるため、開放感を演出できます。

LDKとの空間を窓で区切り、空調効率を高めている点もポイントです。中2階では空調効率が悪いというデメリットがある一方、デコ窓にして空間を仕切ることで冷暖房が効きやすいよう工夫しています。

 

中2階に適したケースとは?

中2階を設置するか検討する際は、中2階に適している土地や間取りかどうかも考えるとよいでしょう。

中2階に適したケースを解説します。

 

土地が限られている

15坪以下の狭小住宅では、限られた空間を有効活用できる中2階がおすすめです。

都会や駅近などの土地の場合はより小さな敷地に建てるケースが多いため、十分なスペースを取ることが難しいでしょう。中2階であれば1階と2階の間にスペースを設けられるため、効率的にスペースを確保できます。

 

延べ床面積を小さくしたい

延べ床面積を小さくしたいケースでも、中2階が向いています。天井高が1.4m以下の空間であれば、延べ床面積に算入しなくてよいといわれているためです。

延べ床面積が大きくなるほど固定資産税はかかるため、中2階を設置する際は天井高にも注意するとよいでしょう。

 

土地に高低差がある

完全にフラットな土地を選ぶのは難しいため、多少高低差のある土地になってしまうケースも考えられます。土地の高低差を利用して、床の低い部分を1階、高い部分を中2階にすることで、土地の高低差を有効に活用できます。

 

まとめ

いかがでしたか?中2階は多くのメリットがある一方、考慮すべきデメリットもあるとわかりましたね。

中2階はアイデア次第でさまざまな空間に活用できる点がポイントです。限られたスペースを上手に生かしながら、暮らしやすい中2階の家をつくっていきましょう!