東京都の路線価が高いのはどこ?路線価を調べる方法もご紹介!
不動産を取得する際には「路線価」も参考にしたほうがよいとされています。路線価とは、国税庁が毎年7〜8月頃に公表する土地の価格を示すもの。ただ、路線価の意味や具体的な目的についてくわしく知らない方も多いのではないでしょうか。
この記事では路線価の概要や東京都の路線価ランキング、路線価の調べ方についても解説します。また東京都の路線価がもっとも高い地域についてもご紹介していますので、不動産の取得を考えている方はぜひ参考にしてみてください。
そもそも路線価とは?
ニュースや新聞などで「路線価」という言葉を耳にしたことがある方も多いでしょう。路線価とは、国税庁が公表する地価指標のひとつです。公的機関が公表する地価指標には、ほかに国土交通省が3月に公表する「公示地価」、9月に公表される「基準地価」もあります。
ここでは路線価についてくわしく解説しつつ、公示地価や基準地価との違いについてもご紹介します。
主要な道路に面した1㎡あたりの価額
路線価とは、その年の1月1日時点における「主要な道路に面した1㎡あたりの土地の価額」のことです。国税庁が毎年7〜8月頃に公表しています。
路線価といっても「相続税路線価」「固定資産税路線価」と大きく2つに分けられ、主に相続税や贈与税を計算する際の財産評価基準として活用されます。
相続税路線価は、国土交通省土地鑑定委員会が毎年3月に公表する「公示地価」の8割を目安に設定される価格です。固定資産税路線価も同様に、国土交通省土地鑑定委員会が公表する公示地価の7割を目安に設定している価格です。
公示地価との違い
土地の価格を表すものに「公示地価」もありますが、公示地価は主に「公共事業用地の取得価格算定の基準」として活用されます。公示地価は国土交通省が毎年3月に公表しており、その年の1月1日時点における全国にある標準地の土地価格のことです。
公示地価は「公示価格」とも呼ばれ、2人以上の不動産鑑定士がそれぞれ鑑定を行い、その結果を加味して公表されます。土地取引の基準となる価格であることから、その土地がもつ価値を最大限に評価されるよう鑑定が行われます。
注意したいのは、公示地価は実勢価格ではない点です。同じ標準地付近の土地であっても、公示地価と実勢価格で大きく差が開くケースもあります。
基準地価との違い
基準地価(基準地標準価格)も土地取引の指標となる土地価格のことです。具体的には土地取引規制による価格審査や地方公共団体などによる買収価格算定の指標とするために調査されます。各都道府県が主体となり、毎年7月1日を基準日として9月頃に公表されます。
基準地価の評価方法と公示地価の評価方法に大きな違いはありません。ただし、公示地価は都市計画区域内を調査対象としている一方で、基準地価は都市計画区域外も調査対象としています。
公示地価は3月に公表され、基準地価はその半年後である9月に公表されることから、評価の動向を測ることも可能です。
東京都の路線価ランキング1位は「中央区銀座5丁目 銀座中央通り」
国税庁が公表している『令和4年分都道府県庁所在都市の最高路線価』によると、令和4年分の東京都の路線価ランキング1位は「中央区銀座5丁目 銀座中央通り」で4,224万円です。
令和3年分は同じく「中央区銀座5丁目 銀座中央通り」の4,272万円であったため、路線価は減少傾向であることがわかります。
東京都に近い地域では、千葉県の「中央区富士見2丁目 千葉駅前大通り」が124万円、神奈川県の「西区南幸1丁目 横浜駅西口バスターミナル前通り」が1,656万円、山梨県の「丸の内1丁目 甲府駅前通り」が26万円です。
東京都近辺でも路線価に大きな差があることがわかるでしょう。
以下の記事では、公示地価ランキングTOP10をご紹介しています。ぜひ参考にしてみてください。
東京都の路線価を調べる3つの方法
路線価を一般の人が知るのは難しいのではと思う方もいるでしょう。しかし、インターネット上で路線価を簡単に調べることが可能です。ここでは、東京都の路線価を調べる3つの方法をご紹介します。
1.国税庁の財産評価基準書
国税庁の『財産評価基準書』を用いて都道府県から市区町村、地名を選択することで相続税路線価図が表示され、路線価を調べられます。HPにはページの使い方や路線価の見方についても細かく記載されているため、はじめて路線価を見る方でも使いやすいでしょう。
また過去6年分まで遡って路線価を見ることも可能なため、評価動向の推移が見たい方にも便利です。
HPに記載されている路線価の見方を見てもわからない場合は、所轄税務署の「税についての相談窓口」で電話にて相談できます。相続税の申告で困った場合はぜひ利用してみてください。
(参考:財産評価基準書路線価図・評価倍率表/国税庁)
2.東京都主税局の路線価公開
東京23区の路線価は、東京都主税局の『路線価公開』によっても見れます。町名から選択して調べることも可能ですが、地図上からクリックして路線価を見ることも可能です。
そのため自分の住んでいる地域からすぐ近くの不動産を探している場合にも、地図を見ながら直感的に路線価を調べられます。
ただし、最新の修正された情報ではない場合があるため、正確な路線価を調べたい場合は国税庁の『財産評価基準書』か、所轄の税務署に尋ねるとよいでしょう。
(参考:路線価公開(23区)/東京都主税局)
3.資産評価システム研究センターの全国地価マップ
一般財団法人 資産評価システム研究センターが運営している『全国地価マップ』では、相続税・固定資産税どちらの路線価も調べられます。ほかにも地価公示・地価調査についても調べられるため、用途は幅広いといえるでしょう。
東京都主税局の『路線価公開』と同じように地図上で検索できるため、実践的に使いやすいのも魅力です。ただし、最新の情報が公開されるのが少し遅い点には注意しましょう。
(参考: 全国地価マップ/一般財団法人 資産評価システム研究センター)
路線価が高い土地を買うメリット・デメリット
路線価は、相続税や贈与税を調べるために用いられる価格になります。それではこれから不動産を取得するにあたって、路線価が高い土地を買うメリット・デメリットは何があるのでしょうか。ここでは路線価が高い土地を買うメリット・デメリットをご紹介します。
【メリット】金融機関から融資を受けやすい
路線価が高い土地は担保価値が高いため、金融機関から融資を受けやすいのがメリットです。路線価が高いということは、国が認める資産価値が高いエリアといえます。
過去の数値を含め、路線価の評価指標を見ることで将来的な土地の価格を予想する際にも役立つでしょう。
ただし、路線価は主に相続税や贈与税の評価に使われる指標のひとつに過ぎないため、一般的な不動産の売買価格とは異なる点に注意が必要です。
【デメリット】税金が高くなる
路線価が高い土地、すなわち資産価値が高い土地は税金も高くなります。不動産取得に関わる不動産取得税や登録免許税、そして毎年の固定資産税が高くなる点に注意しましょう。
また路線価が高い土地に住み、将来的に子どもに贈与したり相続したりする場合にも税金が高くなります。税金を安く抑えたいのであれば、路線価が低い土地を探して住むとよいでしょう。
まとめ:不動産の購入は路線価も参考にしよう!
不動産投資、あるいは住居としての不動産購入は、路線価も参考にしてみてください。路線価を知ることで、将来的な相続税や贈与税の目安を知れます。
東京都の路線価は国税庁の『財産評価基準書』や東京都主税局の『路線価公開』によって調べられます。ただ、本格的な路線価の計算の仕方は専門的な知識を要するため、くわしく知りたい方は所轄の税務署で専門家に相談するとよいでしょう。