和室収納を充実させる6つのポイント! DIY のアイデアもご紹介

2023年6月5日

和室収納は洋室と比べて難しいとよくいわれます。また和室の収納空間といえば押入れのイメージが強いですが、使いづらいと感じることはないでしょうか。

この記事では和室収納が難しいと感じる原因を踏まえたうえで、和室収納を充実させるためのポイントについて解説します。さらに、DIYで和室の収納空間を増やして充実させるアイデアもご紹介しますので、最後までチェックしてください。

 

和室の造り付け収納の種類

近年では和室の機能や使い方の多様化とともに、収納空間も少しずつ変化しています。

伝統的な和室と現代的な和室の主な造り付け収納について、種類や特徴を比べてみましょう。

 

伝統的な和室の造り付け収納

現代の和室でもよく見られる昔ながらの造り付け収納について、それぞれの特徴を解説します。

押入れ

押入れは伝統的な日本家屋でも現代的な住宅でもよくある和室の造り付け収納で、畳のサイズをベースとしてつくられています。
上下2段で奥行きがあり、細かい仕切りがなく、布団などをざっくり収納しやすいサイズ感です。

ただし、ベッド生活で布団の頻繁な出し入れが不要になった現代的な暮らしでは、何を入れるか、どのように使うかを迷う人も多いでしょう。

天袋

天袋(てんぶくろ)とは和室の天井付近の収納で、主に押入れの上につくられます。奥行きは押入れと同じくらいで、高さは約20~30㎝程度です。

物を出し入れしにくい高い位置にあるため、めったに使わない荷物や節句飾りなど季節の物を収納するのに適しています。

地袋

地袋(じぶくろ)とは床に接してつくられた高さが低めの収納で、仏壇や飾り棚の下に設置されていることが多いです。

物を出し入れしやすい位置にあるため、重い物や頻繁に使う物の収納に適しています。子どもでも手が届く位置にあるため、和室を子ども部屋として使う場合は、おもちゃや絵本の収納場所にすると便利です。

 

現代的な新築住宅の造り付け収納

新築の住宅やマンションの和室で人気の高い造り付け収納2つとそれぞれの特徴をご紹介します。

吊り押入れ

吊り押入れとは、押入れを壁全面収納にせず、天井から3分の2程度のスペースを使って吊るしたような形に仕上げた収納です。

開いた下部に採光窓を取り付けると和室が明るくなります。対角線上にも窓があると風が抜けるため、通気性を確保したいときにもおすすめです。

風通しのよい吊り押入れ下の窓を採用したリビングの実例も参考にしてみてください。
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また、吊り押入れの下に床の間をつくるアイデアも人気が高くおすすめです。省スペースで収納も床の間もつくれるため和室がすっきり片付き、和の雰囲気も楽しめます。

小上がり下の引き出し収納

小上がりとは部屋の一角に設置される、床より一段高くしたスペースのことです。小上がりの上に畳を設置し、和室空間を楽しむ人も増えています。

また、小上がりの下の空間を活用して引き出し収納をつくると、収納家具を置かずに収納スペースを増やすことも可能です。

 

和室の収納は難しい?原因は?

和室は収納が難しいとよくいわれます。効果的な対策を考えていくために、和室収納が難しいといわれる原因を押さえておきましょう。

 

和室は洋室と比べて造りが小さい

現代的な戸建て住宅やマンションでは、和室の広さは4.5~6畳とするケースが多いです。一方で洋室は6~8畳と広めで、リビングはキッチンやダイニングとつなげたLDKで広さを確保する傾向があります。

もともとコンパクトな造りの和室に大きな家具を置くと圧迫感や生活感が出てしまい、和室の雰囲気を損ないがちです。そのため収納を増やしたくても、家具を設置しにくいという問題があります。

 

昔ながらの造り付け収納と現代的なライフスタイルのずれ

伝統的な日本の生活様式では和室は生活の場所であり、リビング兼寝室の役割を果たしていました。物や家具も少なく、朝起きて布団を押入れに収納してしまえば収納家具も不要でした。日中は広々としたリビングにお客様を通すこともできます。

しかし、日本人のライフスタイルがベッドで寝る生活にシフトし、物の所有量も増えたため、伝統的な暮らしに根ざした押入れが使いづらく感じることもあるでしょう。

 

和室の使い方が多様化

昔ながらの暮らしでは和室はリビングやダイニング、寝室の機能を兼ね備えた暮らしの中心でしたが、現代的な暮らしにおいては和室の用途は多様化しています。客間や仏間にする場合もあれば、子どもの遊び場や家事室、書斎にするなど、和室に求める機能も人によってさまざまです。

そのため用途に応じた荷物が増えやすく、特に客間と子どもの遊び場といったように複数の目的を兼ねている場合は収納が少なく感じられるでしょう。

また、特定の用途がなくなってしまうと物だけ残り、引き戸で目隠しできるため物置化してしまうケースも多いため注意が必要です。

 

和室の収納を充実させる6つのポイント

和室の雰囲気やくつろぎ感を損ねず、収納も充実させるためのポイントを6つご紹介します。

 

1.和室に収納する物を厳選する

コンパクトで物を置くと狭く感じられがちな和室では、家具や収納したい物を厳選する必要があります。

和室を客間として使用する場合は客用の布団、子ども部屋として使う場合は子ども服やおもちゃなど、和室の用途に必要な物だけに絞り込むと出し入れもしやすくおすすめです。

一定の量を超える場合は持ち物の量を見直すなど、ルールを決めておくとすっきりした和室を維持できます。

 

2.押入れのゾーニングと収納アイテムの活用

押入れは仕切りが少なく奥行きが深いため、収納したい物に合わせて前後左右をゾーン分けして使うのがポイントです。使用頻度や取り出しやすさを考えて、押入れの収納を計画しましょう。めったに使わない物は奥に、よく使う物は前面に配置すると使い勝手が上がります。

収納ケースやカラーボックスは、計画に応じて適した奥行きや高さのものを選びましょう。
押入れの奥まで有効活用しやすく引き出しやすいキャスター付きの収納ボックスや布団ラックもおすすめです。

 

3.収納家具は低めをチョイス

和室に家具を置いて収納を増やしたい場合は、家具の高さも重要なポイントです。高さのある家具の場合収納量は多いですが、置くと圧迫感や生活感が出やすく、和室のくつろぎ感を損ねてしまいます。

和室にはローチェストやローボードなど背丈を抑えた家具を選び、収納する物の量を厳選するようにしましょう。

 

4.和室に似合う収納家具(アイテム)を置く

収納家具を置く場合は、和室の雰囲気に似合うものを選びましょう。畳や柱、建具など自然素材をふんだんに使った和室には、同じく自然素材の木製家具がよく似合います。

また、和室と相性のよいテイストは和風や和モダンだけとは限りません。デザインがシンプルで温もりのあるナチュラルテイストや北欧テイストの木製家具も、和室とよく調和します。木目の色味を建具や柱に合わせて選ぶと、しっくりなじんでコーディネートしやすいです。

 

5.長押を見せる収納に活用

長押(なげし)とは、和室をぐるりと囲むように壁面上部に取り付けられた化粧部材の名前です。

長押にフックなどを取り付けると、簡単に見せる収納を増やすことができます。お気に入りの帽子や小物などを厳選してディスプレイすると取り出しやすく、おしゃれです。

 

6.しっかり除湿する

畳には調湿効果がありますが、湿気が多すぎて限度を超えると、カビやダニが発生しやすくなります。特に北側で日が当たりにくい和室は注意が必要です。定期的に風を通し、必要に応じて除湿アイテムを使って快適な湿度を保ちましょう。

また、奥行きのある押入れは湿気がこもりやすく、収納した物が湿気で傷んだり、カビやダニが発生したりしてしまうことがあります。すのこを敷いて風の通り道をつくったり、除湿剤を置いたりするなど、除湿対策は念入りに行いましょう。

物を詰めすぎないこと、ときどきサーキュレーターなどで押入れの空気を攪拌することも、効果的です。

 

和室収納をもっと充実させるDIYアイデア4選

和室ならではの収納をもっと充実させたい人におすすめの、簡単なDIYのアイデアを4つご紹介します。

 

1.押入れを突っ張り棒でクローゼットにする

和室に洋服を収納したい場合は、押入れをクローゼットとして使うと便利です。

新築やリフォームで和室をつくる場合は、押入れの代わりにクローゼットを設置することもできるでしょう。

既存の押入れを活用する場合は、突っ張り棒を渡すと大容量のクローゼットをつくることが可能です。突っ張り棒を設置したりポールをネジで取り付けたりする場合は、必ず柱が入っている位置に設置してください。

下段に突っ張り棒を渡して子ども服をかければ、小さな子どもでも自分で洋服を選べます。

 

2.床の間を有効活用して収納空間にする

大きくて使わない床の間がある場合は、大容量の収納空間としてスペースを有効活用できます。

棚や引き出しなどの収納アイテムを置いたり、突っ張り棒やポールを渡したりすればクローゼットにすることも可能です。

そのままでもよいですが、カーテンを取り付けると和室に似合わない収納ケースなどをすっきり目隠しできます。

 

3.小上がりを後付けして収納も増やす

小上がりはDIYで後付けすることもできます。

小上がりの段差を活用して床下収納をつくることも可能です。引き出し付きの小上がりと後付けできる畳を購入すれば、手軽に設置できます。

 

4.小物収納ラックで見せる収納をつくる

ホームセンターや100円ショップでも手に入る板やすのこを使うと、簡単に見せる小物収納ラックをつくることができます。

作り方は3枚の板やすのこをコの字型にネジで固定するだけ。基本のコの字ラックを並べたり重ねたりすると、収納量を増やすことも可能です。

完成したラックを塗装するとき、柱や建具の色に合わせると和室にしっくりなじんで調和がとれます。和室のおしゃれなフォーカルポイントにしたい場合は、アクセントカラーで塗装するのもおすすめです。

 

まとめ:ポイントやDIYのアイデアを参考に、和室の収納を充実させよう

和室に求める機能や使われ方が多様化するとともに、和室収納のあり方も変化しています。
そのため昔ながらの和室収納は使いづらいと感じたり、和室を新築するときに収納に迷ったりする人も多いでしょう。

この記事では和室の雰囲気やくつろぎ感を損ねることなく、和室収納を充実させるポイントやDIYでおしゃれに収納を増やすアイデアをご紹介しました。

ポイントやDIYのアイデアを参考に、和室がもっと快適になる収納を工夫してみてください。