長期優良住宅のメリット5つ | デメリットや失敗を防ぐポイントも解説

2023年6月15日

「長期優良住宅のメリットって何?」
「長期優良住宅で失敗しないためのポイントを知りたい」
このようにお考えではないですか?

長期優良住宅について、高い性能を備えていることは知っていても、具体的にどのようなメリットがあるのかわからない方もいらっしゃるでしょう。

この記事では、長期優良住宅のメリットやデメリット、手続きの流れや失敗しないためのポイントについて解説します。

長期優良住宅を建てるかどうか悩まれている方は、ぜひ最後まで読んでみてください。

 

長期優良住宅とは

長期優良住宅とは「長期優良住宅の普及の促進に関する法律」に定められた、長期間にわたって良好な状態で使用できるように建築された住宅のことです。耐震性や省エネ性などについて、高い性能を備えており、長期間快適に暮らせる設備が整備されていることなどが求められます。

長期優良住宅の認定を受けるには、着工前に「長期優良住宅の建築及び維持保全に関する計画」を作成し、都道府県や市町村など所管行政庁へ申請することが必要です。

所管行政庁が申請内容に基づいて適合審査を行い、認定されると認定通知書が交付されます。

 

長期優良住宅のメリット5つ

長期優良住宅には以下5つのメリットがあります。

① 優遇制度がある
② 補助金を活用できる
③ 価値が下がりにくい
④ 快適な暮らしができる
⑤ 資産価値を高められる

それぞれ見ていきましょう。

 

① 優遇制度がある

長期優良住宅の認定を受けることで、さまざまな優遇措置が受けられます。

例を挙げると、住宅ローン金利の優遇や地震保険料の割引、住宅ローン減税措置や固定資産税の軽減措置延長などです。

高い住宅性能を誇る長期優良住宅だからこそ得られるメリットといえます。

 

② 補助金を活用できる

長期優良住宅に認定されることで受給できる補助金があります。

具体的には、子育て世帯や若者夫婦世帯が行う住宅新築について、1戸あたり100万円を補助する「こどもエコすまい支援事業」や、地域の工務店グループ等により建築される省エネ性能などを備えた住宅について、1戸あたり最大で135万円がもらえる「地域型住宅グリーン化事業」などです。

そのほか、市町村によって独自の補助金制度を設けている自治体もあります。

 

③ 価値が下がりにくい

価値が下がりにくいことも、長期優良住宅のメリットです。

長期優良住宅は、一般の住宅に比べて高い性能を備え、長期的に使用可能なことが保証されています。このため、新築時から徐々に下がっていく住宅の資産価値について、下がり幅を抑えることが可能です。

将来的に売却する場合でも、比較的高い売却価格が望めます。

 

④ 快適な暮らしができる

長期優良住宅は、快適な暮らしができることもメリットです。

長期優良住宅の要件には、耐震性や省エネ性だけでなく、居住環境や住戸面積なども含まれており、快適な暮らしができることも求められています。

性能の高さに裏付けされた快適性が得られることは、長期優良住宅を建てる大きなメリットといえるでしょう。

 

⑤ 資産価値を高められる

資産価値を高められることも、長期優良住宅のメリットです。

長期優良住宅の認定を受けることで、住宅の耐震性や省エネ性、快適性について証明できるため、一般の住宅に比べてその価値を高められます。

住宅を売却する際にも、認定長期優良住宅として高値での売却が期待できるでしょう。

 

長期優良住宅のデメリット4つ

長期優良住宅のデメリットは、以下の4つです。

① コストがかさむ
② 設計・建築期間が長くなる
③ 申請による負担が大きい
④ 継続的なメンテナンスや手続きが必要

それぞれ解説します。

 

① コストがかさむ

長期優良住宅の建築には、一般の住宅に比べ費用がかかります。認定要件を満たすために、追加工事などが必要になるからです。

省エネ性により、生活上の水道光熱費などは抑えられますが、建築時の費用がかさむことは、長期優良住宅の大きなデメリットといえます。

 

② 設計・建築期間が長くなる

長期優良住宅は、設計・建築期間が長くなることもデメリットです。長期優良住宅の要件を満たす設計を行う必要があり、建築にも手間がかかります。

そのため、住宅にできるだけ早く住みはじめたい方には向きません。

 

③ 申請による負担が大きい

長期優良住宅の申請による負担の大きさも、デメリットのひとつです。

所管行政庁への申請手続きの負担だけでなく、住宅メーカーなどとのやり取りも増加します。一般の住宅でのやり取りに加え、長期優良住宅の要件を満たすための設計・建築に関するやり取りが増えるためです。

長期優良住宅を検討する場合には、これらの負担についても頭に入れておきましょう。

 

④ 継続的なメンテナンスや手続きが必要

長期優良住宅は、建築後に定期的なメンテナンスや手続きが必要です。

具体的には、工事完了から10年以内に住宅の点検を行います。また、点検によって必要な修繕を行い、その記録を保管しておかなければなりません。

さらに、場合によっては維持保全計画書の見直しが必要です。

このように、建築後でも負担が発生することが、長期優良住宅のデメリットとして挙げられるでしょう。

 

長期優良住宅の認定を受けるまでの流れ

長期優良住宅の認定を受けるまでの流れは、以下の通りです。

① 住宅メーカーの選定
② 設計
③ 長期使用構造等確認の申請
④ 長期使用構造等確認書等の交付
⑤ 長期優良住宅の認定申請
⑥ 適合審査・認定

それぞれ解説します。

 

① 住宅メーカーの選定

まず、設計・建築を依頼する住宅メーカー等の選定を行います。

ポイントは、長期優良住宅の実績があるところを選ぶことです。実績が豊富であれば、設計や建築上のさまざまな要望に柔軟に対応してもらえます。

ホームページなども参考にしながら、自分のイメージに近い長期優良住宅の実例が掲載されている住宅メーカー等を選ぶとよいでしょう。

 

② 設計

住宅メーカー等を選定したら、住宅の設計について協議を進めます。はじめに自分のイメージや要望を伝え、それに応じた提案を受ける流れがよいでしょう。

なお、要望の内容によっては、長期優良住宅の要件面で実現が難しい場合もあります。そのような場合には、担当者と相談しながら要望に近い代わりの案を見つけましょう。

 

③ 長期使用構造等確認の申請

できあがった設計書などをもとに、任意で「長期使用構造等確認」の申請を行います。

この申請は、所管行政庁への申請(長期優良住宅の申請)前に行うことで、長期優良住宅の要件の中の「長期使用構造等であるか」という部分について要件を満たすか確認できます。任意ではありますが、この手続きを経るのが一般的です。

なお「長期使用構造確認」の申請は、住宅に関する性能について評価を行う「登録住宅性能評価機関」に対して行います。

 

④ 長期使用構造等であることの確認書等の交付

「長期使用構造等確認」に基づく「登録住宅性能評価機関」による審査を通ると、確認書等の交付を受けます。

この確認書等は、長期優良住宅の認定審査の際に資料として添付が可能です。

 

⑤ 長期優良住宅の認定申請

「長期優良住宅の建築及び維持保全に関する計画」や④で交付された確認書等の必要書類を揃えて、長期優良住宅の認定申請を所管行政庁に対して行います。

この申請は、住宅建築の着工前までに行わなければなりません。

 

⑥ 適合審査・認定

⑤の申請内容に基づき、所管行政庁が適合審査を行います。そして、審査を通過し認定を受けると、認定通知書が交付される流れです。

 

長期優良住宅で失敗しないためのポイント3つ

長期優良住宅で失敗しないためには、以下3つのポイントを押さえましょう。

① 活用できる制度を把握する
② 実績のある住宅メーカー等を選ぶ
③ コストについてシミュレーションを行う

それぞれ解説します。

 

① 活用できる制度を把握する

長期優良住宅には、もらえる補助金や活用できる優遇制度があります。これらの補助金や制度は、申請しなければ受けられない点に注意が必要です。

内容について理解した上で、漏れなく申請しましょう。

 

② 実績のある住宅メーカー等を選ぶ

長期優良住宅を建築する場合には、実績のある住宅メーカー等を選びましょう。実績豊富な住宅メーカー等であれば、イメージや要望に合わせた設計・建築を実現してくれます。

また、長期優良住宅の認定要件などにも詳しいため、状況に合わせてさまざまな提案を受けられるでしょう。

認定要件についてはこれまでも改正が行われており、2022年までと比べて2023年からの要件には変更点が生じています。実績のある住宅メーカー等であれば、これらの変更点も把握しているため、安心して依頼可能です。

 

③ コストについてシミュレーションを行う

長期優良住宅を検討する際には、コストのシミュレーションを十分に行いましょう。

長期優良住宅は性能が高い反面、そのための追加工事などで費用がかさみます。一方で、認定を受けることでもらえる補助金や活用できる優遇制度があります。

このため、通常の住宅に比べて増加するコストと、認定を受けて得られる補助金や優遇措置をシミュレーションし、自分にとって得になるか検討するとよいでしょう。

 

まとめ:長期優良住宅のメリット・デメリットを理解して認定を受けるか検討しよう

この記事では、長期優良住宅のメリットやデメリット、手続きの流れや失敗しないためのポイントについて解説しました。

長期優良住宅にはメリット・デメリットの両面があります。これらをしっかりと理解したうえで、認定を受けるか決めなければなりません。

この記事でご紹介した失敗しないためのポイントも参考にしていただきながら、長期優良住宅の認定が受けられる住宅を建てるか検討してみてください。