断熱材スタイロフォームの特徴|性能や断熱効果を高める方法も解説
「スタイロフォーム」は断熱性能の高さや施工のしやすさなどから、住宅用断熱材の定番として広く使われています。マイホームの新築やリフォームの際にスタイロフォームの名前を見聞きし、ほかの断熱材との違いが気になる人も多いのではないでしょうか。
この記事では、断熱材スタイロフォームの特徴やメリット、デメリットとその対策をくわしく解説します。スタイロフォームの断熱効果をさらに高める施工のアイデアや方法もご紹介しますので、ぜひ最後までチェックしてみてください。
断熱材スタイロフォームとは?
「スタイロフォーム」は、デュポンスタイロ社が製造する発泡プラスチック系断熱材の商品名です。
はじめに、スタイロフォームの主な特徴や価格について解説します。
スタイロフォームの特徴
スタイロフォームは「押出発泡ポリスチレン」と呼ばれる断熱材の一種で、ポリスチレン樹脂を発泡成型してつくられます。製造の過程で完全に独立した微細な気泡の中にガスが注入されており、熱の移動を抑えるクッションの役目をしています。
なお、発泡系の断熱材といえば、発泡スチロール(ビーズ法発泡ポリスチレン)がおなじみです。発泡スチロールとスタイロフォームは素材は同じですが、製法が異なります。
スタイロフォームの気泡はほかの発泡系断熱材と比べて均一で密度が高いのが特徴です。これにより、高い断熱性を発揮します。
スタイロフォームの厚みと選び方
スタイロフォームのサイズは30ミリや40ミリなど厚みによる規格があり、用途や使用箇所に応じて選べます。
また、断熱材の適切な厚さは「建築物省エネ法」に基づく断熱地域区分や住宅の構造などによって基準が定められています。スタイロフォームの場合も基準をもとに、必要な厚みの製品を使い分けることで高い断熱性能を発揮することが可能です。
参考:地域区分の見直し|国土交通省
スタイロフォームの価格
スタイロフォームはコメリやコーナンなどのホームセンター、通販サイトなどでも入手できます。通販サイトで建材を購入する場合は店頭引取りのみなどの決まりがあることが多いため、利用の際は必ず確認しましょう。
価格は厚みなどによって異なります。50ミリサイズの場合、1枚当たり約2,000円弱~7,500円程度で購入できます。
くわしくは、下記の参考価格表をご覧ください。
参考:スタイロフォーム 製品参考価格表|デュポン・スタイロ株式会社
スタイロフォームのメリット
断熱材スタイロフォームには、高い断熱性能を発揮するほかにもさまざまなメリットがあります。スタイロフォームを選ぶ主なメリット6つについて解説します。
熱を伝えにくく、断熱性能に優れている
スタイロフォームはガスが注入された微細な気泡が独立しているため熱を伝えにくく、断熱性能に優れています。そのため、外気の影響を受けやすい壁や屋根、基礎や床下などに施工するのがおすすめです。
施工によって室内の冷暖房効率も上がるため、エネルギー消費や光熱費も抑えられます。
熱伝導率が低く抑えられていることからも、スタイロフォームの断熱性能の高さがわかります。参考までに、建築現場でよく使用される商品(IB)ともっとも断熱性能が高い商品(FG)の熱伝導率は以下の通りです。
- ・スタイロフォームIB:0.036 W/(m・K)以下
- ・スタイロフォームFG:0.022 W/(m・K)以下
ほかの断熱材と特徴や断熱性能を比較したい方は、こちらの記事もご覧ください。
>>断熱材の種類と特徴|選び方や断熱効果・費用にかかわる工法も解説
加工が簡単で施工しやすい
スタイロフォームはカットや加工が簡単で、施工しやすい断熱材です。建築現場で隙間にぴったりなサイズに加工すれば、充填したときに気密性が高まります。
家庭用カッターでも簡単にカットできるため、住宅用建材としてはもちろんDIYでも施工しやすい資材です。ジオラマなど断熱材以外の用途にも使われます。
シロアリを防ぐ
スタイロフォームには製造の工程で防蟻剤(ぼうぎざい)が配合されています。そのため、基礎断熱や床下断熱に使用するとシロアリの侵入を防ぐ効果が期待できるでしょう。
環境や健康に配慮されている
スタイロフォームは環境や健康に配慮し、全製品において以下を実現しています。
- ・ノンフロン:オゾン層の破壊につながるフロンガスを不使用
- ・グリーン購入適合:環境に負荷の少ない物品調達を促すグリーン購入法の判断基準を満たす
- ・4VOC適合:建材から放散するトルエン・キシレン・エチルベンゼン・スチレン(4VOC)の放散速度が基準値以下
また、デュポン・スタイロ社は製造工程における廃棄物や排出物の削減、端材の回収やリサイクルにも取り組んでいます。
スタイロフォームのデメリットと施工の際の注意点
メリットが多いスタイロフォームですが、デメリットも理解したうえで選ぶことが大切です。ここでは、スタイロフォームのデメリットと施工上の注意点や対策を解説します。
紫外線により劣化しやすい
耐久性の高いスタイロフォームですが、紫外線による劣化には注意が必要です。
紫外線にさらされると、熱によって反りが生じたり、表面に黄変などが出たりしやすくなります。厚みの減少や接着不良により、断熱材としての効果が低下する恐れもあります。
保管時はもちろん施工時も日に当たらないよう、養生を徹底し、速やかに作業を進めましょう。
軽いため風にあおられやすい
軽さが魅力のスタイロフォームですが、板状で風にあおられやすいため注意が必要です。
強風の日はできるだけ作業を控えましょう。また、一時的に屋外に保管する場合はシートをかけて重石を添えると、紫外線とともに飛散も防げます。
衝撃に弱い
スタイロフォームは施工に耐える強度がありますが、局部的に衝撃や荷重が加わると割れやすいという弱点があります。
保管時や施工中は、上に乗らないよう注意が必要です。特に、床など下地がない箇所に施工する場合は誤って踏み割らないようにしましょう。
土間用に工場で防湿フィルムを一体成型した、衝撃に強く割れ欠けしにくい商品もあります。
スタイロフォームの断熱効果を高める方法
断熱材はそれぞれの特徴を押さえ、使い方や施工の工夫によって弱点を解消したり効果を上げたりすることが可能です。
ここでは、スタイロフォームの断熱効果を高める方法を2つご紹介します。
遮熱シートとの併用がおすすめ
スタイロフォームは遮熱シートと併用することで弱点を克服し、断熱効果を高めることが可能です。遮熱シートとは、アルミ箔をシート状に加工した遮熱材のことで、強い日差しによる輻射熱(ふくしゃねつ)を抑える効果があります。
断熱材は伝導熱(物体を通して移動する熱)や対流熱(水や空気を通して移動する熱)をブロックしますが、輻射熱は抑えられません。輻射熱には体感温度を上げる作用があるため、夏の暑さ対策には遮熱シートとの併用が効果的です。
施工実績が豊富な業者を選ぶ
新築やリフォームの際はスタイロフォームを熟知し、施工実績が豊富な建設会社を選びましょう。
前述の通り、断熱材の種類や厚みの選び方は地域や施工箇所によって異なります。そのため、スタイロフォームの断熱性能を最大化・持続化するには、スペックや効果的な施工方法についての知識や経験が必要です。
ホームページで実績を確認するのはもちろん、気になる点はメールや電話で質問して信頼のおける業者を見極めましょう。
まとめ:スタイロフォームの厚みや断熱性能などの特徴を押さえて、効果的に施工しよう
現代の高気密・高断熱住宅に欠かせない断熱材スタイロフォームは、そのスペックを踏まえた施工により、優れた断熱効果を発揮します。また、衝撃による破損や紫外線による劣化を避けることで、断熱性能を長く維持することが可能です。
住宅の新築やリフォーム、DIYでスタイロフォームを施工する際の参考にしてください。
