すまい給付金の期限が延長?給付を受けるための要件や申請方法についてくわしく解説

2022年8月25日

すまい給付金は住宅取得者に対して最大50万円支給される制度です。この制度は令和3年12月まででしたが、一定期間内に住宅取得における契約をした場合、令和4年12月まで利用できるようになりました。

ここでは、すまい給付金とはどのような制度なのか触れつつ、対象要件や申請方法について解説します。

 

すまい給付金とは?

すまい給付金とは消費税率引上げにともなう住宅取得者の負担を軽減するために創設された制度です。住宅を取得した人に対し、現金が支給されます。

似たような制度で、「住宅ローン控除制度」があります。これは住宅取得でローンを組んだ際に、所得税を一部軽減する制度です。

すまい給付金は住宅ローン減税と併用できるため、住宅取得者にとってはお得な制度となります。

FP(ファイナンシャルプランナー)による解説なら、すまい給付金についてよりくわしく知ることができます。
>>すまい給付金とは?FPがくわしく解説

 

すまい給付金の対象となる住宅の引渡し・入居期限が延長

すまい給付金は、平成26年4月から令和3年12月まで実施された制度でした。しかし、以下の期間に契約した場合は、令和4年12月31日までに住宅が引渡され、入居が完了していれば本制度が受けられます。

【新築住宅】
注文住宅の新築の場合:令和2年10月1日〜令和3年9月30日
分譲住宅の取得の場合:令和2年12月1日〜令和3年11月30日

【中古住宅】
令和2年12月1日〜令和3年11月30日

新築住宅・中古住宅でそれぞれ対象要件が異なるため、詳細はすまい給付金のホームページにてご確認ください。

(参考:対象要件(中古住宅) 住宅ローンの利用がある場合

(参考:対象要件(中古住宅) 住宅ローンの利用がない場合(現金取得者)|すまい給付金

 

すまい給付金の対象となる人と要件

すまい給付金を利用できるかどうかは、対象者の年齢や住宅の要件、住宅ローンの有無によって異なります。ただし、これから住宅を取得しようと思っても利用できない点には注意しましょう。ここではすまい給付金の対象となる人と要件をご紹介します。

 

給付金を利用できる対象者

給付金の対象者となるのは、以下の要件を満たした人です。

・住宅を取得し、本人が居住する
・年収が650万円以下(家族構成によっては775万円以下)
・住宅ローンを利用しない場合は、年齢が50歳以上

 

すまい給付金の対象となる住宅と要件

住宅の対象要件は、新築・中古・住宅ローン利用の有無によって変わってきます。注意すべきポイントは、床面積・住宅の性能です。ここでは、すまい給付金の対象となる住宅と要件をご紹介します。

 

新築住宅

新築住宅の場合、床面積が50平方メートル以上の住宅であることが要件です。しかし、以下の期間に契約した場合は、床面積が40平方メートル以上となります。

注文住宅:令和2年10月1日〜令和3年9月30日
分譲住宅:令和2年12月1日〜令和3年11月30日

また住宅ローン利用の有無によって対象要件が異なります。

【住宅ローンの利用がある場合】
施行中に現場検査を受け、以下3つのいずれかに該当する必要があります。

・「住宅瑕疵(かし)担保責任保険」へ加入
・建設住宅性能表示を利用する住宅
・住宅瑕疵担保責任保険法人と同等の検査が実施された住宅

【住宅ローンの利用がない場合】
住宅ローンの利用がない場合も、住宅ローンの利用がある場合とほとんど要件は変わりません。しかし、対象者の年齢が50歳以上であること、施工中に検査を受けていることに加え、2020年12月時点のフラット35Sと同等の基準を満たす住宅が対象となります。

フラット35Sの基準は、耐震性に優れているか、省エネに優れているかなどが基準です。

 

中古住宅

給付の対象となる中古住宅は、売主が宅地建物取引業者である中古住宅(中古再販住宅)のみとなります。そのため、売主が個人の場合は対象となりません。

また床面積が50平方メートル以上の住宅が条件とされていましたが、、令和2年12月1日から令和3年11月30日までに契約した場合は、40平方メートル以上が対象要件です。

中古住宅の場合も、住宅ローンの利用によって対象要件が異なります。

【住宅ローンを利用する場合】
・既存住宅売買瑕疵保険への加入
・既存住宅性能表示制度を利用した住宅
・建設後10年以内で、住宅瑕疵担保責任保険に加入している住宅または建設住宅性能表示を利用している住宅

【住宅ローンを利用しない場合】
・住宅取得者の年齢が50歳以上

 

すまい給付金の給付額は?

すまい給付金の給付額は、以下のように住宅取得者の収入や不動産登記上の持分割合により決まります。

・給付額=給付基礎額×持分割合

給付基礎額は、住民税によって決定します。引越し前に市町村から発行される個人住民税の課税証明書から確認可能です。持分割合は不動産の登記事項証明書(権利部)より確認できます。なお、給付額は最大で50万円です。

 

すまい給付金の申請方法

給付金の申請は住宅取得者が行います。入居してから申請までには期限があるので注意が必要です。ここでは、すまい給付金の申請方法や給付までの流れを解説します。

 

申請から給付までの流れ

申請から給付までの流れは以下のとおりです。

1.申請者(住宅取得者)がホームページやお問い合わせ窓口、サポートセンターなどで、給付金を受け取れるか確認および相談する
2.すまい給付金申請窓口、すまい給付金申請係へ申請する
3.すまい給付金申請係から住宅取得者へ給付金が振り込まれる

 

2種類の申請方法

すまい給付金は「郵送申請」と「窓口申請」の2つの申請方法があります。郵送申請の場合は「すまい給付金申請係」、窓口申請の場合は「すまい給付金申請窓口」です。

なお、申請期限は住宅の引渡しを受けてから1年3ヶ月以内となっています。詳細は後述しますが、住宅事業者が申請手続きを代行することも可能です。

 

すまい給付金の申請に必要な書類

すまい給付金を受け取るためには、申請に必要な書類を用意しなくてはいけません。書類の数は多いため、注意が必要です。ここでは、給付金申請書の入手方法と確認書類について解説します。

 

給付金申請書の入手方法

給付金申請書は取得住宅の種類(新築or中古)や給付金受領方法(本人or代理)、住宅ローン利用の有無により、8種類の申請書類に分かれています。

申請書類は、すまい給付金申請窓口か、すまい給付金制度のホームページからのダウンロードにより入手可能です。

 

確認書類

確認書類とは、給付申請書に記載されている情報が正しいことを証明するための書類です。申請に必要な確認書類も、取得住宅の種類や住宅ローン利用の有無により異なるため注意しましょう。

確認書類には「住民票の写し【原本】」「不動産登記における建物の登記事項証明書・謄本【原本】」「個人住民税の課税証明書」などがあります。詳細は、以下のすまい給付金のホームページよりご確認ください。

(参考:申請に必要な書類について(新築住宅)|すまい給付金

 

すまい給付金は代理受領も可能

すまい給付金は原則的に住宅取得者が受け取るものですが、申請は入居後となるため、給付金を住宅取得費用に充てることはできません。

そのため住宅取得者に代わり、住宅事業者が申請手続きを代行して受け取るという代理受領も可能となっています。代理受領であれば、引越し時の住宅代金に充てることができます。

また代理受領の場合は、契約時点の収入に基づき給付額が決定されます。

 

すまい給付金に関する注意点

すまい給付金を利用するためには、対象要件を満たさなければならないことや、期限を守って申請するなど、さまざまな注意点があります。ここでは、すまい給付金に関する注意点をご紹介します。

 

世帯単位で申請できない

すまい給付金を世帯単位で申請することはできません。申請はあくまで持分保有者が個人単位で行う必要があります。
ただし、「まとめて申請」を利用することで、複数の人数であっても重複する確認書類の提出を一部省略できます。

 

課税額の証明は個人住民税の課税証明書のみ

すまい給付金の申請において、収入を証明する個人住民税の課税証明書が必要です。
子ども手当申請用といった所得額が記載されている書類であっても、申請には利用できないため注意しましょう。

 

確定申告が必要になるケースもある

すまい給付金は課税されないため、確定申告は不要です。しかし、ほかに一時所得がある場合は確定申告が必要になるケースもあります。また、住宅ローン控除制度を利用する場合は、会社員であっても初年度は確定申告が必要なため、注意しましょう。

 

まとめ:住宅の引渡し・入居は令和4年中に行おう!

すまい給付金は令和3年12月で終了している制度です。しかし、一定期間内に契約(注文住宅の請負契約や分譲住宅の売買契約など)していれば、令和4年12月までに入居していれば利用できます。

申請期限は入居してから1年3ヶ月以内と決められているため、対象となる方は早めに申請しましょう。

 

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