すまい給付金とは?対象要件や押さえておくべき注意点を解説

2022年11月5日

この記事では、すまい給付金とは何かについて解説します。対象要件や注意点についてもご紹介していますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

すまい給付金は住宅購入で最大50万円がもらえる制度

すまい給付金とは、対象要件を満たした人が住宅を取得した際に最大50万円の給付が受けられる制度です。住宅ローン控除制度と合わせて、消費税引上げによる住宅取得者の負担を軽減するため設立されました。

平成26年4月から令和3年12月まで実施されていましたが、一部は令和4年12月31日まで延長となっています。

すまい給付金について以下の記事でもくわしく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

すまい給付金の期限が延長?給付を受けるための要件や申請方法についてくわしく解説

 

すまい給付金の対象要件

すまい給付金は「住宅を取得すれば誰でも受け取れる」ものではありません。対象となる住宅や対象者の収入など細かい要件があるため、きちんと押さえておきましょう。

ここでは、すまい給付金の対象要件について、対象者と対象となる住宅に分けて解説します。

 

対象者

すまい給付金を受け取るには、取得した住宅に居住することが前提です。そして以下のように収入の制限も設けられています。

  • ・消費税8%時:収入額の目安が510万円以下
  • ・消費税10%時:収入額の目安が775万円以下

また住宅ローンを利用しない場合のみ、年齢が50才以上という制限もあります。加えて消費税10%時には、収入額の目安が650万円以下の要件が追加されます。

 

対象となる住宅

すまい給付金は、住宅の質に関する一定の要件があります。中古住宅においては、消費税が発生しない個人間売買の住宅は対象外となる点に注意しましょう。住宅の対象要件は主に以下のとおりです。

    • ・引上げ後の消費税率が適用されること
    • ・床面積が50㎡以上であること(一定の期間に契約した場合は40㎡以上)
    • ・中古再販住宅の場合は現行の耐震基準を満たしているか
    • ・第三者機関の検査を受けた住宅であること

そのほか、新築住宅か中古住宅か、また住宅ローンの有無などによっても要件が変わってきます。

 

すまい給付金の対象期間や金額

すまい給付金は、対象となる期間が決められています。実施期間外であれば給付金は受け取れないため、給付金の対象者はきちんと押さえておきましょう。

また給付金の金額も収入によって異なるため注意が必要です。ここでは、すまい給付金の対象期間と金額について解説します。

 

実施期間

すまい給付金は2014年4月から2021年12月31日までに住宅が引渡され、入居が完了した人を対象に実施していました。しかし期間が延長されたため、以下の期間に契約していれば、2022年12月31日まで給付金制度の対象となります。

  • ・注文住宅の新築:2020年10月1日~2021年9月30日
  • ・分譲住宅・中古住宅の取得:2020年12月1日~2021年11月30日

 

給付金の振り込み期間

すまい給付金は事務局が要件への適合や申請内容について審査し、不備がないと確認された場合に指定の口座に振り込まれます。振り込み期間はおよそ受付から3〜4ヶ月ほどです。

すまい給付金の受け取れる金額

すまい給付金の給付額は、住宅取得者の収入及び持分割合により決定します。

  • ・給付額=給付基礎額×持分割合

給付基礎額は持分保有者1名あたりの収入額の目安(都道府県民税の所得割額)によって決まります。所得割額は毎年5〜6月頃に発行される個人住民税の課税証明書で確認できます。

すまい給付金の公式サイトからも、すまい給付金の対象となるのか、いくらもらえるのかをシミュレーションできます。ぜひ試してみてください。

(参考:給付額について/国土交通省)

 

すまい給付金の申請方法や必要書類をチェック

すまい給付金には申請期限があります。すまい給付金の対象者である場合は、スムーズに申請できるように必要書類や申請の流れなどを押さえておきましょう。

ここでは、すまい給付金の申請方法や必要書類について解説します。

 

申請期限と申請方法

すまい給付金は住宅を取得し、入居した後に申請が可能です。申請期限は住宅の引渡しを受けてから1年3ヶ月以内であるため、期限に遅れないよう気をつけましょう。申請方法は以下の2つがあります。

  • ・すまい給付金事務局に郵送にて申請する郵送申請
  • ・全国のすまい給付金申請窓口に持参して申請する窓口申請

なお申請手続きを住宅事業者などが代理で行うことも可能です。

 

必要書類

すまい給付金の申請は、給付申請書に必要事項を記入し、確認書類を添付する必要があります。給付申請書はすまい給付金申請窓口や、すまい給付金制度のホームページからダウンロードできます。

必要となる添付書類は、取得住宅の種類(新築or中古)、給付金の受領方法、住宅ローンの有無によって異なります。くわしくは、すまい給付金の公式サイトにて確認してみてください。

以下は新築住宅で住宅ローンを利用した場合の必要書類です。

  • ・すまい給付金の申請書
  • ・住民票の写し
  • ・建物の登記事項証明書・謄本(原本)
  • ・個人住民税の課税証明書
  • ・不動産売買契約書または工事請負契約書
  • ・住宅ローンの金銭消費貸借契約書のコピー
  • ・振り込み先となる口座の通帳のコピー
  • ・施工中等の検査実施が確認できる書類
  • ・住宅瑕疵担保責任保険の付保証明書(建設住宅性能評価書or住宅瑕疵担保責任保険法人検査実施確認書)

 

すまい給付金の申請で押さえておきたい注意点

すまい給付金の申請において、注意すべき点がいくつかあります。それは申請期限が定められていること、確定申告が必要なケースがあることなどです。

ここでは、すまい給付金の申請で押さえておくべき注意点を3つご紹介します。

 

申請日が遅れないように注意する

申請日が期限を過ぎてしまうと受理されません。窓口で申請する場合は、申請日は受付証が発行された日となります。郵送の場合は、消印日が申請日です。

申請期限内で申請しても、書類に不備があったり郵送の過程で問題が発生したりすれば、申請日が遅れる可能性もあります。

申請期限は住宅の引渡しを受けてから1年3ヶ月以内です。余裕を持って申請しましょう。

 

窓口で直接申請する際は電話で確認する

新型コロナウイルス感染症防止のため、すまい給付金事務局は規模を縮小して事業を実施しています。窓口が混み合っていたり、窓口での受付を行っていなかったりする可能性があるため、書類の確認をするうえでも、事前に電話で確認してみるとよいでしょう。

 

確定申告が必要なケースがある

すまい給付金は課税されないため、原則として確定申告は不要です。ただし、すまい給付金以外に50万円以上の一時所得がある場合は、確定申告が必要になります。また住宅ローン控除制度を受ける場合は、会社員であっても初年度は確定申告が必要です。

 

すまい給付金に関する疑問

すまい給付金は何度も受けるものではないため、制度についてよく分からないことも多いでしょう。

ここでは、すまい給付金に関するよくある疑問を4つご紹介します。

 

税率の適用基準日はいつ?

消費税の税率によって、給付金の金額が変わります。そのため、消費税が適用されるのはどのタイミングなのか気になる人も多いでしょう。

消費税の適用基準日は、原則として住宅の引渡しを行った日です。そのため2019年(令和元年)10月1日以降に引渡しを行った場合は、消費税10%が適用されます。

 

個人売買の住宅はすまい給付金を利用できる?

個人売買の中古住宅取引は非課税であるため利用できません。中古住宅の場合、宅地建物取引業者による買取再販といった、消費税の課税対象となる住宅が対象となります。

 

すまい給付金が受け取れないケースは?

すまい給付金には対象要件が定められているため、以下のように要件を満たしていなければ受け取れません。

  • ・収入が一定以上ある
  • ・住宅ローンを利用せず、年齢が50歳以上
  • ・住宅の床面積が満たしていない

上記のほかにも、期限内に申請しなければ給付金が受け取れません。

 

ペアローンを組んでいる場合はどう申請する?

基本的に、すまい給付金は夫婦それぞれで申請しなくてはいけません。しかし「まとめて申請」をすることで、一部の提出書類を省略できます。

以下の記事では、ペアローンを組んでいる方に向けたすまい給付金の申請方法についてくわしく解説しているため、ぜひ参考にしてみてください。

ペアローンを組んでいる場合、すまい給付金はどう申請する?徹底解説!

 

まとめ:まだ申請が済んでいない人は期限に注意しよう

すまい給付金は住宅を取得した場合に、最大で50万円給付される制度です。年収や住宅の質など細かい対象要件があるため、受け取る場合は自分が対象者であるか確認しましょう。また申請期限も決められているため、遅れないように余裕を持って申請することが大切です。