住宅ローンを借りている時に癌を発症したらどうなる?免除手続きとステージ別の条件を解説!

2023年10月7日

一生の買い物といわれている住宅。住宅ローンを借りる際も、なるべく経済的な不安は取り除きたいですよね。

今回は、住宅ローン借入時に癌に罹患した際のセーフティネットとして機能する「団信」について解説!団信に加入する際の注意点も併せてご紹介します。

 

そもそも団信(団体信用生命保険)とは

団信とは、住宅ローンを組む際に必ず加入する保険のこと。一般的な団信は、借入している人が死亡した際に住宅ローンの残債が0になるものを指します。近年では一般的な団信に特約を付けた「特約付き団信」の種類が多く登場しており、死亡以外の条件でも住宅ローンの残債が0になるケースがあります。

 

癌と住宅ローンの関係とは?

住宅ローン借入時に癌を発症した場合、返済に負担をかけずに免除を受けられる「特約付き団信」という制度があります。借入者が重い癌に罹患した際、返済負担が重くならないように配慮するためのものです。

癌は早期の段階では治療が可能な場合もある一方で、重度の場合は長期の治療や入院が必要になることも。住宅ローン返済に支障をきたす可能性があるため、借入者の負担軽減を図るために導入されました。

 

特約付き団信の種類

特約付き団信の種類は金融機関それぞれに多く存在していますが、代表的なものをご紹介します。

 

がん団信

がん団信は、その名の通り癌を発症した際に保障される団信のこと。所定のがんと診断された際に住宅ローン残債の半分が支払われる「がん50%団信」と住宅ローン残債の総額が支払われる「がん100%団信」の2種類があります。

 

3大疾病特約付き団信

がん、脳卒中、急性心筋梗塞のうち1つの疾病に罹患し、所定の状態となった際に住宅ローンの支払いが免除になる団信のことです。がん団信よりも保障範囲が広くなります。

 

7大疾病特約付き団信

3大疾病に加えて、高血圧性疾患、糖尿病、慢性心不全、肝硬変の特約を加えた団信のこと。しかし7大疾病特約付き団信は、団信を提供している金融機関ごとに保障する疾病が違う場合もあります。

また、そのほか9大疾病、11大疾病…といったように様々な特約付き団信が設けられています。

 

特約付き団信のメリット・デメリット

特約付き団信は癌の発症について保障します。一般的な団信よりも保障範囲が広いというメリットがある一方、毎月支払う保険料が高くなってしまうというデメリットもあります。

また特約付き団信で気を付けておくべき点は、ステージごとの保障内容です。

一言で癌と言っても癌の段階(ステージ)は複数設けられており、定められた段階から初めて住宅ローンの返済が免除になる…というケースがほとんど。では、どのようなステージから住宅ローンの返済が免除されるのでしょうか。

 

ステージごとに保険が適用される条件とは

癌のステージごとにどう保険が下りるのか、一例を見ていきましょう。下記に挙げるのはあくまで例であり、団信を提供する金融機関ごとにステージごとの条件は異なるため、あくまで一例として参考にしてみてくださいね。

 

上皮内癌は適用されないケースが多い

がん団信やそのほか特約付きの団信は、ステージ1の癌と診断された際に支払われることが多い傾向です。ステージ1の癌とは、癌腫瘍が筋肉層にとどまっている段階のこと。ステージ0の、癌細胞が上皮細胞内にとどまっている場合(上皮内癌)の場合は保障されません。

 

ステージによってどのように保障されるかは金融機関次第

団信を提供している金融機関によって、住宅ローン免除の条件は異なります。一般的には先ほど挙げたように癌の進行度や腫瘍の大きさ、リンパ節への転移の有無などが考慮されます。

 

住宅ローン免除の流れと注意点

住宅ローン借入時に癌を発症した場合、免除手続きを行うためには以下のポイントに注意しましょう。

 

必要な書類と手続きの流れ

免除手続きには必要な書類があります。一般的には、癌の診断書や治療経過の報告書、返済能力の評価などが挙げられます。金融機関ごとに必要書類も異なるため、自分のケースではどの書類が必要になるかを確認しましょう。

具体的な書類や手続きの流れについては、借入先や制度の要件によって異なるため、正確な情報を得るためには借入先や専門家のアドバイスを受けることが重要です。

 

3カ月の免責期間が設けられている

がん団信やその他の特約付き団信に加入したその日から3か月の間に癌が見つかった場合、保障されないケースが多いです。この期間を免責期間と言い、保障を受けることはできません。

 

通常のがん保険のほうが良いケースも

癌に備える保険はがん団信だけではありません。癌と診断された際に保険金が支払われる一般的ながん保険も、癌による経済的危険から身を守る術として十分機能します。がん保険とがん団信の違いは、がん保険は癌になることで保険金が出るため一時的な収入が増える一方、がん団信は住宅ローンの支払いが0になります。がん保険とがん団信では、お金の流れは変わるというわけです。

がん団信とがん保険のどちらが良いかは、一人一人のケースごとに大きく異なります。そもそもあまり住宅ローンの支払いがない場合や住宅ローンの支払期間が短い場合は、がん団信ではなくがん保険のほうが向いていることもあるでしょう。

 

がん団信や特約付き団信は途中から付帯できない

基本的に団信の保険料は、住宅ローンの金利に上乗せする形で支払います。そのため住宅ローンに加入するとき以外では、特約を付帯することはできません。

また、一度特約をつけると途中から契約を変更することもできません。本当に特約が必要かどうか、どの特約が良いかは、ほかの一般的な保険とも照らし合わせながら考えましょう。

 

まとめ

今回は、住宅ローン借入中に癌に罹患した際のポイントや団信の種類について解説しました。家は一生に一度の買い物だからこそ、経済的な不安なく返済を終えたいですよね。

団信の種類をもとに、一般的な保険とも照らし合わせながら保障内容を考えていきましょう!