新築の住宅購入でもらえる補助金|国や自治体の補助金、注意点も解説

2023年12月23日

新築住宅の購入・取得は、物件価格のほかにも何かと費用がかかるため、補助金や助成金、給付金や減税制度を活用して、少しでも負担を軽減したいものです。

この記事では国や自治体が設けている補助金のうち、2023年から2024年にかけて申請できるものをご紹介します。補助金は申請期間が設けられているため、補助金を受けたい人は早めに情報収集に取りかかりましょう。

 

新築の住宅購入で国からもらえる補助金


国が行なう新築住宅への補助金や助成金、給付金のうち、2023年度から2024年度にかけて募集が行われているものを4つご紹介します。
 

こどもエコすまい支援事業(予算上限に達したため受付終了)

こどもエコすまい支援事業とは、子育て世代・若い夫婦に向けて、高い省エネ性能を持つ住宅を取得しやすくするために補助金を支給する事業です。

申請期間は2023年(令和5年)3月31日から同年12月31日あたりまでの予定でしたが、 予算枠の上限に達したため、2023年9月28日をもって交付申請(予約を含む)の受付を終了しています。

申請時に以下のいずれかの条件に該当する世帯が対象です。

  • ・子育て世帯:18歳未満の子どもがいる
  • ・若者夫婦世帯:どちらか一方が39歳以下である

対象者が以下の条件を満たす新築住宅を取得する場合や省エネ住宅への改修する場合に、補助金が支給されます。

詳細について:こどもエコすまい支援事業事務局

なお、こどもエコすまい支援事業は、2022年の「こどもみらい住宅支援事業」という給付制度の後継事業としてはじまりました。継続については未定ですが、同様の事業が予算化される可能性も高いため、今回申請できなかった人も今後の動向をチェックしておくとよいでしょう。
 

ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス実証事業

ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の建築を奨励するために補助金を支給する事業です。登録されたZEHビルダーまたはプランナー(ハウスメーカー・工務店)により、条件に合った新築住宅を建築・購入すると補助金が支給されます。

事業は3段階に分かれており、いずれの段階の要件を満たしているかで補助額が変わるため注意が必要です。住宅の種類はZEHに加え、よりハイグレードな設備を備える「ZEH+」も含まれます。以下は令和5年度(2023年度)事業の概要と補助金額の一覧です。

 

1.ZEH支援事業

 

2.次世代ZEH+(注文・建売・TPO)実証事業


 

3.次世代HEMS実証事業


申請は先着順で、予算に達し次第終了されます。なお、2023年12月現在では申請期間が終了した事業もあり、ZEH支援事業の二次公募のみが受付中です。

詳細・問い合わせ先:一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)

 

LCCM住宅整備推進事業

LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅とは、ZEH住宅の条件に加えて、家のライフサイクルを通じて二酸化酸素の発生を抑えた住宅のことです。ZEHが住んでいる間のエネルギー収支がゼロ以下であるのに対し、LCCM住宅は新築・改修時、運用時、解体・再利用において可能な限り二酸化炭素の発生をゼロ以下に抑えます。

LCCM住宅は、国として最終的に目指す低炭素住宅の形です。そのため、普及を目的として補助金制度が設けられています。

以下の条件を満たした戸建て住宅の新築に対して、補助金が支給されます。

 ※1:LCCO2(ライフサイクルCO2) :資材の調達・建築工事・居住中・改修・解体・再利用までの前段階を含めてCO2(二酸化炭素)発生量を評価する基準
 ※2:CASBEE(建築環境総合性能評価システム):建築物や街、都市などの環境性能を評価するツール

詳細・問い合わせ先:LCCM住宅整備推進事業実施支援室

 

地域型住宅グリーン化事業

高い省エネ性や耐久性を持つ木造住宅の購入促進を目的とした補助金制度です。適用要件を満たした住宅を新築すると補助金が支給されます。

この制度の適用要件のポイントは次の3点です。

  • ・下記表のような性能の高い住宅を建てること
  • ・原則として、地域産の木材を使用すること
  • ・国の採択を受けたグループの構成員である地域の工務店によって建てられた住宅であること

2023年度は、従来の補助方法である「通常タイプ」に加え「こどもエコすまい支援事業」を活用する「こどもエコ活用タイプ」が選択できました。なお、こどもエコすまい支援事業は予算の上限に達したため、受付は終了しています。

* 補助額は、住宅型(ZEH・Nearly ZEH・ZEH Oriented)の各補助金を活用した実績が3戸以下の場合の金額です。

詳細・問い合わせ先:地域型住宅グリーン化事業評価事務局

 

新築の住宅購入でもらえる自治体の補助金例


国だけでなく、自治体も独自に新築住宅の購入や取得に対して補助金を設けています。お住まいの自治体やこれから住む自治体の補助金情報もチェックしてみてください。

ここでは、自治体による補助金の中から、新築住宅に関わる事例をご紹介します。
 

同居・子育て支援補助金

少子高齢化対策の一環として、主に18歳以下の子どもがいる世帯や、親世帯との近居・同居を支援する目的で補助金を設けている自治体も多いです。

事例:親元近居・同居住宅取得等支援事業補助金(神奈川県厚木市)
 

省エネ・創エネ住宅への補助金

ZEH住宅など、省エネ住宅への補助金を独自に設けている自治体も増えています。なお、国の補助金と併用できない場合が多いため、注意が必要です。

事例:信州健康ゼロエネ住宅助成金(長野県)

事例:令和5年度静岡県省エネ住宅新築等事業費補助金(PDF)

 

地元産木材を活用した家への補助金

森林保全や林業の活性化を目的として、地域の木材を使った新築住宅の購入・取得に補助金や助成金を支給する自治体もあります。

事例:県産木材活用住宅等支援事業(埼玉県)

事例:ふくおか県産材家づくり推進助成制度(福岡県)

事例:住んでよし しずおか木の家推進事業

 

新築時の補助金を利用する場合の注意点

国や自治体の補助金や助成金、給付金を利用するにあたって、注意しておきたい点を解説します。
 

誰が申請手続きをするか確認する

補助金や助成金、給付金を利用する際は、誰が申請手続きを行うかを確認しましょう。

補助金や助成金は、要件を満たした事業者が申請手続きを行なうケースがほとんどです。そのため新築住宅の補助金を受けたい場合は、応募要件を満たす施工会社に相談し、依頼しましょう。

給付金はほとんどの場合、個人を対象としているため、新築住宅を購入する人が申請手続きを行ないます。ただし、給付金でも補助金に近い性質のものもあるため、事業の名称だけでなく、内容や申請方法までしっかりチェックしましょう。
 

申請期間や受け取り期間を確認する

補助金や助成金、給付金はほとんどの場合受付期間や申請期間が定められています。要件を満たしていたとしても、申請期間を過ぎると応募できないため注意が必要です。また、受け取り期間が設けられていることもあります。

補助や給付を受けたい場合は、要件とともにスケジュールをよく確認しましょう。
 

予算の上限に達すると受付終了することもある

補助金や助成金は、予算額が決められています。そのため、申請期間内であっても、応募数が多く予算の上限に達した場合は、受付を終了することもあり注意が必要です。

利用したい補助金がある場合は予算の上限があるかを確認し、枠がある場合は何割が埋まっているかをチェックしましょう。

なお、緊急性や優先度が高いと判断された補助金は、受付終了になっても引き続き予算化されることもよくあります。国や自治体の動向、後継事業もチェックしましょう。
 

社会・経済情勢の影響による変更にも注意する

昨今の新型コロナウイルス感染症の世界的な流行など、社会・経済情勢の影響を受けて、補助金の内容や金額が変更されることもあります。適用要件が緩和されたり、申請期間が延長されるケースもあるため、利用したい補助金や給付金があれば、こまめに最新情報をチェックすることが大事です。
 

新築住宅への補助金をチェックして、お得に家を購入しよう

新築住宅は、人生の中でも最も高い買い物の1つであるため、補助金や助成金、給付金や減税制度をうまく活用しましょう。

この記事では2023年から2024年にかけて申請できる国や自治体の補助金をご紹介し、注意点も解説しました。申請期間が設けられているため、受けたい人は早めに施工会社と相談してみてください。

なお、この記事では補助金や助成金に絞ってご紹介しましたが、より負担を軽減するためには減税制度も合わせて検討しましょう。