グリーン住宅ポイント制度の対象となる新築住宅とは?要点を解説!

2022年6月15日

「グリーン住宅ポイント制度」とは、住宅の取得やリフォームをするとポイントが受け取れる国の制度です。ポイントを受け取るには一定の要件や対象期間があるため、本制度についてきちんと理解しておくことが大切です。

この記事では、新築物件の取得におけるグリーン住宅ポイント制度についてご紹介します。対象要件や注意事項についても解説しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

グリーン住宅ポイント制度とは?

地球環境の保全に向けて、日本にはさまざまな制度が推し進められています。グリーン住宅ポイント制度もそのうちのひとつですが、どのような制度なのかくわしく知らない方も多いのではないでしょうか。

ここでは、グリーン住宅ポイント制度とはどのような制度なのか、要点を絞って解説します。

 

グリーン住宅ポイント制度の目的や概要

グリーン住宅ポイント制度は、グリーン社会の実現に向けた住宅投資の喚起や、新型コロナウイルス感染症の影響で落ち込んだ経済を回復させるために設立された制度です。

一定の性能を有する住宅を取得した際に、さまざまな商品や防災に対応した追加工事と交換できるポイントを発行します。なお、ポイント発行申請受付は令和3年12月15日で終了しているため、現在は新たにこの制度を利用することはできません。

 

グリーン住宅ポイント制度の期間

グリーン住宅ポイント制度の実施期間は、2020年12月15日から2021年10月31日までとなっています。この期間内に新築住宅の工事請負契約を交わしている場合は、グリーン住宅ポイント制度の対象となります。

 

グリーン住宅ポイント制度全体の流れ

グリーン住宅ポイント制度で受け取ったポイントは商品や追加工事に利用できますが、それぞれポイントを利用するまでの流れが若干異なります。ここでは、制度全体の流れをご紹介しましょう。

 

ポイントを商品に利用する場合

ポイントを商品に利用するまでの流れは以下のとおりです。

  1. 工事施工者または販売事業者と申請者の間で工事請負契約や不動産売買契約を結ぶ
  2. 申請者が事務局にポイント発行申請を行う
  3. 事務局から申請者にポイントが発行される
  4. 事務局へポイントの商品交換申込を行う
  5. 事務局から交換商品事業者へ交換商品提供依頼を行う
  6. 交換商品事業者から申請者へ交換商品を提供
  7. 事務局が交換商品事業者へ代金支払い

なお、ポイント発行申請は、工事施工者や販売事業者が代理で行うことも可能です。

 

ポイントを追加工事に利用する場合

ポイントを追加工事に利用するまでの流れは以下のとおりです。

  1. 工事施工者または販売事業者と申請者の間で工事請負契約や不動産売買契約を結ぶ
  2. 工事施工者と追加工事の請負契約を結ぶ
  3. 代理申請者(工事施工者または販売事業者)が事務局へポイント発行の代理申請を行う
  4. 事務局から申請者に、ポイント発行と同時に追加工事の代金と交換
  5. 事務局から代理申請者に追加工事代金の支払い

追加工事で利用されたポイントは、ポイント発行時に申請者に通知されます。

 

グリーン住宅ポイント制度の申請方法

グリーン住宅ポイント制度の申請方法は、「完了前」「完了後」の2種類あります。それぞれ必要な手続きや書類が異なるため注意しましょう。ここでは完了前後の申請方法をご紹介します。

 

完了前申請

2020年12月15日から2021年10月31日までに新築住宅の工事請負契約を交わしており、2021年10月31日までに入居が間に合わない場合は完了前申請を行うことでポイントを取得できます。

完了前申請をする場合、以下の流れになります。

  1. 工事請負契約または売買契約
  2. 必要書類の準備
  3. 完了前にポイント発行申請を行う
  4. ポイント発行
  5. ポイント利用
  6. 工事または住宅の引渡し
  7. 完了報告

 

完了後申請

住宅の引き渡しがポイント申請期限の2021年10月31日までに完了している場合は、完了後申請を行ってポイントを取得します。

グリーン住宅ポイント制度利用の流れは以下になります。

  1. 工事請負契約または売買契約
  2. 工事または住宅の引渡し
  3. 必要書類の準備
  4. ポイント発行申請を行う
  5. ポイント発行
  6. ポイント利用

 

ポイントの利用方法

グリーン住宅ポイント制度で発行されたポイントは商品や追加工事と交換できます。ここでは、どのような商品や追加工事と交換できるか、それぞれ解説します。

 

商品交換

ポイントは以下のような商品と交換可能です。

・家電
・インテリア
・雑貨・日用品
・地場産品
・食料品・飲料
・スポーツ・健康増進
・福祉・介護用品
・防災・避難用品
・ベビー・キッズ用品

パソコンやスマートフォン、掃除機などの家電製品、ソファやテーブルなどのインテリア用品など、幅広いジャンルの商品と交換できます。交換できる商品の詳細は、以下の公式サイトから確認してみてください。

(参考:カテゴリから探す:交換商品を探す | グリーン住宅ポイント制度

 

追加工事交換

以下のような工事にかかる費用の一部または全部をポイントで交換できます。

・ワークスペースの設置
・音環境向上工事
・空気環境向上工事
・菌・ウイルス拡散防止工事
・家事負担軽減に資する工事
・停電・断水対策
・水害・台風対策
・地震対策

具体的には、間取りの変更や防音設備の設置、太陽光発電の設置など、工事の種類は多岐にわたります。追加工事の詳細は以下の公式サイトから確認してみてください。

(参考:追加工事交換について | グリーン住宅ポイント制度

 

グリーン住宅ポイント制度の申請期間および完了報告

2021年3月29日からポイント発行の申請が開始されています。しかし、2021年12月15日をもってポイント発行申請の受付が終了しているため、新たにこの制度を利用することはできません。

また完了報告の提出期限は2022年5月31日とされていますが、2022年4月11日時点で本制度を利用している人で、期限までの完了報告が難しい場合は2022年8月31日まで提出できます。

完了報告の提出を行わなければ、利用済みのポイントを返金する必要があるため、注意が必要です。

 

新築物件のグリーン住宅ポイント制度の対象条件

グリーン住宅ポイント制度は、一定の要件を満たした住宅の取得やリフォームでもらえる制度です。ひとくちに新築物件の取得といっても、住宅の性能によって発行されるポイント数は異なります。

ここでは、新築物件の取得に関していくらポイントが発行されるのか、対象期間はいつまでなのかなどを解説します。

 

ポイントの対象要件と対象期間

【注文住宅の場合】
自ら居住するために新たに住宅を建築する者

【分譲住宅の場合】
自ら居住するために新築住宅を購入する者

そのほか以下の要件も定められています。

・契約時に建築から1年以内、第三者が未入居の住宅
・一定の省エネ性能を満たす住宅
・分譲住宅の売主は、宅地建物取引業免許を有する者に限る

【対象期間】
2020年12月15日〜2021年10月31日

 

対象となる新築住宅

対象となる新築住宅は以下のとおりです。

【高い省エネ性能等を有する新築住宅】
・認定長期優良住宅
・認定低炭素建築物
・性能向上計画認定住宅
・ZEH

【一定の省エネ性能を有する新築住宅】
・日本住宅性能表示基準で定める断熱等性能等級4かつ一次エネルギー消費量等級4以上の住宅

 

発行ポイント数

ポイントには、「基本ポイント」「加算ポイント」の2種類あります。この2つを合計したものが発行されるポイントです。基本ポイント、加算ポイントは住宅の性能によって異なります。

高い省エネ性能等を有する住宅で最大1,000,000ポイント、一定の省エネ性能を有する住宅で最大600,000ポイントがもらえることになります。加算ポイントがなければ、基本ポイントのみとなる点に注意が必要です。

ポイントは以下の要件を満たした場合に加算されます。

・東京圏の対象地域からの移住のための住宅
・多子世帯が取得する住宅
・三世代同居仕様である住宅
・災害リスクが高い区域からの移住のための住宅

上記には細かい規定があるので、詳細は以下の公式サイトにて確認してみてください。

(参考:新築住宅の建築・購入 | グリーン住宅ポイント制度

 

グリーン住宅ポイント制度の注意点

グリーン住宅ポイント制度を利用するにあたって、以下3つの注意事項を押さえておく必要があります。

・申請する住宅が省エネ性能等の基準に適合することを証明する書類が必要
・証明書の入手には手数料がかかる
・申請は1人1回まで。ポイントの重複はできない

また「申請期限に間に合わない」「要件を満たしていない」といった場合は、ポイントが発行されない点にも注意しましょう。

 

まとめ:グリーン住宅ポイント制度はさまざま商品と交換できる制度!

グリーン住宅ポイント制度は、一定の省エネ性能などを満たした物件を取得した際にポイントが発行される制度です。発行されたポイントは家具や家電などの商品や追加工事の代金に交換できます。

しかし、現在はポイント発行申請の受付を終了しているため、新たにこの制度を利用することはできません。現在発行申請を出している場合は、完了報告を済ませないとポイントを返金しなければならないため、注意しましょう。