定年後に家を買うことは可能?メリット・デメリットも解説!

2023年5月31日

「ローンの返済に追われたくはないけれど家を建てたい!」「定年後に家を建てて終の住処としたい」と考える方も多いのではないでしょうか。働いていて一定の収入がないと住宅ローンは組めないと思われがちですが、実は定年後に住宅ローンを組むことも可能です。

今回は、定年後に家を買うことのメリットやデメリットをご紹介します!定年後の家づくりを検討している方は、ぜひ参考にしてみてくださいね。

 

定年後に住宅ローンを組むことは可能?

定年後に住宅ローンを組めるのかという疑問ですが、結論からいうとローンを組むことは可能です。しかし定年後にローンを組む際は注意点も多数存在します。

 

70歳未満であれば住宅ローンを組める場合が多い

多くの銀行では、ローン借入時の年齢は70歳未満、完済時の年齢は80歳未満と決められています。そのため定年が65歳であれば、70歳になるまでの5年間の間にローン審査を行う必要があるのです。

ローン完済時の年齢が80歳未満までとなるため、65歳からローンを組んだとすると15年しか返済できないという計算に。フラット35などを用いた35年の長期ローンなどは使用できないため注意が必要です。

 

老後の生活資金も考えながらローンを組む

定年後は退職金が出た以降、月間での収入は年金のみという方も多いのではないでしょうか。万が一退職金すべてをローンの返済や頭金などに使ってしまうと、毎日の生活は年金だけで賄えないというケースもあります。

年金の受給額低下やそれに反比例するように伸びていく平均寿命などを考えると、「将来自分はどれくらいの年金をもらえるのだろう?」という問いを常に頭に置き、家の購入を検討するのがよいでしょう。

 

定年後に家を買うメリット

定年後に家を買うメリットについて解説します。

 

職場へのアクセスなどを考える必要がなくなる

定年後は比較的自由に居住地を選べます。現役時代であれば職場へのアクセスや交通の利便性などを優先するケースも多い一方、定年後であればそのような心配は不要です。「都心部を離れて田舎で暮らしたい」「第二の人生を始めたい」という方であれば、定年後は家を買う絶好のタイミングといえるでしょう。

 

過ごしやすい間取りで生活できる

現役時代は会社や駅に近いマンションで暮らし、定年後は階段などの上下移動がなく過ごしやすい家に住むのもよいでしょう。「定年後はガーデニングに挑戦する」といったように、余暇時間が増えたタイミングで自分の趣味を楽しむために家を建てるのも1つの考え方です。

将来的に車いすを見越した間取りやスロープ付きの玄関などは、マンション住まいだとなかなか難しいもの。自分のライフスタイルに合った間取りで生活できるのは大きなメリットといえるでしょう。

 

家族に資産を残せる

定年後に家を買うことで、家族に資産を残せます。比較的遅めに家を建てると資産価値があまり下がっていない状態となるため、資産という形で家を相続できるでしょう。

また居住する以外にも、賃貸として貸し出すという方法もあります。継続的に家賃収入を得られるため、相続を見据えて資産形成をしたい方に向いているといえます。

 

定年後に家を買うデメリット

定年後に家を買うメリットは多々ある一方、やはりデメリットもあります。確認していきましょう。

 

住宅ローンを組むのが難しい

60~65歳で住宅ローンを組む場合、健康状態の問題で団体信用生命保険に加入できないというケースがあります。団体信用生命保険(通称団信)とは、ローン支払い中に死亡もしくは高度障害となった際にローンの残債が支払われる保険のこと。住宅ローンに特化した保険となっています。団信に加入できないと、万が一ローン返済途中で亡くなった際のリスクを抱えてしまうのです。

一般的に住宅ローンにおける完済時の年齢は「80歳未満まで」と決められています。60歳からローンを組んだとしても、20年ほどしか組めません。返済期間が短いため、毎月の返済負担も大きくなると覚えておきましょう。

 

建てた家にずっと住み続けられるかどうか

定年後の元気な時に家を買っても、将来的には福祉施設に入らざるを得なくなったというケースも考慮する必要があります。福祉施設に入った場合も多くの資金を必要とするため、ローン返済に充ててしまい施設に入る貯金がない…という不測の事態に陥ることも。

建てた家にずっと住み続けられるかどうか、万が一福祉施設に入ることになっても、十分な蓄えはあるかなど、不確定な将来を見据えた資金計画が必要です。

 

定年後の住まいはマンションと一軒家、どっちがいい?

定年後の住まいはマンションと一軒家のどちらが向いているかも確認しておきましょう。

マンションと一軒家の特長をもとに解説します。

 

マンションの場合

定年後の住まいをマンションにすると、維持や管理の負担は比較的抑えられます。共用部分は管理人が掃除をするほか、オートロックなどの防犯性にも優れているため一軒家のように一から管理する必要はありません。都市に近いマンションであれば資産価値は下がりにくいため、家族に多くの資産を残せるのも大きなメリットといえるでしょう。

一方でマンションの場合、バリアフリー対応の物件を探すのが困難なことも。車いす対応のエレベータ―やスロープ付きの玄関など物件の条件は限られるため、老後の住まいに適したマンションを探す必要があります。

 

一軒家の場合

定年後の住まいを一軒家にするメリットは、やはり自由度高く家を建築できることでしょう。二世帯住宅にしたりスロープや手すりを用いたバリアフリーの家にするなど、自分の好みに合わせて家をつくることが可能です。またマンションでは難しいペットを飼ったり、ガーデニングなど趣味に即した家づくりができるのも大きなメリットでしょう。

一軒家のデメリットは、防犯性がマンションより劣ることです。マンションのようにオートロック機能がついていたり管理人がいたり…ということはないため、防犯カメラや高い柵を設置するなどといった防犯を自分たちで行う必要があります。マンションであれば外観や共用部分のメンテナンスは必要ありませんが、一軒家の場合はすべて自分たちでメンテナンス、必要に応じてリフォームが必要となります。ランニングコストはマンションよりもかかってしまうと覚えておきましょう。

 

まとめ

今回は、定年後に家を買うことに関するメリットやデメリット、また老後の住まい選びで考えておきたいポイントについて解説しました!生きている以上、「住まい」に関する選択は様々な局面で行うもの。後悔のない住まい選びをしていきましょう!

 

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