畳コーナー設置で失敗しないためには?メリット・デメリットも解説

2023年9月13日

家を建てる際、多くの方が和室や畳コーナーを設けるべきか考えるでしょう。畳は落ち着くため設置したいという意見の一方で、お手入れやランニングコストなどが気になるところです。この記事では、畳コーナーで後悔しないために知っておきたい種類やメリット・デメリットなどを解説します。

 

畳コーナーとは

畳コーナーとは、リビングなどのフローリングの一部に設置した畳を敷いたスペースを指します。従来の和室は襖(ふすま)や障子でほかの部屋と区切られていますが、畳コーナーの多くは仕切りがなく、リビングなどの一部として設けられています。

畳コーナーの大きさは特に定義なく、設置するリビングの広さに合わせるのが一般的です。最近は畳のデザインも数多くあるため、部屋の雰囲気に合わせて、純和風だけでなくモダンスタイルや北欧スタイルにもマッチした空間を実現できます。

 

畳コーナーの種類

畳コーナーはいくつかの種類があり、それぞれに特徴が異なります。畳コーナーの設置を検討している方は、種類の特徴を把握して理想に近いタイプを選びましょう。以下に畳コーナーの種類とそれぞれの特徴を解説します。

 

フラットタイプ

リビングの一部に、段差がなくフラットな状態で設けた畳コーナーです。小さい子どもがいても落下する危険がなく、足腰が弱い高齢者の負担になりません。また仕切りがないため、畳コーナーで子どもを遊ばせたり寝かしたりしても見守りやすく、家事や育児がしやすいなどの特徴があります。

 

小上がりタイプ

リビングなどの一部に段差を設けてそのうえに設置された畳スペースを指します。フラットタイプの畳コーナーより広く設置される場合が多いです。段差の下の空間を収納スペースに利用すれば、棚やラックなどを設置しなくても荷物を収納できるため、その分部屋を広く使えます。
段差があることで部屋が立体的になり、広く見せたりおしゃれに見せたりする効果も生まれます。

<<畳コーナーの実例をくわしく知りたい方はこちら

 

畳コーナー設置のメリット

畳があるマイホームに憧れるという方もいるでしょう。しかし、和室まではいらないという方に魅力的なのは畳コーナーです。畳コーナーがあるとどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、畳コーナーを設けるメリットを解説します。

 

子どもの遊びスペースになる

子どもが小さい頃は、床に座ったり寝転がったりして遊ぶことも多いです。フローリングは硬いため、マットやカーペットなどを敷いてキッズスぺ―スをつくる家庭も多いですが、畳スペースならそのまま快適に遊べる空間になります。

遊び疲れて眠くなっても畳の上に布団を広げればお昼寝スペースになるでしょう。大人が添い寝してもフローリングほど硬くないため、ついうたた寝してしまいそう。小上がりタイプならしっかりと仕切られていなくてもフローリングと区別しやすく、子どもが成長して勉強スペースに使えば集中しやすくなるでしょう。

 

リラックス空間ができる

畳はフローリングと比べて適度に柔らかいため、そのまま座ったりごろごろしたりリラックスして過ごすのに適した空間です。また、畳で使われている「い草」の香りが落ち着くという方も少なくないでしょう。好きな姿勢でくつろげる畳コーナーは、ソファーの上では味わえません。

 

来客時に活用できる

仕切りや玄関からの動線によっては、急な来客時にリビングが散らかっていても畳コーナーに通せるので便利に活用できる場合があります。さらに来客が宿泊する場合、畳の上に布団を敷いてゲストルームとして使うこともできます。

 

畳コーナー設置のデメリット

畳コーナーの設置はさまざまなメリットがありますが、デメリットもいくつか存在します。畳コーナーの設置を考えている方は、メリットだけでなくデメリットも確認し、後悔しないようにしましょう。

 

メンテナンスにコストがかかる

畳はフローリングと比べて劣化が見た目に出やすいため、快適に使えて見た目のよさも維持するには定期的なメンテナンスは欠かせません。畳の寿命は、使う環境にも異なりますが約10~20年が目安といわれています。

畳は種類やランクによって張替える際のコストが異なります。昔ながらの1畳サイズの縁あり畳は1枚あたりの費用は約1万~1万2千円です。一方琉球畳は半畳サイズで、約1万~1万2千円です。縁あり畳の1畳サイズと琉球畳半畳サイズが同等の金額のため、同じ広さに使う場合は琉球畳のほうが高くなる傾向にあります。

 

掃除が大変

フローリングは飲み物をこぼしても拭き取れば簡単にきれいにできますが、畳は隙間に入り込んでしまうため、完全に拭き取ることができません。また、日頃の掃除の際もフローリングは掃除機でゴミを取りやすく拭き掃除も水拭きができる一方、畳は水分を吸収する性質を持つことから、使えるのはから拭きのみになります。掃除機でも隙間にゴミが入り込みやすいため、掃除が難しいといえるでしょう。

 

狭さを感じる

フローリングのオープンなリビングに比べると、同じ広さでも畳コーナーを設置した場合の方が狭く感じやすくなります。仕切りがあったり、小上がりになったりするとより圧迫感を与えてしまうでしょう。

 

畳コーナー設置で後悔しないために押さえておきたいポイント

畳コーナーのメリットやデメリットを確認しても設置したいという考えに変わりない方もいるでしょう。ここでは、畳コーナー設置で後悔しないために知っておきたいポイントを解説します。

 

部屋に合わせた畳の色を選ぶ

リビングに畳コーナーを設けると、住人や来客の目にもつきやすいため、デザインにもこだわりたいものです。畳は昔ながらの純和風な緑色の畳のほか、最近ではグレーや黒、青などモダンな色もあります。形も長方形だけでなく四角もあり、一色使いのほか2色を組み合わせてもおしゃれです。畳の色や形の選び方次第でシックやモダン、洋風などリビングの雰囲気に合わせることも可能です。

 

間仕切りの有無を確認する

畳コーナーは、間仕切りの設置をすればリビングと独立した部屋としても使えるため、ゲストルームとしても便利に使用可能です。ほかにも急な来客時にリビングの荷物をとりあえず片づける、人目を気にせずおむつ替えや着替えができるなどのメリットがあります。ただ、間仕切りをつける際にはコストがかかり、住み始めると狭く感じることも考えられます。間仕切りは来客の頻度やリビングの広さなどを考慮し、必要性を考えて検討しましょう。

 

まとめ:生活環境に合わせて畳コーナー設置の検討を

畳コーナーは和室を作らなくてもリビングなどの一角を利用してリラックス空間を作れると人気です。一方で、畳コーナーを設置して失敗したと後悔している方もいます。

新築・リフォームは人生で何度も経験することではありません。施工途中の変更も難しいため、「なんとなく畳がある生活がよさそう」というだけで畳コーナーの設置を決定せずに、畳コーナーが必要な環境かどうかを見極めましょう。さらに畳コーナーを設けるなら、フラットタイプか小上がりかなど生活に適したタイプを選んで、暮らしに最適な畳コーナーを検討してください。