自宅用防音室の簡単な作り方は?準備や手順について解説

2023年10月9日

自宅で気兼ねなく、音楽や楽器を楽しみたいという方もいるのではないでしょうか。しかし、音漏れなどによる、近隣トラブルの心配もありますよね。

そこでこの記事では、自作できる自宅用防音室の作り方を解説します。ダンボールなどの安い材料を集めて防音室を自作すれば、コストを抑えることも可能です。

DIY初心者の方でも簡単に作成できますので、ぜひ実践してみてください。

 

【防音室の作り方】準備

自宅用防音室を作成する際は、次の準備が必要です。

 

必要な道具を揃える

DIYで安く防音室を作る場合は、作業で使用する工具や備品が必要です。

ホームセンターなどでは工具の貸出サービスも行っているところがあるため、利用してみてください。今後もDIYを施す予定がある場合は、購入するのもおすすめです。

 

最低限の予算を確保する

十分な防音性能のある防音室を作るのであれば、最低限の予算の確保は必須です。

「できるだけ費用をかけたくない」とはいえ、予算が少なすぎると求める性能の防音室を作ることは難しいかもしれません。性能や大きさによっても必要な予算は異なりますが、規模や性能に応じた予算は最低限確保するようにしましょう。

 

組み立て時間やスペースを確保する

自宅用防音室を自作する場合はすべての行程を自分で行うため、十分な作業時間の確保が必要です。1日で組み立てられる場合もありますが、数日に分けて作業を行う場合もあります。

作業が途中になれば、組み立て途中の防音室を保管するスペースも必要になります。

作業にかかる時間を想定してスケジュールを立て、部屋に作業スペースと保管スペースを用意しておきましょう。

 

DIYの知識を得ておく

DIYの経験や知識がない方は、事前に本や動画などで基礎的な知識を得ておきましょう。防音室の基本構造の理解はもちろん、使用する素材や工具を判断する際に役立ちます。

防音室は初心者の方でも作成できますが、DIYでも比較的難易度が高い部類に入ります。事前に基本構造や作り方などをチェックしておけば、作業がスムーズに進み、失敗も少なくなるでしょう。

 

【防音室の作り方】手順

自宅用防音室を作る際、どのような流れで進めていけばよいのでしょうか。おおまかな作成の手順をご紹介していきます。

 

設計図を作る

部屋に防音室を設置する際、まずは部屋に合わせた防音室の設計図を作ります。

複雑な設計図を作る必要はありませんが、設置場所の寸法などはメジャーなどで測り、正確な数値を記載するようにしてください。目測やおおまかな数値で設計すると、完成した防音室が設置できない恐れがあります。

設計図を作りながら、防音室を設置した状態のイメージを掴んでおきましょう。

 

材料を準備する

作業の開始前に、まず防音室の作成に必要となる以下の材料を準備します。

  • ・ダンボール
  • ・遮音シートと吸音ボード:両者を組み合わせて使用(壁に遮音シート、その上に吸音ボードを貼る)
  • ・吸音に適したウレタン:高密度で音響の補正
  • ・防音パネル:吸音に適したポリウレタン(あれば尚可)
  • ・接着剤
  • ・隙間テープ

防音性を高めたい方は、防音パネルも導入してみてください。防音パネルは、さまざまなサイズがあるため、防音室に適した大きさのものを選択することで、出費を抑えることができます。

あれこれ無駄なものを揃える必要はなく、必要最小限の材料があれば問題ありません。作業しながら足りないものが出てきたら、買い足すようにしましょう。

 

壁を組み立てる

次に、防音室の原型となる三面の壁を組み立てていきます。その際、防音室の設置する場所で組み立てるようにしてください。

ダンボールは、軽いため作成後に移動させることもできますが、移動時に破損する可能性があります。組み立ては設置場所で行うようにしましょう。

また、ドアの開閉の際に負荷がかかる天板とドアの部分は、ダンボールを二重にして強度を高めることもポイントです。

 

外壁を密閉加工する

続いて、防音効果を高めるために、密閉加工をしていきます。空気空間のつながりをできるだけなくし、厚みや重量のあるものでしっかり塞ぐことがポイントになります。

隙間がある状態だと音漏れするため、シリコンなども活用して、隙間を埋めるようにしましょう。扉の部分も密閉できるように、隙間テープを貼るなどしてみてください。

また、ピアノや低音楽器、大音量のゲームや音楽など、振動音や重低音が響く場合は、床を浮かす構造なども取り入れる必要があります。

 

内壁にウレタンを接着する

最後に、防音性を高めるために、内壁に吸音材であるウレタンを切って貼っていきます。ウレタンの接着に対応している接着剤を使うのがおすすめです。

また、ウレタンは乾いて接着するまでに時間がかかるため、突っ張り棒などを活用して接着させるようにしましょう。防音室内で電化製品を使用する場合には、プラグを通す部分に穴をあけておいてください。

 

防音室にダンボール素材を使用するメリット・デメリット

ダンボール素材で防音室を自作する場合、メリットとデメリットがあります。それぞれについて、見ていきましょう。

 

メリット

ダンボール素材で防音室を自作する場合のメリットは、以下の2点です。

  • ・コストが安い
  • ・組み立てが簡単

ダンボールは価格が安く、入手しやすい点がメリットです。メインの素材をダンボールにすることで全体的に安い価格に抑えられます。

また、加工のしやすさもダンボール素材の特徴です。簡単に折り曲げたり裁断したりするのが容易で、組み立て作業も知識や技術なしで誰でも簡単にできます。取扱いが簡単なため、一人暮らしや女性の方にもおすすめです。大がかりな工事なども不要なので、賃貸物件にも適しています。

 

デメリット

一方デメリットは、以下の2点です。

  • ・防音性が低い
  • ・夏場は暑い

ダンボール素材で自作した防音室は、防音パネルに比べて防音性は低くなります。ダンボールだけでは十分な防音性を確保できないため、他の素材と組み合わせるなどして、しっかりと防音対策をしましょう。

また、防音室は密閉された空間です。断熱性が高いダンボール素材の防音室は、夏場は熱がこもりやすくなります。湿度が高い場合、ダンボール自体へのダメージもあります。そのため、ダンボール素材の防音室には、湿度や暑さを考慮した対策を施す必要があるでしょう。

 

防音室を作る際の注意点

ダンボール素材で防音室を自作する際は、次の点に注意してください。

 

素材が壊れやすい性質

ダンボールは耐久性が低く、壊れやすい素材です。湿気などにも弱いため、水などをこぼすと劣化してしまいます。

素材の性質を理解した上で、丁寧に扱うことも大切です。とはいえ、もともと丈夫な素材ではないため壊れやすいことを前提に使用しましょう。

 

頻繁に修理が必要

ダンボール素材の防音室は、頻繁に修理が必要です。使用する度に負荷がかかる部分は弱りやすく、部分的にまたは全体的に素材の入れ替えをしなくてはなりません。

修理に備えて、あらかじめ一定量のダンボールをストックしておくと良いでしょう。

 

費用がかさむ可能性もあり

DIYの知識がないと、結果的に予算がかさむことがあります。作成した部分に気がかりな部分があるなど、ゼロから作り直さなくてはならなくなることもあるためです。

失敗を防止するためにも、DIYの基礎的な知識を本や動画などで学んでおきましょう。

 

まとめ:低コストの自作防音室で趣味の時間を充実させよう

自宅で楽器や音楽を楽しみたいのであれば、防音室を作成するのがおすすめです。低コストで自作する場合には、ダンボールなどの安い素材を使用するとよいでしょう。
ただし、段ボールの防音室にはメリットやデメリット、注意点などもあるので、事前に確認しておきましょう。ぜひ自宅用防音室で、ストレスフリーな趣味の時間を満喫してくださいね。