小さな家でも快適に過ごせる?間取りのアイデアも徹底解説!
小さな家は、大きな家よりも暮らしにくい印象はありませんか?確かに大きくて広い家はスペースにゆとりがあり、開放感や居心地のよさがあります。しかし、必ずしも大きな家=快適というわけではありません。
小さな家でも問題点を知り、それを解消する工夫を凝らして家づくりを行えば、満足度の高い理想のマイホームを完成させることが可能です。そこで今回は、小さな家の問題点から快適に過ごせる間取りのアイデアまでご紹介するので、家づくりの参考にしてみてください。
小さな家をつくる上での課題・問題点
快適に暮らせる家をつくるためには、小さな家にどのような課題や問題点が挙げられるのか把握しておく必要があります。課題・問題点がわかることで、対策も考えやすくなるでしょう。それでは、小さな家をつくる上でよくある課題・問題点をご紹介します。
設計の難易度が高め
小さな家における建築の際の悩みといえば、設計が難しい傾向にあることです。間取りは居住性を左右する要素になります。限られた建物面積の中で間取りを設計しなければならないため、大きな家と小さな家を比べれば、設計の自由度は前者のほうが高めです。
小さな家では、狭さをカバーする設計が求められます。事前に配置する家具や持ち物、暮らし方などを細かく具体的にイメージした上で間取りを考えていく必要があるので、広さでカバーしやすい大きな家よりも設計の難易度が上がってしまうのです。
音が聞こえやすい
小さな家は狭い土地に建てられることが多く、隣家と距離が近い傾向にあります。そこで気になる問題といえば、音が聞こえやすいことです。隣家からの生活音が気になる、音漏れを気にして自由に窓が開けられないということもあるでしょう。
また、小さな家は家族同士の距離も近く、家の中で生活音が伝わりやすい特徴もあります。家の中で会話やテレビの音などが響きやすく、プライバシーを確保できない、音のせいで物事に集中できないといった問題が生じやすくなるでしょう。
このような問題を解消するためには、遮音性や防音性の高い資材を用いる必要があります。
プライベート空間が確保しにくい
小さな家では、大きな家よりもつくれる部屋が少なくなってしまいます。たとえば、夫婦別々の寝室や書斎、趣味部屋まではつくれない可能性があるでしょう。子どもが複数人いる場合、個別の部屋がつくれず、同室で勉強や就寝を共にしなければならないこともあります。
つくれる部屋数に制限があると、家族一人ひとりのプライベート空間を確保しにくい問題が懸念されるでしょう。1人1部屋は難しくても、共有スペースに自分だけの時間がつくれるスペースを設ける、ライフスタイルや子どもの成長に合わせてフレキシブルに対応できる設計にするなどの工夫が求められます。
収納スペースが不足しやすい
収納スペースが不足しやすいのも小さな家の課題です。部屋の広さを重視した結果、収納スペースをケチってしまうこともあるでしょう。収納スペースが不足すれば収納家具を設置する必要があり、部屋を圧迫する原因となってしまいます。
収納は何をどこに収納するか想定した上で、位置や大きさを検討することが大切です。また、収納をつくりにくい小さな家は、階段下や小屋裏、ロフトなどデッドスペースを活用する方法があります。
リビングに圧迫感が出やすい
家族団らんで過ごすリビングは、住宅の中でも特に広さや開放感が重視されるスペースです。しかし、小さな家はリビングスペースも小さくなり、そこに家具を置けば圧迫感が出てしまうことがあります。
コンパクトなリビングの圧迫感は、窓を設けて視線を抜けやすくする、ドア・壁の色に膨張色を採用して統一させるなどの方法で軽減可能です。また、キッチンやダイニングなど空間を分割せず、一体的な間取りで考えましょう。リビング階段を設けて、2階とのつながりを持たせて開放的に見せる方法もあります。
小さな家の問題を解消する間取りのアイデア
小さな家の問題は多岐にわたりますが、問題を解消できる間取りを考えていくことで、快適性に優れた住まいにできます。ここからは、小さな家向けの間取り事例をご紹介するので、設計を考える際の参考にしてください。
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内装のカラーは白色系で統一させる
小さな家は一部屋あたりの面積が狭く、圧迫感が出やすいという問題があります。圧迫感を軽減する工夫として、内装は白色系で統一させるのがおすすめです。
白色は膨張色であるため、部屋を広く見せる効果に期待できます。また、光を反射するので、空間を明るく見せる効果もあるのです。無彩色であるため、どんな色とも相性がよいメリットもあります。
吹き抜けや天井を高くして開放感のある空間をつくる
リビングや玄関といった共有スペースに吹き抜けや高天井を取り入れるのもおすすめです。天井を高くすると視界に天井が入り込みにくくなり、圧迫感が軽減されることで空間が広く見えます。
吹き抜けであれば、天窓を設けることで日中は日光を取り入れ、室内を明るくさせることが可能です。住宅が密集していて採光が難しい家は特に向いています。上下階とのつながりもできるので、家族のコミュニケーションが取りやすいこともメリットです。
水回りはコンパクトにまとめる
住宅には、キッチン・浴室・トイレといった水回りが必要不可欠です。スペースに余裕を持てない小さな家では、水回りはコンパクトにまとめるのがコツです。
コンパクトにまとめるといっても、一部屋あたりの面積を小さくすることではありません。浴室・洗面脱衣所・トイレといった水回り設備をキッチンのあるリビング近くに集約することで、床面積を節約することが可能です。また、家事動線がスムーズになるメリットもあります。
また、便器や浴槽、洗面台などの設備もなるべくコンパクトサイズのものを選ぶと、スペースの縮小になり、部屋を広く使うことが可能です。収納スペースも何をどのくらい、どのように設置・収納するのか想定して計画しましょう。
仕切りは少なめ、または透明なガラスを使用する
部屋の仕切りが少ないと、となり合う部屋とつながるのでまるで一つの大きな空間のように演出できます。また、透明なガラスのパーティションは、部屋を区切りながらも視線が通り抜けるので開放的な雰囲気を演出することが可能です。光も届くので明るく見えるのも開放的に見せるポイントになっています。
ただし、仕切りが極端に少ないとプライバシーのない家になってしまう点に注意が必要です。ほかにも冷暖房効率の低下、音やにおいが広がりやすいなどのデメリットがあります。仕切りをふすまや引き戸にして、必要なときに区切れるようにするといった工夫をしましょう。
デッドスペースにプライベート空間をつくる
小さい家はつくれる部屋数の関係で、個々で使うプライベート空間がつくりにくい傾向にあります。しかし、デッドスペースを活用することで、仕事や趣味などに集中できるプライベート空間がつくれる可能性があるでしょう。
たとえば、階段下やリビングなどの空きスペースに、デスクや収納棚を置けば、コンパクトでありながらもワークスペースとして活用可能です。パソコンやスマホなどを使う際は、身近な場所にコンセントも忘れずに設置しましょう。
スキップフロアやロフトなどを設置する
空間を有効活用する方法として、スキップフロアやロフトを採用する手段もあります。スキップフロアとは、上の階と下の階の中間に設置される壁やドアで仕切らない空間・スペースのことです。
階段の途中にあるスペースなので安全性に考慮が必要ですが、デスクスペースや簡易的なくつろぎスペースなどさまざまな用途で使えます。スキップフロアの下にも空間ができるので、小さな和室や子どもの遊び部屋、収納など無駄なく活用することが可能です。
屋根裏に設けられるロフトは、ベッドや収納として活用できます。ベッドや大きな収納スペースを設置する余裕がない小さな部屋でも上の空間を有効活用でき、快適性を高めることが可能です。
大きな窓を設置する
大きな窓は、見える外の景色の範囲が大きくなります。外とのつながりが強調され、部屋全体を広く見せることが可能です。採光性も高く、明るい部屋にできるのもメリットになります。
ただし、外から室内が見えやすくなるので、配置する場所や目隠し対策に工夫が必要です。窓が大きいと外気の通り道が大きくなり、夏は暑く、冬は寒い部屋になってしまいます。そのため、断熱性の高い窓を採用しましょう。
階段下の空間も活用する
階段下はプライベート空間をはじめ、さまざまな用途で活用できます。定番は収納スペースとしての活用です。扉をつければ、掃除用具のような生活感が出るものを隠して収納できます。
リビング階段であれば収納棚や本棚、テレビ台をつくることで、スペースを無駄なく使うことが可能です。リビングの外に階段を設置する場合、高さに余裕があればトイレとして活用することもできます。
まとめ:アイデアを参考に小さな家でも快適な住宅を建てよう
住まいは大きいからよいというわけではなく、家族の人数やライフスタイルによっては小さな家でも快適に暮らせます。しかし、小さな家は課題や問題点もあるので、それを解決できる間取りプランを考えなければなりません。
どんな問題があるのか知り、ご紹介したアイデアも参考にどんな家にしたいのかイメージを膨らませてみましょう。小さな家づくりは設計が難しい傾向にあるので、経験豊富で提案力に強みがある住宅会社に相談してみてください。